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ゴーレム娘は今生を全うしたい  作者: 藤色蜻蛉
7章 襲撃!! 嘆きの魔獣
114/264

第106話 ゴーレム娘、誠意を持って応え過ぎる

百合展開にご注意ください。



100 ~ 140話を連投中。


10/12(土) 13:00 ~ 未定。

前回実績:1話/30分で計算すると1日を超えます。

一応、事前に下記手順の一部を済ませていますが、途中で投稿を中断するかもしれません。


word → 貼り付け → プレビュー確認、微調整 → 投稿。


申し訳ありません。



ブックマークから最新話へ飛んだ方はご注意ください。

思ったよりもルーカスたちとの雑談に時間を掛けてしまったので、持ったままだった注文票をまずカウンターへ。

そして、次の注文に向かおうと身を翻すと、


「お姉ひゃん!!!!」


「うわぁっ!! ビックリした!!」


呂律の怪しいオズが仁王立ちしていた。


サ、サボってたの、バレたかな……?


「えぇと……どうしたの? オズ? グレイス君になんかされたら、遠慮せずに殴っていいよ」


「おいこら」


あ、聞いてた。


しかしオズは、私の話を聞いていたのかいないのか、視線の怪しい表情でこちらを見、


「キスして!!」


…………………………………………は?


「…………オズ。もう一回言って? 騒がしくて聞き間違えたかも」


「キスして」


「……………………キスというと、海岸沿いなどの浅瀬に生息する魚類」


「ひょれだと、後ろの『して』につながりませんよ。キスです。ちゅーです」


「ちょっと待とうか」


突然のことに逆に冷静になって待ったを掛ける。

ゴネるかと思いきや、オズは素直に一歩離れて待てをした。なんだかその行動に違和感を覚える……


とりあえず、第一容疑者であるところのグレイス君に目を向けると、既に注文票を掴んで厨房に引っ込んでしまっていた。

仕方ないので、次に周囲を確認すると、


「…………………………………………」×たくさん


ちょー視線を集めてた。

調理の音と食器の擦れるカチャカチャとした音だけは聞こえてくるが…………逆にこの静けさを強調しているだけだ。


マズイ……


この静けさには危険な気配を感じる。

なぜなら『何が起きているのか分からない』という静けさではなく、『さぁ、どうする?』という続きを期待する静けさだからだ。

裏に引っ込んで詳しく話を聞こうと思ったが、それはできない雰囲気が漂っている…………


えーと……誰か説明出来る人カモン。


そんな私の願いが通じたのかは不明だが、ちょこちょことやって来たのはプリメーラさんだった。


「プリメーラさん。何があったんです? オズもちょっとおかしいし……」


「あれ? 気付いてない? オズちゃんの様子がおかしいのは単純に酔っ払ってるからだねぇ」


「誰だ飲ませたヤツ!!」


バッと客席に目を向けると全員で申し合わせたように視線を逸らした。


未成年に酒を飲ませるんじゃないわ!! 中身は5,000歳オーバーだけど!!


「まぁまぁ、ルーシアちゃん。落ち着こう。問題はそこじゃなくて、どうしてキスする流れになったのかってことでしょ?」


「それも問題だけど、これも問題な気が…………まぁでも、とりあえず説明お願いします。出来れば巻きで」


「む、難しいな…………でも、なんで?」


「オズが眠そうなんで」


プリメーラさんが振り返ると眠そうに目を擦るオズがいて、その背後にはいつの間にかやって来ていたテトラさんが倒れないように支えているところだった。

『任せとけ』みたいなサムズアップが返ってきた。


「(……まぁ、テトラちゃん可愛いもの好きだからねぇ…………) そうだねぇ~…………一言で言うと、ルーシアちゃんとオズちゃんの仲の良さを証明するため?」


「……………………ごめんなさい。もうちょい詳しく」


「まずねぇ、最近の二人の噂は知ってるでしょ?『ホントは仲悪いけど、噂を誤魔化すためだけに一緒にいるんじゃね?』ってやつ。

それをお客さんに何度も何度も聞かれるもんだから、オズちゃんがついにキレて『そんなにお姉ちゃんと仲違いさせたいんですか!! どうすれば仲良いって分かるんですか!!』って言った訳なの。

そしたら誰かが『キスだね!!』って言って、他のお客さんも『おぉ!!』となって、景気付けに一杯飲ませてイマココ」


「誰だ『キスだね!!』って言ったヤツ!!」


再び客席に視線を向けるが、全員静かに食事をしていた。心の声が聞こえるなら、『そこ知ってる。次はよ』だな。コンチクショー。


『すまん。ルーシアナ。それ言ったの、ナツナツだ』


『は?』


『妖精の魂が……!! 『面白いことになる!!』と叫んでいたんだよ……!!!!』


『またかコラーーーー!!!!』


知らんところでまたナツナツがやらかしていた。この前、オズを泣かせて反省したんと違うんかい。


「お姉ひゃん!!」


「しまった、起こした!!」


「あ、一応寝ぼけてる隙に誤魔化そうとはしてたんだね……」


プリメーラさんが何か言っているが、問題はオズである。


半分くらい瞼を閉じた眠そうな顔で、ズイッと間を詰めて来ると『バッ!!』と両手を上げ、


「わたひたちの仲の良さを見ひぇつけてひゃるんです!! ひゃあ!! キスしましょう!!!!」


と高らかと宣言した。


その口調はさらに呂律が回らなくなっており、目の焦点はフラフラと頼りなく、顔は真っ赤だ。

明らかに酔っ払っている…………が、まだ意識は明瞭である。

恐らく明日、目覚めと共に後悔と羞恥に身悶える姿が目に浮かぶ……


「お、落ち着こう、オズ。そういうのは、もうちょっとしっかりと考えてだね……」


「考えてまふよ!! ここにいる全員に『キスしたら私たちが仲良しだ』って証言するように約束させました!! 絶好のチャンふです!!」


「まさかの行動力!?」


オズが事前に外堀を埋めてた。

驚いていると、オズの後ろにいたテトラさんが、ニコニコしながら紙の束 (よく見ると注文票) をヒラヒラさせる。

そこには『注文:キス、代金:仲良し証言』と書かれていた…………


「ひゃあ!! あとはひゅるだけです!!」


さらにズイッと詰めて来て、カウンターに追い詰められる。

と、後ろからグレイス君が料理を持ってやって来て、


「出来たぞ、持ってけ」


「他に言うこと無いんかな!!!?」


「誠意を持って応えよ。以上」


「自分は関係ないからって!!!!」


真面目腐った顔で料理を置くと、ひとこと言って戻っていった。


…………あの顔は事態を楽しんでる表情だな……ついでに、話題になれば客が増えるとか思ってそう。


なお、料理は他のウェイトレスさんが持っていった。

去り際に『頑張れ、お姉ちゃん♡』と、楽しそうに告げられる。何を頑張れと言うのか……


…………もうちょっと説得を頑張ってみる。


「えぇと…………ほら、オズ。そういうことは好きな人とす」


「お姉ちゃん大好き!!!!」


「あ、いや、そうではな」


「お姉ちゃんは、嫌い、ですか……?」


「大好きだよ当たり前じゃん!!!! ってコレ墓穴だわ!!!!」


この流れはいかん。キスする流れだわ。あと、ウェイトレスも客も、全員笑ってる奴等覚えてろよ?


『嫌い』を否定するため、思わずオズの肩を掴んでしまったため、先程までとは逆に私がオズに迫っているような状況になっている。

すっ……とオズが瞳を閉じた。口も力を抜いて軽く閉じられる。


う……うぁ……………………


「あ、オズちゃん、ルーシアちゃん。その向きだと見えないから、90°回転してね」


堪らず固まっていると、横からプリメーラさんが余計なことをして私たちの向きを変える。

頭が真っ白になっていた私は、腕を引かれるままに位置を微調整してしまった。

すぐに正気を取り戻して周囲を見渡すと、手前の客はしゃがんで背を低くし、奥の客は立ち上がったり椅子に乗ったりして全員で私の行動を観賞している。

このときばかりは、調理の音すら聞こえなくなった。


なぜこうなった……………………ナツナツのせいか。


もう一度オズを見る。

先程と変わらず、目を閉じたままであるが…………少し目蓋が震えている。

酔いが醒め始めて羞恥に震えているのもあるかもしれないが、私が『キスしない』展開を想像して不安に思い始めているのが大きい気がする。


…………………………………………はぁ。

今後、オズに恋人が出来たら『姉妹だからノーカンね!!』と誤魔化すしかないな。


肩に添えていた右手をオズの頬に移す。そして、


「こういうことは人前でするもんじゃないんだからね」


一思いに行った。


…………

……………………

………………………………

…………………………………………


無心である。何かを思ったら、私は死ぬ。

相変わらずいい匂いとか、ほんのりブドウの味がするからワインでも飲んだのかとか、そういうことを考えるな私。


…………

……………………

………………………………

…………………………………………


体感的には、これまで生きてきた時間を優に超える時間が経過した。

息が苦しくなってきたので、ゆっくりと離れる。

途中で息を吸うため止まり、そこでオズの目蓋が開いていることに気付いて、恥ずかしくなってもっかいした。


……………………問おう、私。なぜもっかいした…………


気付いたら左腕は、肩から手を離し、オズの腰に回って強く抱き締めている。

オズの心音なのか、私の心音なのかは不明だが、爆音のような振動が体に伝わっている。


…………

……………………

………………………………

…………………………………………

……………………………………………………

………………………………………………………………


私の人生が大体四倍くらいになったところで、再び離れる。

流石にオズも二連続でされるとは思っていなかったのだ。驚きに目を見開いて固まっている。


…………ダメだ。死ぬる。


これ以上オズの顔を見ていられなくなった私は、客席に向き直ると、


「どぉぉだお前らああぁぁぁぁ!!!! 約束忘れんなよおおぉぉぉぉ!!!!」


「う、お、お、お、お、ぉ、ぉ、ぉ、ぉ!!!!!!!!」×全員


ヤケクソである。


客席から爆発したように歓声があがった。爆ぜろ。

なお、この後あまりの大音声に、何事かとギルド長までやってきて、さらに大事になると言っておく。


そこかしこで『仲良し姉妹ばんざーい!!!!』とか『姉妹愛に乾杯!!!!』とか、大騒ぎの中 隣を見ると、オズは両手を口に当てて未だに状況を飲み込めていな…………あれ?


「オズ? さすがに二回はやり過ぎた? いや、私もするつもりはなかったんだけど、その……」


「……………………………………………………………………………………た」


「ん?」


何か言ったが、大音声に掻き消されてしまった。近付いて耳を寄せる。


「なんて?」


「…………………………………………ほっぺにちゅーとかだと思ってました」


「……………………………………………………………………………………」


盲点…………


『えと……………………ごめん。私もそのつもりだったん、だけど…………』


『……………………いきなり口に、するか…………?』


…………………………………………だ、だってあの状況ぅぅ…………


半笑いのような表情で羞恥に耐えていると、


「ルーシアちゃん……………………お見事!!」


「ルーシアさん。貴女の覚悟、しかと見届けました。姉妹百合。良いですね!!!!」


プリメーラさんは心底 楽しそうに、テトラさんは片手で鼻を押さえながら、親指を『ビシィィ!!』と立ててきた。


…………この時ばかりは、二人を思い切りブッ飛ばしてやろうかと思いましたよ、マジで。


そして、


「よぉぉぉぉし、お前ら!!!! 酒は持ったか!!!?」


「うおおおおぉぉぉぉ!!!!」×全員


「それじゃシランデ改めルーシアとその妹の門出を祝って!!!!」


「乾杯!!!!!!!!!!!!!!!!」×全員


私は床に崩れ落ちたのだった。



7章予告で伏字になってた部分。


でも○○○のに当たって、ちょっと繋がりが薄いかなぁ~と思いまして。それで事前に○○○なる話を追加して、そのネタとして○○○して、ついでにルーカスたちもカップルにして○○○する下地を作って…………

          ↓

でも○○○のに当たって、ちょっと繋がりが薄いかなぁ~と思いまして。それで事前に○○○なる話を追加して、そのネタとして『オズが酔っ払って暴走』して、ついでにルーカスたちもカップルにして○○○する下地を作って…………


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