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ゴーレム娘は今生を全うしたい  作者: 藤色蜻蛉
4章 訪問!!領主のお屋敷
63/264

第58話 ゴーレム娘、反省する

58 ~ 68話を連投中。


4/7(日) 15:30 ~ 19:30くらいまで。(前回実績:1話/20分で計算)


word → 貼り付け → プレビュー確認、微調整 → 投稿してますので、時間が掛かります。


申し訳ありません。



ブックマークから最新話へ飛んだ方はご注意ください。

チュンチュンチュンチュン…………


「……………………夢の中でまで説教された…………」


『お、お疲れ様……』


窓から射し込む朝日に横になったまま呟くと、ナビが気の毒そうに声を掛けてきた。


「おはよう……ナビ…………」


『おはよう……今日はもう少し休んでいたらどうだ?』


「…………………………………………いや、起きる」


『随分悩んだな……』


私、堕落すると止まらないタイプですので。

ヨロヨロと体を起こす…………と、途中で動けなくなった。


セレスだ。


「……………………なんで寝てるのに、こんなにガッシリ掴んでるの……この人は…………」


いつもは軽く腕を乗せている程度なのに、今日は両腕を巻き付けるようにガッシリと掴んでいる。


別に掴むなとは言いませんが、起きるのを邪魔しないで欲しい…………顔を洗ってすっきりしたいのよ?


『まぁ、ガア・ティークルに行っていた間、ずっと心配していたようだし、しばらくは仕方無いんじゃないか?』


「う…………」


昨日、涙目で私を叱るセレスの表情を思い出した。『不可抗力です!!』と言い訳したい気もするが、オズが心配で滞在時間を延ばした自覚もある。


『ぽふっ』と諦めて枕に顔を埋めた。今日はもう少し遅く起きよう……

ずりずりと体を捻って布団に戻ると、拘束が腰から肩に移動する。


……………………さらに起きにくくなった気が……


「…………ナツナツには、もうちょい寝るって言っておいて……」


『了解した』


…………………………………………堕落した。


このあと、二度寝でマジ寝して寝過ごし、フライパンとお玉を持って突撃してきたタチアナさんに叩き起こされることとなった。


えぇ、叩き起こされましたよ、物理的に。フライパンよりお玉の方が痛いんですね。不思議です。

……………………なお、ナツナツはとっとと起きてて回避していた。ずるい……





「うぅ~……まだ、頭痛い……」


「大丈夫?」


『角が立っていたからなぁ……』


「頭部皮下血腫にはなっていませんか?」


「……………………もっと分かりやすく」


「頭大丈夫?」


『頭おかしくないか?』


「頭悪くなってませんか?」


「ニュアンスが変わっとる!!!!」


グランディア家の廊下で箒片手に呟いたら、三者三様ならぬ三者一様な返事が返ってくる。

『とうぶひかけっしゅ』が分からなかったから、簡単に説明してもらおうと思っただけなのに、酷いニュアンスになって返ってきたよ。泣いていいかな?


しばらくはクエスト禁止を言い渡されてしまったので、反省の意味も込めて、お屋敷掃除です。

この屋敷は、そこそこ、いや、かなり広い割にメイドさん的な人は一切いないので、掃除場所を決めて毎日少しずつしているらしい。タチアナさんが。

臨時で手を出してタチアナさんの掃除周期を崩していいのかとも思ったが、『そんな厳密でもないからいいわよ~』とのことだった。


「それは今後も掃除させる、という意思表示だったのでは?」


「オズさん。可能性の高いこと言わないで……」


「失礼しました?」


頭上でふよふよ浮いている、球状の転移基点端末に言う。

これには現在、オズが入っている。いや、正確には、オズの五感と連動しているので、『オズがそこにいる』のと同様に扱える。

よく分からないが、おじいちゃんたちともこのようにして旅をしていたとのこと。30年くらい。実は私とも会ったことがあるらしい。……………………覚えてないけど。


廊下の端に到着すると、[アイテムボックス]から十色の円筒を取り出した。

オズの汎用デバイスたちだ。


「まぁ、オズが手伝ってくれるからいいけど」


「そこに反省の意味は込められているのですか?」


「込めてるよ~♡とりあえず私は上から埃落とせばいい?」


「全部私がやります」


「あれ?」


「【五点面水(ごてんめんすい)】。Read…………Invoke」


「【五点乾風(ごてんかんぷう)】。Read…………Invoke」


青と緑を中心に、他の八柱が1mずつ間隔を空けて横に広がると、まず青が水魔法を発動させる。すると円筒たちの頭上の天井が水の膜を纏った。

水膜の中では不規則な水の流れが生み出されており、薄く天井に張り付いた埃を根刮(ねこそ)ぎ取り込んでいく。そのまま壁に向かって左右に割れると、壁に沿って移動しつつ汚れを取り込んでいった。


水膜が退くと次に行われたのは、風を吹き付けて行われる乾燥だ。元々触ったら湿り気を感じる程度にしか濡れていない天井や壁は、ものの数秒で乾いていく。


最後に、床に敷かれた絨毯の端にローラー状の水柱が乗せられると、絨毯を巻き上げながら繊維に染み込んだ汚れを浮かして取り込んでいく。そして絨毯が浮いている内に乾風が吹き付けて乾かし、元通りに敷いていった。


数分後には、掃除した場所としていない場所の境目がくっきりと分かるほど、綺麗な廊下が現れた。…………現れてしまった。


「如何でしょう?」


「…………すごくすごい」


「撫でてくれていいですよ?」


「そのくらいならお安いご用ですよ?」


宙に浮く端末を撫でくり回し、ワラワラと集まってきた円筒たちも順番に撫でてやる。


…………………………………………


「でも、問題がふたつあるわ……」


「何でしょう?」


あ、分かって言ってるな?


「ひとつ。綺麗になりすぎて、廊下全部やらないと見映えが悪い」


「午前中には終わりますよ」


「うん。ありがとう。ただね?ふたつめはね?」


「はい」


…………………………………………


「私の反省…………込められてないですよね?」


「だから言ったじゃないですか」


言いましたね、確かに。あと、箒持ってきた意味無い。


…………結局 廊下はオズに任せて、私は屋外を担当することにした。

一応言っておくと、私もオズと同じように掃除できなくもない。ただし、『広範囲を一度に』となると難しく、『乾きやすいように最低限で』となるとムリ。多分ビショビショになる。

ギルド飯店の時は加圧熱水だったから、大部分が勝手乾いたのだ。100℃超えてたし。


私は屋外、屋根の上から外壁にかけて、水魔法で汚れを落として綺麗にしていった。

ギルド飯店の時の掃除と違って、油汚れじゃないから加圧熱水ではなく、高速流水による削ぎ落としだ。だから、強くなりすぎないように注意が必要となる。

加圧熱水は圧力が漏れないように全体的に抑え込むだけでよいが、こちらは程よい力で一定にし続けなければならないので、また違った制御がいる。

まぁ、おじいちゃんに鍛えられた私ならこの程度なら余裕です。


……………………何度もやらかしたとも言う。



▽水魔法マスタリーのレベルが上がりました!!

▽水魔法:アクア・フロウを取得しました!!

▽水魔法:アクア・ストリームを取得しました!!

▽《アクア・フロウ》が《アクア・ストリーム》に統合されます。

▽ステータスを確認してください。


特殊スキル

・水魔法マスタリーLv.4 → 6


取得スキル

・アクア・フロウ:流水を生み出す。水量、流速、水流等は込める魔力、イメージに依る。

・アクア・ストリーム:《アクア・フロウ》の上位互換。あらゆる性能の上限が上がる。



あ、はい。





掃除が終わった後の成果を見せると、タチアナさんにとても誉められた。自分だけの成果にするのはとてもとても気が咎めたので、この時ついでにオズも紹介する。『友達です』と。

『あらそう?ご飯はいらないの?』とナチュラルに受け入れたタチアナさんは大物だと思う。

オズは『ジャスティーナ様だけじゃないんですね……』と呟いていた。


…………なんとなく察した。


詳しく聞かれたら、『おじいちゃんが残してくれたナビゲーターの一人』と説明するつもりだったのだが。


ガア・ティークルを報告?しませんよ、そんなこと。

他の人たちがオズをどう扱うか分からないってか、悪く扱う連中は必ずいるだろうから、そこのところの安全を確保してからじゃなきゃ。まぁそれでも報告するかどうかは分からないけどね。あそこの技術は今より大分進んでいるから。


とりあえずオズには今の社会に溶け込めそうな体を造れないか検討してもらってる。情報生命体だから、別に物理的な体が無くても動き回れるけど、あった方が色々便利だからね。


なお、私たちの清掃は月一回の義務となりました。予想通りに。


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