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ゴーレム娘は今生を全うしたい  作者: 藤色蜻蛉
2章 激震!!狩りまくりイベント
28/264

第25話 ゴーレム娘、戦闘服リフォーム①

24 ~ 33話を連投中。


2/24(日) 14:50 ~ 19:00くらいまで。(前回実績:9話を4時間で投稿)


word → 貼り付け → プレビュー確認、微調整 → 投稿してますので、時間が掛かります。


申し訳ありません。



ブックマークから最新話へ飛んだ方はご注意ください。

納品を終えたらセレスには悪いけど、さっさとギルドを出てしまう。

例の連中が絡んできたからだ。

一応、壁際に引き寄せて《ミラージュ》と《ハリューション》の合わせ技で放置してきた。

ギルドのド真ん中で騒がれると邪魔だからね。


『それにしても、しつこい連中だな。今までの納品も個室で行ってきたのに、どうしてルーシアナの収納量が多いとバレたんだ?』


ナビが吐き捨てるように言う。まぁ、話題にするだけで苛つくからね。


『収納量が多いとバレてる訳では無いと思う。いや、ギルド飯店で見せた『猪二頭分』くらいはバレてると思うけど』


『そうなのか?』


『うん。多分接触してくるようになったのは、元々あのパーティにいた収納担当が辞めたせいって言うのが大きいんじゃないかな。そのタイミングで、私がEを飛ばしてDランクに上がったものだから、目立ったんじゃないかと。思わずテンション上がって大声で騒いじゃってたし』


『この前 判明したことだけど、ルーシアナってまだ子供だからね~。それで『言うことを聞かせやすい』って考えてたのもあると思う』


成人は16歳以上。私は15歳。

ギリギリアウト。…………アウト?


『なるほどな……『運が悪かった』の一言で済ませたくはないが、その通りだったのかもしれんな。…………ルーシアナが一言、『ヤツらを近付けさせるな』と指示してくれれば、二度と連中の知覚に引っ掛からないようにもしてやれるぞ?』


『その提案には大いに興味はあるし心惹かれるけど、なんとなく碌でもない方法のような気がするのだけど? 『とりあえず目を潰しておけば、八割方の知覚は潰せる』とか思ってない?』


『ぎく』


案の定だよ。まぁ、冗談だとは思うけど。…………冗談だよね?


『人間社会で生活する以上、ルールは味方に付けておかなくちゃ。現状、こっちが一方的に付き纏われてる被害者だと言うのは周知出来ているはずだから、万一の時の味方は多いだろうけど、こっちから先に手を出しても『無罪放免』となるほどじゃないし。やるなら、警備隊が無条件で味方してくれるくらいになってからね。

まぁ、そういう意味だと《ミラージュ》や《ハリューション》って、ちょっと不安なんだけど……』


『……? なんでだ?』


『『姿を隠す』、『気付かれにくくする』。どちらかと言えば、犯罪者側の人間が使いそうな魔法だよね。実は、規制されてたりしない?』


『…………はっはっはっはっは』


『ちょっとぉ!?』


いや、ナビに非はないんだけどね!? スキルを取得しているのは私だし、使ってるのも私だからね!!

ナビは、それをサポートしているだけだもの。

…………サポートなんだから、不味い使い方をしてたら、一言 言ってくれてもいいんじゃないかな?


『冗談だ。精神属性魔法は禁術指定も多いが、《ミラージュ》や《ハリューション》程度の魔法なら、余程 効果が高くとも規制されるようなものではない。無論、相手や状況にも依るし、犯罪に使うなら別だがな。対抗魔法もあるし』


『…………信じるからね?』


『ああ、問題ない。それに、なんだかんだで目立つ要素を抱えてしまっているからな、ルーシアナは。こういう魔法を使って目立ちにくくするのは、自衛として有効だと思うぞ』


ギルド長宅に居候、ダーチョの卵の大量納品、Eランクスキップ…………否定は出来ないな。


『常時発動させてる魔法の制御をナビに一任させたから、効果も上がってるでしょ? 前の状態じゃ、《ミラージュ》と《ハリューション》を併用しても、あそこまで効き目は無かっただろうし~』


『あー、うん。最初はびっくりした。面と向かって話をしている最中なのに、移動しても気付かないんだもん』


『一対一で会話(・・)をしている場合だと難しいと思うがな。連中、会話をしているのではなく、一方的に言葉を吐いているだけだから、注意力が散漫なのでな。希望してくれるなら、そもそも見つからないようにもしてやれると思うが? 目潰し云々ではなく、《ミラージュ》と《ハリューション》を強化する方向で』


『それはやめておこう。ギルドで見つからないからって、バイト帰りとかを狙われたくないし。…………もしそうなったら、ストーカーとして捕まえられる? でも、気持ち悪いしなぁ……』


『あははっ。大丈夫だよぉ~。…………もし、そんなことしやがったら、捕まえる前に砂にして息の根を停めてやるから♡』


『ちなみに暗喩ではなく、【ドライ・キリング】系統の魔法による砂化だ。風化とも言う。証拠は残らんよ。ククククク……』


『止めようか。殺すならちゃんと罪に問われない状況を作ってからね?』


『むぅ……ルーシアナのストーカーなんて死刑に値するのにぃ~……』


『同感だな……………………つまり、殺っていい? 実はすでに、指示は出ていた?』


『待とうか』


ナツナツもナビも、私の真意を分かった上でやりそうで危ない。

というか、ここで『ちょっとやってやりましょうか』とか言おうものなら、二人は嬉々として『ちょっと』の意味を誤解するに違いない。

そうなれば、ヤツらは明日の日の出は拝めないだろう。


『ちぇ~……ま、ルーシアナがそういうなら、しょうがないね。ナビに頑張ってもらお~』


『《ハリューション》の応用の意識誘導も効いているようだしな。ルーシアナが『他の冒険者の迷惑にならないように』と言うから、ルーシアナ以外を標的にしないように誘導している程度だが。自滅誘導も可能だぞ? どうだ?』


『…………考えとく』


実のところ、連中をどうこうする具体的な方策がある訳じゃないのだよね。現状は、適当に受け流して問題を先送りにしているだけだし。

ナビの意識誘導もそのうち限界を迎えて 他の冒険者に標的が向いてしまえば、私の問題としては解決なのだけど、厄介事を他人に押し付けるようで、どうも気が引ける。

かといって直接 手を出すのは、ルールが云々もあるけど、連中の実力がどの程度なのか分からないのが不安材料。まぁ、四対一の時点で、簡単にはいかないだろうけど。


そういう意味では、自滅するように誘導するのは悪い手ではない気もする。身の丈に合わない魔獣の生息地に向かわせるとか。

懸念は、『それに巻き込まれる人が出ないだろうか?』というところだが。

なんか生き意地が汚そうだから、魔獣を引き連れて被害を拡大させながら、ちゃっかり生き残りそうで。


え? 付き纏われてるだけで、それはやり過ぎじゃないか?

いや、私以外にも被害者は多いみたいだし。そもそも連中の前収納担当は、ストレスで精神を病んで冒険者を止めたらしいし?



まぁ、それはそれとして……


『今更だけど、自滅誘導もできるとか、精神属性魔法って悪用し放題だよね……みんな大丈夫なのかな……?』


『あははは~♪何言ってるの~。…………こんなに強力なのはマイアナの魔法だからだよ (真顔)』


『…………………………………………自制しよう』


おじいちゃん、ヤバス。





さて。道すがら買い込むのは食料品の類。タチアナさんに買い物メモを預かっている。

バームクーヘン以来、お菓子作りに火が点いているので、それ系の材料が多い。

何だかんだでお菓子ストックが増えていく。ありがとうございます。

ちなみに、ギルド飯店でバイトしてる時に大体 黒字を出して売り切れるので、全く問題が無い。

ちゃんとタチアナさんが作ってることは伝えてますよ?


私のグランディア家における役割は、今や完全に買い物係 兼 食料庫だ。

現在、あの家には2 ~ 3日分の食料しか置いてない。私がクエスト先で死んだり、長期間 外出したらどうするんだろう。

買い物を済ませた私は、本日のメイン『人形工房 フェアリークロス』にやって来た。


『や、表向きはアンティークショップだから~』


『そっちは名前が無いんだよね……まぁ、見えないだけなんだけど』


一応、店舗には看板があり、そこに店名と思しきものが書いてあるのだが、私には読み取れない。汚れのせいで。


『記憶を読んでみたが、人は見掛けによらないな』


『妖精の友人との別れを後悔無く終えられてたなら、多分 普通に紳士だったよ』


私も、ナツナツと訳の分からないまま会えなくなったなら、残った手掛かりを何が何でも放さないだろう。

それがゴスロリ服だったのは、ちょっとアレだけど。……他に代わりになる手掛かりは無かったのかな?


ナビと話しながら扉をくぐる。あまり意識し過ぎると入りづらくなるからね。


カランカランカラン……


この前も聞いた、綺麗なベルの音が歓迎してくれる。…………相変わらず店主も店番もいないが。

カウンターに近寄ると、奥に向かって声を掛けた。


「シャルドさ~ん。来たよ~」


…………………………………………

しばらく待つと、のしのしという足音が聞こえ、シャルドさんが姿を表した。

…………この前とは違い、フリルは少な目で、しかし原色近い色の甘ロリ服だった。


「やぁ、お嬢さん方。いらっしゃい。よく来てくれた」


「おいっす~」


「いえ。私の装備のためですから。…………今日は甘ロリなんですね」


「ふっ。この膨らみが難しかったのだ。良くできているだろう?」


と言って、傘のように開いたスカートを翻すように見せてくれた。


『……………………夢に出そうだ……』


『耐えて』


『生後一ヶ月も経ってないナビゲーターにはキツいだろう……あ、私ではなく、ナツナツのことだ』


『ん~? 私は大丈夫だよん♪』


『パイセン マジヤバス』


『ナビの方がヤられてるじゃん……』


シャルドさんの破壊力は、全体的に高い。

そのシャルドさんに案内される形で、『フェアリークロス』へ向かう。

部屋に入ると、ナツナツは綺麗に陳列された服に近付き、時々 手に取って眺め始めた。

あれだけあれば、コーディネートも色々思い浮かぶのだろう。


「ふふふ……あのように楽しそうに手に取ってもらえると、やはり嬉しくなるな。これまで欲しがる者はいなかったからな」


「人形用の服としての需要はないんですか?」


「微妙にサイズが異なるのだよ。オーダーメイドであれば問題ないのだが、無名の人形師に依頼する者はいなくてな……」


「今更ですけど、収入大丈夫ですか」


結構なんだかんだと貰っちゃったんですけど。

私の戦闘服なんか、人形とは比べ物にならないくらい素材を使うでしょうに。


「大丈夫だ。服に使えない素材は売っているからな。贅沢をしなければ、死ぬまで働かなくとも問題ない程度には蓄えはある」


「…………若干殺意沸いた」


「ふっ……では、殺される前に用事を済ませるか。飲み物でも持ってくるから、普段着にでも着替えていてくれ。今 手持ちに無ければ、代わりの服がそこにある」


「分かりました」


「私が出たら鍵を閉め給えよ」


背中を見せながら『シュッ』と手を振る姿は、仕草だけなら格好良かった。


シャルドさんが部屋の外に出たのを確認して、言われた通り鍵を閉める。

そして、今 着ている戦闘服を脱……


『ナビ。目を瞑りなさい』


『構わないが、どうやって判断するつもりだ?』


『対象『ナビ』。知覚系の設定変更。五感の全遮断』


『ちょ……!!』


『よく分からないけど良し』


『慣れてきたね~。ナビには見えてないよ』


『『分かった』の一言で済ましていれば、こんなことしなかったんだけどね』


彼には、『雉も鳴かずば撃たれまい』のことわざを贈りたい。


それはさておいて、さっさと着替えを済ませてしまおう。

なお、この工房は通常、人が着れるサイズの服を作ることはないので、更衣室なんてものはない。

あるのは、衝立で間仕切られた狭い空間のみだけど、最初にここへ来た際は無かったのだから、わざわざ用意してくれたのだろう。

その上で、飲み物を言い訳にして席を外してくれたのだから、感謝して使わせてもらうことにする。


今日ここを訪れたのは、一週間の試用期間を経て、戦闘服の不具合や不満点などを聞き、修正してもらうため。

普通の服なら口頭で説明して修正してもらえばいいのだろうけど、素材がレアだからかシャルドさんの流儀なのか、フルオーダーの高級服のようにしっかりフィッティングしてくれる。

…………よく考えたら、自分の命を預ける防具なんだから、フルオーダーは当たり前か? なら、この対応も普通?


……………………まぁ、いいか。



間仕切りの中に用意された服に着替え、戦闘服を代わりに吊るす。

代わりに用意されたこの服も、普通に街をぶらつくなら、かなりレベルの高い服である。シンプルでもあるので、着るのに手間取ったりもしない。

人間用の服を作ったなら、きっとすぐにでも人気が出るであろう。

『見た目で損をする』を地で行くシャルドさんは、正直勿体無いと思う。まぁ、趣味だからこそ、このレベルを維持できるのかもしれないが。


着替え終わったところで、不自然なほどタイミング良くノックの音がした。


「着替え終わったかね?」


「…………えぇ。ちょうどぴったりタイミング良く」


ちょっとドスを効かせて返答する。

込められた意味は、『覗・い・て・な・い・よ・ね?』だ。


「ははは。自分の作った服を着るのに どの程度の時間が掛かるかなど、分からぬはずもない。覗いてはいないから機嫌を直して開けてくれないか」


「はいはい。冗談ですよ」


まぁ、この人がこそこそと覗きをするとは思っていないし、見ても楽しい体でもないのは自覚しているので、ちょっとふざけてみただけだ。


扉を開けるとすぐに、不思議な薫りのするポットをトレイに載せたシャルドさんが入ってくる。

そして、不快でない程度に私の格好を上から下まで眺めると、


「ふむ…………少々シンプル過ぎたな。(もと)が良いのだから、もう少し華美にしても良かったか……」


「……………………ありがとうございます」


「あぁ、いや、すまない。職業病だな。忘れてくれ」


うん。そういうのは心の中で言ってくださいね。恥ずい。


誤魔化すように、シャルドさんから少々強引にトレイを受け取って空いた机に持っていき、お茶請けを取り出す。

最近 定番のバームクーヘンの他に、商店街で買ったクッキーも用意してみた。


「さ、座って 座って。ナツナツ~」


「は~い」


「重ねてすまない。お茶請けは忘れていたよ」


「いいから いいから」


「では、失礼する」


シャルドさんも席に着いたところで、まずはティータイム。時間的にまだ夕食には遠い時間帯だから、食べ過ぎなければ大丈夫だろう。

お茶をひと口すすると、微かな苦味とともに爽やかな酸味が口に広がる。不思議なお茶だ。


「どうかね。ハープール茶と竜草のブレンドだ」


「に~が~い~」


「美味しいですね。でも、どちらもあまり聞き覚えのない名前ですけど、どこで購入したんですか?」


2~3店程 茶葉のお店に入ったことがあるけれど、どちらの名前も見た記憶がない。


「ナツナツくんの口には合わなかったか。では、こちらはどうだろう?」


「…………うん。これなら美味し~」


「それは良かった。それと、ハープール茶は錬金術の素材として売っているものだ。竜草はベイル山の奥地に生えているものを摘んできた。心を落ち着かせ、リラックスさせる効果がある。

…………最近、面倒な連中に絡まれていると聞いた。それを飲んで、ゆっくりと心を休ませてくれ」


「あはははは……ありがとうございます」


憮然とした表情で体調を気にかけてくれるシャルドさんに、礼を返す。

わざと連中の注意をこちらに惹き付けている面もあるので、そこは申し訳なく思う。


「まぁ、君が苦労している分だけ最近のギルドは平穏のようだ。だが、だからといってキミが面倒を背負い込む理由にはならない。何か力になれることがあれば言ってくれ」


「ありがとうございます。戦闘用の服を用意してくれることだけで、十分すぎるほど力になってもらってますよ」


「それは何よりだ。……………………旨いな」


「そうでしょう? 今 お世話になってる人にレシピと道具を貸したら、ハマったみたいで。たくさん作ってくれるんで大助かりです」


「これとかオススメ~♪」


私がギルド長の家にお世話になっていることや、ギルド飯店でウェイトレスしていることなど、他愛もない話をして時間を使ってしまうのだった。


『リフォーム』より『仕立て直し』の方がよかったかも?


『生き意地汚い』って言葉。ググっても意味が出てこない (けど、それなりにヒットする) んだけど、もしかして覚え間違いだろうか?

私の考えてる意味としては、『『死ねばいいのに』ってみんなに思われてる外道のくせに、ギリギリのところで生き残る悪運の強いヤツ』的な感じですが。


『間仕切る』って言葉も上と同様、ググっても意味が出てないが、そこそこヒットする……

『衝立やパーテーションで部屋を区切ること』を指す動詞だと思うんですが、どうも『間仕切り』という名詞はあるけど、『間仕切る』という動詞はないっぽい。

『仕切る』という動詞はあるので、これが『間仕切り』と混じったのだろうか……?


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