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ゴーレム娘は今生を全うしたい  作者: 藤色蜻蛉
1章 活動開始!!まずは地道に下積み
16/264

第14話 ゴーレム娘のファーストクエスト

13 ~ 23話を連投中。


2/11(月) 13:40 ~ 17:10くらいまで。(前回実績:12話を3時間半)


word → 貼り付け → プレビュー確認、微調整 → 投稿してますので、時間が掛かります。


申し訳ありません。



ブックマークから最新話へ飛んだ方はご注意ください。

昨日も訪れた、ギルドの二階にやってきた。

ちなみに、ギルド二階は大きく2フロアに分かれており、夜時間は全フロアをギルド飯店が、朝昼時間は半フロアを別のお店が使用して営業している。

つまり、今から掃除するのは、使っていない方のフロアということである。


「昨日は気付かなかったけど、広いよね。ここ」


「まぁな。それでも、冒険者の半分以上は外に食いに行っちまうけどな」


「全部のお客さんを取り込んでたら、周りの飲食店から苦情が来るって」


何事もバランスが大事。

それに、あらゆる種類の料理を提供できない以上、お客さんとしても満足出来ないだろう。

その辺は分かりきっているのか、グレイス君は何も言わない。


「俺は、厨房の方を掃除してくる。やり方は任せるが、備品を壊すなよ」


「あいあい」


若干の不安を表情に残し、厨房へと消えるグレイス君。


まぁ、その気持ちは分かる。

通常このクエストは、数人組みのパーティに依頼するものらしく、一人でやるには広過ぎるからだ。

それゆえ、一人でノルマを達成するなら、効率的に作業を行うか、速度優先で雑に作業を行うか……

通常の人が、どちらを選択せざるを得なくなるかは、火を見るよりも明らかだろう。


とはいえ、私は《異空間干渉》を初めとするスキルを使って効率的に行うつもりだったし、グレイス君も『収納魔法([アイテムボックス])を使うだろう』ということは分かっていた。

ただ、昨日 その容量について口止めされたことはすっかり忘れていて、それすなわち、『他に人数を増やすことは出来ない』ということについては気が付いていなかったのである。アホか。

そのため、私が一人でクエストを受注する様子を見て、ようやく人数が圧倒的に足りないことに気が付き、一悶着起こしたのだ。


ちなみに、その一悶着は、セレスに一睨みされたグレイス君があっさり敗北した。

というか、あるクエストに対し、追加で人員募集するかどうかは、そのクエストを最初に受注した者の権利なのだから、依頼者とはいえグレイス君に文句を言う権利は無かったのだけど。


多分、この結果が良くなければ、もう受けさせてはくれないだろう。

クエストを依頼するときは、受注する冒険者を指名することも出来るが、その逆もまた可能である。

今回の一悶着は、グレイス君が依頼を出し、私が受注した後に発生したので、グレイス君にはどうしようもなかったが。


まぁ、いい。ダメならダメで、次は別の仕事を探そう。


『ナツナツ?』


『あいよー』


ナツナツには、グレイス君からこちらの様子が捉えにくくなる幻影を施してもらう。

昨日、ギルド長と手合わせした際に用いたものだ。

さすがに、全てのテーブルが収納された所を見られたら、面倒なことになりそうなので。


まずは、テーブルと椅子の収納。これは、ほぼ一瞬で終わる。

そうして出来上がるのは、何もないワンフロアだ。


さて、本番の掃除だが、『掃除の基本は、高いところから』という。

水魔法【アクア・ボール】で一抱えほどの水球を作り、加圧加熱。

100℃を超える熱水球とすると、端の方から天井に『グイッ』と押し付け、内部を高速で撹拌させた。

食堂の汚れは、基本的に油汚れ。この温度で暖めてやれば、柔らかくなって割りと簡単に剥がれる。

ちなみに、これをしている最中に、油断して水球の加圧を緩めると爆発するので注意です。


続いて、壁、床を同様に行う。時々、汚れた水球を排水口に流して、新しい水球に入れ替える。

…………排水口、詰まらないよね?


次は、テーブルと椅子だ。

これらも油が染み込んでいるから、同じように洗いたいところ。

とはいえテーブルは大きく、今使っている魔法では最大まで水球を大きくしても、テーブル全体を包み切るのは難しい。


だが、床掃除が終わったタイミングで、天の声が鳴り響いた!!



▽水魔法マスタリーのレベルが上がりました!!

▽水魔法:アクア・バルーンを取得しました!!

▽ステータスを確認してください。


特殊スキル

・水魔法マスタリーLv.1 → 2


取得スキル

・アクア・バルーン:巨大な水球を作り出す。数、大きさ、速度等は込める魔力、イメージに依る。



キターーーー!!


【アクア・バルーン】は、先程まで使っていた【アクア・ボール】の上位互換の魔法だ。

魔法性能の上限値や魔力効率はこちらの方が上だが、術式構成が複雑になるため、詠唱時間が伸びるのと、より高い集中力がいるのが玉に瑕。…………普通に詠唱して発動させるならば。


今回の私のように、取得スキルとできた場合は、詠唱は不要となり、集中もそこまで必要ではない。

よって、おじいちゃんの魔法を取得スキルとして得られる私にとっては、上位魔法ほど使いやすい魔法、となる。


まぁ、狙ってました。

戦闘で主力となるのは、やはり 地水火風の四大属性魔法。

それぞれ、以下のような特徴がある。


火魔法:威力を強化しやすいが、延焼して制御できなくなる危険がある。

水魔法:威力と制御はそこそこだが、水辺以外では魔法で水を生む必要がある。

風魔法:とにかく速いが、威力が無い。

地魔法:威力があって頑丈だが、重くて細かな制御が難しい。


今まで私が主として使用してきたのは、対象がそこら中にあって、比較的 制御しやすい風魔法だったわけだけど、《異空間干渉》で大量の水を保管することが可能となった今、水魔法の使用頻度も上がる可能性が高い。

ちなみに、生命,精神,時空の三属性は『特異属性魔法』、光,闇の二属性は『根源属性魔法』という。



さっそく《アクア・バルーン》を使用すると、テーブルを包むのに充分な大きさの水球が現れる。


おお。使いやすい。


先程と同じように加圧加熱して、テーブル・椅子を丸ごと洗浄していく。


…………

……………………

………………………………

…………………………………………


終了。


ふふふ…………私的に完璧。

まぁ、その辺の判断は、グレイス君にしてもらおう。


「グレイスく~ん」


なんとなく上機嫌で、カウンター越しに厨房のグレイス君を呼ぶ。


「……………………なんだよ。備品壊したんじゃないだろうな?」


「…………………………………………てへ♡」


「何しやがったーーーー!!!?」


からかうつもりで舌を出して笑うと、慌ててフロアに飛び出してくるグレイス君。

一度ぐるっと全体を見渡し、壊れた備品が見つからなかったグレイス君は、私に詰め寄ってきた。


「なんだ!? 一体何を壊しやがった!! 報酬から天引きだぞ!!」


「なにそれ理不尽!!!! 聞いてない!!!!」


「阿呆!! 場合によっては、報酬全額巻き上げても足んねぇんだぞ!!」


「巻き上げるとか言うな!! というか、そういうことは依頼書に書いときなさいよ!! いざというとき、揉める元でしょ!!」


「い・い・か・ら!! なに壊したんだよ!!」


ペペペペん!! とリズム良く頭を叩かれる。


「アタタタタタ……壊してないよ。掃除が終わったから呼んだだけじゃん」


「ん? んん……? いや、ならお前、さっきの『てへっ♡』ってどういう意味だよ」


「…………グレイス君、キモい」


「…………………………………………」


「うん、ごめん ごめん。謝るから、その顔やめて」


「…………このやろう」


ようやくからかわれていることに気付いて鬼の形相となったグレイス君に、頭をグリグリされた。

た~い~ば~つ~。


「しっかし、早すぎるだろ。ちゃんと、机を退()かして下も掃除したか? 手抜きは減点だからな」


「失礼な。天井から壁、床、机に椅子。全てしっかり洗……きれいにしましたとも」


「どれどれ……」


グレイス君は半信半疑……いや、一信九疑の表情で近くの机に手を乗せたり、下を覗き込んだりと軽くチェックをいれる。

初めの全く信じていない顔が、だんだんと真面目な顔付きになり、ついには信じられないといった顔になった。


…………あれ? もしかして、元に戻った?


「おいおい……マジかよ……」


「キミの瞳に映るものだけが本物さぁ~」


「(イラッ)」


何かイラッとされた雰囲気を感じたが、チェックシートを取り出してチェックを付け始めたので、適当な椅子に座って終わるのを待つことにする。


『ナツナツ、お疲れ様』


『大丈夫ぃ。グレイス君、あんまりフロアの方 見てなかったしね~』


『それにしても、こういうヒマなときに摘まめるお菓子でも買っておきたいな』


『バームクーヘーン!!』


『それはもうちょい待ってね』


『ならクッキー』


『クエスト完了報告したら、雑貨屋にでも寄ろうか』


確か一階にあったはず。外出向けの保存食とかしかないかもだけど。

そんなことを思っていたら、グレイス君が悔しそうな顔をしてやってきた。

なんでやねん。


「どうだった?」


「…………俺の独断と偏見で0点だ」


「おいこら」


チェックシートはどうした。


「くそ。マジでどうやったんだ。満点だよ。昇格ポイント20をくれてやる」


「やった~」


念のため言うけど、昇格ポイントをくれるのはギルドであって、グレイス君ではない。

ちなみに、GからFへ昇格するには、昇格ポイントが100必要だ。Dまでは同様らしい。


初回から早々に1/5を得られたのは、ラッキーだった。

そして、ボーナスタイムでは根こそぎ稼ぐべし。


「グレイス君。明日は隣の掃除だよね」


「そうだが、クエストは早い者勝ちだぞ」


「別にそれならそれで。でも、他の人に同じくらい綺麗に出来るかな?」


「あ~……確かにこっちの机とかベタついてたの、しっかり落ちてるしな……」


「厨房の掃除もクエストに出してくれたら、受けてあげるよ? 油汚れに強いよ、私」


「マジか……ちょっと試しにコンロでも洗ってくれ。合格点なら、指名して依頼してやるよ」


「毎度あり~♪」


うまくいけば80ポイントかな? 儲け 儲け。

グレイス君の後をついて厨房に行く。


「あ。そういえば、床は大丈夫だった?」


「何が?」


「ワックス。剥がれちゃったかも」


「大丈夫だ。元々ワックスなんざかかってねぇ」


「…………………………………………」


全部油汚れでしたか……


掃除についてはスチームクリーナーの理屈を参考にしました。

ホントに出来るかは謎。

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