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ゴーレム娘は今生を全うしたい  作者: 藤色蜻蛉
9章 進出!! 王都 冒険者ギルド
197/264

第187話 ゴーレム娘の人にあまり見せたくない御休憩

168 ~ 220話を連投中。


11/1(日) 10:20 ~ 23:20くらいまで。(前回実績:1話/6.5分で計算)

一応、事前に下記手順の一部を済ませていますが、途中で投稿を中断するかもしれません。


word → 貼り付け → プレビュー確認、微調整 → 投稿。


申し訳ありません。



ブックマークから最新話へ飛んだ方はご注意ください。

「む~~、まったくもう!! 不幸があった訳じゃないなら、早くそう言ってよね!! ぷんぷん!!」


「早合点したのはお前たちの方だろ……」


「うぅ……恥ずかしいです……もう、てっきりご両親と死に別れたものだとばかり……」


「もう……家出中で絶縁されてるからって、あのタイミングで『親がいないのは事実』とか言われたら、勘違いしちゃうでしょ」


「あはははははは……」


「申し訳ありません」


ぷくっと頬を膨らませたマヤさんが、隣に座るオズの頬をつんつんと突っついた。


…………いつの間にやら、随分と仲良くなったね?


ちなみに、『家出して絶縁中』というのは、テモテカールで他人に説明する用の偽情報である。

その場その場で適当な説明をしていると、巡り巡って疑問を抱かれるかもしれないしね。


「まったく~……あたし バカなんだから、勘違いしやすい表現は気を付けてよね」


「そうでげふんげふん!! 気を付けます、ごめんなさい」


「ルーシー、ちょっとこっち来なさい」


「それは断る」


「こらこら……」


いや、別にサリーさんのことを『バカ』とか『アホ』とか思っててうっかり肯定しちゃったわけではなく、『勘違いしやすい表現』に対しての肯定ですから、そこはお間違えなく。


むっつりしながら食事を摂るサリーさんだが、一口二口と進めるにつれて目に見えて機嫌が良くなっていく。


「それにしても、美味しいねコレ」


「確かに。まさか、硬くないパンが移動中に食べられるとは思わなかったわ。コレに免じて許そうではないか」


「それに新鮮なお野菜も!! 久しぶりです!!」


「ホント、どうなってるのやら」


「まだあるから、程々に食べてね」


「食事が終わったら、また移動ですからね。満腹は良くないです」


「「「「は~~い」」」」


揃って返事を合わせる仲の良いココネさんたち。


実はというかなんというか、通常の冒険者が持ち歩く食糧というのは、私たちのように『生の食材をそのまま』ということはほとんど無く、日持ちが良くなるように乾燥させた保存食である。

保存可能期間は1 ~ 2週間程度で、私が蘇生した際にナツナツと一緒に食べた美味しい美味しい保存食 (嫌味) とは異なり、味の劣化はあまり無い。

とはいえ、生の食材をそのまま持ち運べる私たちが、ドライフルーツのように食味を向上させることを目的とした乾物はともかく、日持ちを向上させることを目的とした保存食を持っているわけもない。

……え? 全合成食? アレは、保存食とも違う何かだよ…………


で、そんなことは百も承知だったから、食材を取り出す際は、ナツナツに幻覚を掛けてもらって、フォズさんたちの目を誤魔化すつもりだった。


ところが、先程のサリーさんたちのテンパりっぷりに動揺してしまった私は、ナツナツの準備が整う前に食材を取り出してしまい…………がっっっっつりとフォズさんに見られてしまったわけです。

無理矢理ゴリ押すことも出来なくはなかったけど…………どうせ、魔獣素材を仕舞う際に大容量の収納魔法が使えることはバレるのだから、ここでバラすことにしたのだった。

テモテカールで秘密にしてたのも、他の冒険者から勧誘されることを防ぐのが主目的だったし、ベーシックドラゴンの件で、あっちでは私が大容量の収納魔法を持っていることは、公然の秘密みたいになってたし。


「はぁ~…………まさか、生野菜がこんなに美味しく感じる日が来るなんてぇ~……♡ 不覚♡」


「不覚を感じている口調じゃないな、それ…………まぁ、でも確かに。地元にいたときは、夢にも思わなかったね。二人して『野菜より肉』派だったし」


「それだけじゃ無いですよ? 故郷で作っていた野菜の中でも、貴族様に回すような上物ばかりですもん。それがこんな新鮮な状態なら、美味しくない訳がないです」


「フォズちゃんがここまで言うなんて…………ルーちゃんたち、やるわね」


「それほどでも」


「…………やはり、目指すはこのレベルですね」


なお、一番人気が高いのは、スープではなく、シンプルなサラダだった。無念。


今回使った食材は、主にライ村で購入・貰ったものだ。

後から知ったのだが、あそこは国内でもトップクラスの品質を誇る野菜を生産している農村だったらしい。

そりゃあ、貰い物でも美味しいわけですよね、


なお、それを知ったオズが、家庭農園の目標値を上方修正したのは、可愛いところ。

『ライ村の野菜より美味しいの作ってみせます!!』と言っていたので、その内 品種改良で引きこもりそう。その時は、私が適度に引っ張り出さないとね。


メンバーは違うものの、いつも通り賑やかな食事が進んでいった。


「ごちそうさま~。はぁ~、満腹じゃ~♪」


「おいこら、この後 歩くんだからな?」


「分かってるぅ~♪」


…………まぁ、私が口を出すことじゃないか。

口を出したとしても、もう遅いし。


「ごちそうさまでした。何だか、久しぶりに満足した食事が出来た気がします」


「そうね。私も同意だわ。…………王都の料理もね、美味しいのは美味しいのよ? お肉とか。でも、毎日だとさすがに飽きるの」


「そうなんですよね。というか、そもそもの調理法が『鮮度の悪い素材でも、美味しく食べられる方法』なので、『素材の味を活かす』という発想が薄いんですよ。だから、基本『料理の味 = 調味料の味』になって、大味になるんですよね。

でも、自分で調理したくても、鮮度の悪い食材しか手に入らないから美味しくないというジレンマ…………

結果、食事をするために、王都から離れた場所のクエストを請けたくなるという……」


「上京者あるあるよね」


…………そんなことになってるのか。でも、分かる。

私も、[アイテムボックス]に新鮮な食材がなければ、同じことしそう。


「それにしても、収納魔法に保存食じゃなくて食材詰め込んでる冒険者は初めて見たわ。しかも、【劣化軽減】まで掛けてるとか…………もう一回確認するけど、ちゃんと必要な道具とか、考えた上でそれだけ余裕があるのよね? 大丈夫よね?」


「大丈夫 大丈夫。あ、でも、あんまり公言しないでね」


「それは、分かってるわ。……………………でも、羨ましい」


うん。普通はアイテム袋や収納魔法には、使える魔力の関係上どうしても容量に限界があるし、時間制御魔法などを重ね掛けするとさらに負担が増えるから、持ち運ぶ道具や食材は、なるべく体積を減らして厳選するものだ。

フォズさんも、スープの具材として、乾燥させた野菜やベーコンなどを取り出していた。

生鮮食品を丸ごと詰め込んで持ち運んでいるなんて、輸送を生業にしている者くらいだろう。


「ルーちゃんたちが、どのくらいの量をその鮮度で持ち運べるか分からないけど、料理屋でもしたら繁盛しそうね」


「もし開店したら、ぜひ教えてください!! 毎日通いますから!!」


「いや、私たち冒険者だから」


「またギルドで会ったら声を掛けてください。機会があれば、ご馳走しますから」


でも、家庭農園で栽培している食材は、私たちが消費出来る量を遥かに越えている。

料理屋なり卸売りなりして大量に売り捌くことも考えておく必要があるかも。


とはいえ、王都でそれをやると目立つことは確定だ。

それは回避したいところなので、別案が閃くのを待とう。


さて、それではぼちぼち出発しますか。

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