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ゴーレム娘は今生を全うしたい  作者: 藤色蜻蛉
8章 参加!! 彼と彼女等の結婚式
154/264

第145話 ゴーレム娘たちの夢茶会 (前半)

141 ~ 167話を連投中。


1/4(土) 11:20 ~ 19:40くらいまで。(前回実績:1話/17分で計算)


word → 貼り付け → プレビュー確認、微調整 → 投稿してますので、時間が掛かります。


申し訳ありません。



ブックマークから最新話へ飛んだ方はご注意ください。

「やぁ~~~~。楽しかったねぇ~♪」


「私はナツナツが見付かるんじゃないかと、ヒヤヒヤだったんですけど……」


「油断しなければ大丈夫~♪」


「油断しまくってた気がするんだけど…………まぁ、今のナツナツなら、ボクが心配するまでもないか」


「まさか、リリアナさんたちまで一緒に入ってくるとは思わなかったねぇ……」


ここは夢茶会。

ルーカスたちの実家を退出した後、リリアナさんたちの実家へお邪魔し、入浴。

その後、一室を借りて就寝したところです。


今言ったように、四人で入っても余裕の広さの浴場だったため、まさかの同時入浴となりました。

まぁ、ちっこいのが二人いたから、実質三人分だったけど。

私がリリアナさんに洗われて、オズがフェリスさんに洗われました。

その際、折角なのでヘアケア、スキンケアについて教え、少しだけどトリートメントも渡しておいたので、結婚式の頃には綺麗になってるかも。


さすがに同室で寝るのは勘弁してもらったけど、案の定というかなんというか、空き部屋はあったけど客人用のベッドはなかったので、適当な一室にテントの床部分を敷いて、そこに布団を並べて寝させてもらうことにしました。

野営の床だけver.屋内型ですね。

屋内なのに野営って不思議な言葉になってしまったけど。


今ここには、通常サイズの私とオズ、オズと同サイズのナツナツ、ナビがいる。

色々と大きさを検討した結果、このサイズ比がデフォルトとなりました。

つまり、みんな私より頭ふたつ分くらい小さい。


「ふああぁぁぁぁ…………ナビの尻尾気持ちいぃぃ…………」


「喜んでもらえて何よりだよ。…………ところで、ボクは焼き野菜はあんまり好きじゃないみたい。苦いや」


「犬ッコロめぇ~」


「子供だからでは?」


「それ、味付けなしの本当にただ焼いただけのヤツだからでしょ。え~と…………………………………………こんな感じでどう?」


「……………………あ、これは美味しい」


それは良かった。

さっそく人参だのピーマンだのトウモロコシだのをむさぼり始めるナビの頭を撫でて立ち上がる。

ここ最近はちょっとやることがあるのだ。


「そろそろ始めるね」


「はいよ~」


「準備は出来てるよ」


「了解しました」


三人から離れ、フロアの一角に設けられた擬似隔離スペースに移動する。

そして 取り出すのは…………柄本に緑色の魔石が象眼されたベースソードである。


「《マテリアルシフト》」


武器スキルを発動させると、まず柄本の魔石が闇属性を現す濃紺色に染まる。

続いて深緑色の鱗が夜闇のような漆黒に代わり、牙を組み合わせた刀身が白骨のような白へと姿を変えた。

最後に、周囲の空気がどんよりと重くなり、うっすらと暗くなったような圧迫感が空間を支配する。


「やっぱり制御できてないね~」


「その擬似隔離スペースだから遮断できてるけど、現実では1kmくらいまで影響がありそうだね」


「う~ん……常時発動スキルとはいえ、魔法である以上ON-OFFはできると思うんですけど……」


みんな疑似隔離スペースの周囲に集まって、現状を分析してくれる。


果たして『何をしているのか』といえば、先日……というには大分時間が経ったが、スレイプニル・ワークゴクを討伐した際に、《下剋上》で自動強化されたベースシリーズの扱い方を練習しているのだ。

スレイプニル・ワークゴク由来の武器だから『スレイプシリーズ』とでも呼んでおこうかな。

それぞれ、重大剣:スレイプスレイド、片手剣:スレイプナー、グローブ:スレイプネル、弓:スレイブラスト、という闇属性武器へと変化することが出来るようになり、個別の任意発動スキルと共通の常時発動スキルが付いている。



個別のスキルは以下の通り。


重大剣:スレイプスレイド

・スティール:倒した敵のステータスを一時的に奪う。HP、MPを奪った場合、限界を超えて蓄積できるが、限界を超えている間は回復しない。


片手剣:スレイプナー

・ドッペル:闇の分身を作る。込める魔力により分身のステータスが増加し、外見が精彩になる。スキルは使用不可。


グローブ:スレイプネル

・ダークブレッド:闇弾を撃ち出す。数、形状、軌道等は込める魔力、イメージに依る。


弓:スレイブラスト

・黒毒:あらゆる生命を穢す、不浄の毒。攻撃が当たった対象の生命力を徐々に奪う。倒した後に毒は残らない。


そして、共通スキルはこれ。


・孤独の嘆き:大罪"悲嘆"の一。一定範囲内の生命体の、孤独に対する忌避感情を増大させる。



……………………嘘みたいでしょう? 呪われてないんですよ、コレで。


あ、ちなみに呪いというのは大雑把に言うと、生物の強い負の感情が術式となって残ることで、『強力な効果がある代わりに使用者に不利益を被る』スキルとなることです。大抵 手放すと不幸が訪れるオマケつき。

基本的には、持ち主が所有していた魔道具に呪いスキルが焼き付くことが多いですが、普通の道具や土地などに焼き付くこともあります。


最初にこれに気が付いたのは、スレイプニル・ワークゴク討伐後にテモテカールへ帰還しているときだった。

ふと、戦闘中に噛み付かれたベースブレイドの状態が気になって取り出してみると、見覚えの無い魔石が象眼されていたのだ。

で、詳しく調べてみると、どうも《下剋上》の効果で勝手に強化されたっぽい。

まさか[アイテムボックス]に仕舞っておいたのに変化するとは思わなかったものの、『どう変化したのだろう』と、好奇心に導かれるままに《マテリアルシフト》したら、《孤独の嘆き》が発動して慌てて[アイテムボックス]に放り込むことになった。


いや~…………あの時はマジでビビったね。武器から漏れる気配が、まんまスレイプニル・ワークゴクの気配なんだもん。

ナビが『念のため』と言って《クリア・プレイト》を展開してくれてて助かったよ……

そのお陰で他の人に勘付かれること無く封印できました。


で、[アイテムボックス]に仕舞った状態で調べてみると、上記のような武器スキルが付いていた、というわけです。

そのあまりに強力な効果に、呪われてるんじゃないかと念入りに確認してしまいました。

で、呪われていないことが分かって一安心したところで、次は青くなったのです。


だって、領軍の成果 (スレイプニル・ワークゴクの素材) を無断でパクってしまった挙句、そのパクった素材のひとつが明らかに魔石だったんだもの。

ちなみに魔石が最も高価。ひとつしかないからね。


丁度そのタイミングで、Sランク魔獣出現の連絡を受けた領主率いる領軍本隊が合流し、そこにいた義姉さんたちに泣き付きました。

で、お義父さん、お義母さんも加わえて家族会議し(お説教され)たところ、素直に領主に謝ることになったのでした。


元々次男が、『私に素材を優遇出来ないか』と、大分私に有利になるような報告をしてくれていたのに加え、『いやいや、魔石は倒したときに攻撃が当たっちまって、ぶっ壊れてただろ? な!!』と、明らかに嘘と分かるフォローをしてくれたのもあり、私の報酬を『パクってしまった分の素材』ということにしてお咎めなしとなったのでした。


次男にはお礼の言葉と共に、『初めて格好良いと思ったよ!!』と言ったら、変な顔をされてしまいました。解せぬ。

…………と思ったけど、一緒に魔獣を倒した仲なのに、そんなことを言われたら確かに気分を害しますよね。

仕事と私生活は別々に考えていたから、私生活の方では『初めて』というつもりだったけど、まぁ、それもそれで怒られますか。

街に戻る前に謝っておきました。


ただ、これで一安心とホッとしたのも束の間、今度はチコリちゃん用に素材を貰うのを忘れていたことに気が付いたのでした。

とはいえ、今更もう一度話を蒸し返す勇気など私にはなく…………武器のメンテナンスの際にでも謝る他ありません。

なんか謝ってばっかりですね。私が悪いんですが。


で、テモテカールに戻ってしばらく経ってからチコリちゃんのとこに行って謝ると、話を聞いたチコリちゃんは黙って私の両頬を摘まみ、


「ルーシーちゃん……」


「は、はひ……」


「私、言ったよね? 『一緒に成長していきたいな』って」


「ほ、ほーへふね」


「だからね……………………BランクとかAランクとかすっ飛ばして、いきなりSランク持ってこられても困るでしょがーーーー!!!!」


「ひぃにゃーーーー!!!!」


「まずはBランク素材を持ってきてよーーーーーーーー!!!!!!!!」


「ひょんなことひわれても~~~~~~~~!!!!!!!!」


……………………と、いうようなことがありまして、別の意味で怒られたのでした。

私だって、いきなりSランクと闘いたくはなかったよ…………


ちなみに、チコリちゃんに『武器が素材を取り込んで自己強化しました』って言ったら、頭を抱えてました。

『意味分かんない……』とか『鍛冶師の存在意義が……』とか言ってたけど、強く生きて。

一応、『メンテナンスは出来ると思う。…………多分』とのことなので、今まで通りメンテナンスはしてもらえることになりました。

なお、《孤独の嘆き》が発動すると危なかったんで、ベースシリーズのままメンテナンスしてもらったんだけど、ちゃんとスレイプシリーズもメンテナンスされてました。

性質が変わっても同一の武器ってことなのかもしれない。


…………………………………………話が逸れましたね。盛大に。


そんなこんなで手に入れた武器たちですが、常時発動の《孤独の嘆き》がちょっと厄介だったわけですよ。

私たちだけで闘うなら、私の《魂城鉄壁》やオズの《絶対精神防御》で無効化できるから、特に問題は無いんですけどね。ナツナツはオズの《統括指揮》で《絶対精神防御》の使用権限を与えればいいし。

問題は、他の人と共闘する時や《孤独の嘆き》が発動して欲しくない状況の時です。

そんな時のために《孤独の嘆き》を抑える練習をしているわけなのです。


「でも、一応効果は低下してきてるかな~」


「そうだね。効果範囲は縮まらないのに」


「う~ん…………私の《スキル改変》で弄くれれば良かったんですけどね…………」


「まぁ、もうちょっと頑張ってみるよ」


とはいえ、長くなりそうだ……

呪いであれば、祝福系の効果を発揮する魔石を取り付けることで、スキルを抑えることもできたのだが、呪いではないので意味がなかった。

まぁその場合、任意発動スキルも封じられるから、闇属性武器としての特徴しか残らないんだけど。


あと他に狂防孤高や瞬迅鬼鋭以外の武神なんかも調べたけど割愛。使うときに説明しますよ……

それと武装連動による潜在スキルの解放は、ベースシリーズ以外ありませんでした。どういう武器なら潜在スキルがあるかはまだ不明ですね。

そもそもシリーズで纏められてるのは、武神の戦闘レンジに対応しているためっぽい。

至近距離=グローブ、近距離=片手剣、中距離=重大剣、遠距離=弓、全距離=指定なし、という感じ。

私が持ってる武器に合わせて自動で割り振られたのか、最初からそうだったのかは不明。

重大剣しか持ってなかったらどうなってたんだろ……?


そんなわけで最近の夢茶会は、前半はまったりごろごろして、後半は私が訓練してるのをみんなが見ている、という感じで過ごしているのでした。


…………

……………………

………………………………

…………………………………………後半に続く。


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