始まりの街ソフ‐1
注意事項、色々濃いです。
「弟よーー!!遅くて心配したぞ!何があったのだ!?怪我か?病気か?それとも悪い人達に囲まれたのか!?大丈夫なのか!!!?」
「ごめんなねぇちゃん、心配かけてもうて…。ちょっと色々あってチュートリアルが長引いてもうた。こっちこそごめんなねぇちゃん、かなり待ったんやろ?」
「そうであったか…。まったく、心配したぞ。それに気にするな弟よ。お前を待つくらい、何て事ないさ。お前の為なら私は30分でも1時間でも…1日中…1年…何なら100年だって待てるぞ?」
「ねぇちゃん、流石にそれは待ちすぎや…。ワイ、シワシワのじいちゃんなってるで…。そうなる前に迎えに来てや、ねぇちゃん。」
「ふっ。それもそうだな。…しかし、シワシワになってもお前は愛らしいのだろうな…。今でさえこんなにも愛らしい…。あぁ、私の弟よ…。愛しているぞ。」
「ちょ、ねぇちゃん!?…やめてくらさい。ワイ…恥ずかしい…。(ッボソ。……ワイも、ねぇちゃん愛しとるで。)」
「~~~~~!!今日も!私の弟が!愛らし過ぎて生きるのが楽しい!!!!」
「………あ、あの~。お楽しみ中のようだが、ちょっといいか?」
ねぇちゃんとハグしてチュッチュッしとったら後ろから声をかけられた。誰やねん!ワイ、今ねぇちゃんとハグすんので忙し…って、
「あ、牛の兄ちゃん。」
声かけたのは牛の兄ちゃんやった。アカン、そういえばお礼言うの忘れとったわ。
「ねぇちゃんねぇちゃん。この牛の兄ちゃん、さっきねぇちゃん探すの手伝ってくれた人やねん。牛の兄ちゃん、さっきはおおきに。おかけでねぇちゃん見つけられたわ。ほんまおおきにな。」
「おお、そうであったか。手伝ってくださりありがとうございます雄牛の方。私はこの子の姉で、プテラノドンといいます。お気軽にプテラノドンの○゜ーとでもお呼びください。」
「え!?え、えぇ。はぁ…。」
ねぇちゃんの挨拶にタジタジになっとる牛の兄ちゃん。にしても、やっぱりねぇちゃんその名前にしたんやな…。
ねぇちゃんのこの名も幼馴染みにつけられたもんや。流れはワイと同じで、ねぇちゃんは名前が青空やったから“青空”飛ぶ“恐竜”でプテラノドンや。ドヤ顔で自己紹介するねぇちゃんカッコエエなぁ…。
にしても、ねぇちゃん。牛の兄ちゃんが困っとるやないか。やっぱ駄目やろその呼び名。助け船出したろ。
「ねぇちゃん、ねぇちゃん。リアルじゃともかく、流石にここでその呼び方はやめた方がええで?夢の国にやられてまう。プテラノ、とかノドンの方がええんちゃう?」
「そうか?お前が言うのならそうなのであろうな…。なら、これからはノドンと名乗ろう。」
「ええんちゃう?決まっとるでねぇちゃん!よかったな兄ちゃん。ねぇちゃんの名前呼びやすくなったで!!」
「え、ああそうだな…ってそうじゃない!そこじゃないからな!?なんでそこだと思った!?確かに伏せられてたけど、そうじゃないからな!!」
何故か牛の兄ちゃんに怒られた。おこられ…た?あれ?これ怒られとんのワイ?なんで?ねぇちゃんの名前呼びやすくなったのに?
周りの人達もなんで「よく言った!!」やの「ナイスツッコミ!!」とか言うの?…とりあえず「ナイスツッコミ!!」には同意や。兄ちゃん、いいキレやで。
「イヤイヤイヤイヤ!!なんだよこの子!?ワザと?ワザとなの!?それとも本物の天然か!!ってそうじゃなくて、ノドンだっけか?あんた、ホントに女なのか!?!?」
ゼーゼーと顔を真っ赤にする兄ちゃん。
…何言うとんの?この兄ちゃん。男と女が出会ってやることやるから子が産まれるんで?人間はみな天然やろ。まだクローン技術は人に試されてへんで?
「それに…ねぇちゃんはねぇちゃんやよなぁ?どっからどう見ても美人なええ女やないか。毎度毎度思うけど、何処を見たら男に見えるん?みんな何処を見とるん?このたわわな小玉スイカが見えんのか?」
ワイは姉ちゃんの胸甲を見る。…うん。今日もスイカが実っとる。ほんまなんで、みんなこのスイカが見えへんの?やっぱステルス機能付いとるんちゃうの?このスイカ?
「すい…か?すいか…あぁ!?」
ワイが言った事で、漸く兄ちゃんもねぇちゃんのスイカに気づいたみたいや。周りもつられて気づいたのか、「あぁ!?ま、マジで乳が!?」「え、うそっ!?大きぃ!!」「な、なんでさっき気づかなかったの…私。」てな声が聞こえてくる。
「ふむ…もしや、私はまた女だと思われていなかったのか?」
「この反応やと間違いないな。ほんま…ステルス機能付いてんちゃう?このスイカ。ちゅーか…兄ちゃんも他の奴等もいつまでねぇちゃんのスイカ見とんの?セクハラやで?」
「え、あ、すまんすまん。つい…失礼な事をした。」
「いえ、気にしないでください。慣れてますから。あ、そうだ。これも何かの縁ですし、よろしければ私達とフレンド登録しませんか?弟よ、お前もいいか?やり方は分かるか?」
「うん!ええでねぇちゃん。兄ちゃんもええか?ワイの名前はパキケファロゆーんよ。呼びにくいやろからパキって呼んでください。一応生産職やるつもりや。けど戦闘もそれなりに出来るで。よろしゅうお願いします。兄ちゃんの名前は?」
「え、え?お、オレか?オレはバッファローだ。」
「へ~。バッファロー言うんか兄ちゃん。強そうな名前やな。カッコエエなぁ。」
「お、そ、そうか…。」
なんでかワタワタする兄ちゃん。どないしたんやろ?顔色も悪くなったり普通に戻ったりたじたじしたりもじもじしとるけど…トイレ?
フレンド登録しながらそんな事を思っとる…その時やった。
「おーーい、バッファロー~!!遅くなってワリィワリィww」
向こうの方からタラコ唇のマスクした兄ちゃんや額に“中”って文字入れたおっちゃんや甲冑のマスク被ったにいさん(?)やらが来る。もしかして…
「あの兄ちゃんら、兄ちゃんの仲間?もしかして兄ちゃんも待ち合わせしてたんか?」
「!そ、そうだ。お、おせぇぞお前らぁ!!つーわけですまん!オレは行くぞ!!」
「そうでしたか、でしたら申し訳ありませんでしたこんな長々としてしまって。…弟と会えて嬉しくてつい…申し訳在りませんでした。行ってらっしゃい、よい冒険を。」
「すまんかったな兄ちゃん。…ほな、ありがとな兄ちゃん。またな~。」
兄ちゃんがドッスドッス去ってた。
「さて、それでは私達も行くか。」
「おう!」
ワイとねぇちゃんも狩り場に向かう。もちろん手を繋ぐのを忘れへんで!こんなに人が多いと迷子になりそうやからな!!…途中、知らない姉ちゃんらから「<●><●>」とか「リアルホモォ?」とか言うの聞こえたんやけど…気のせいか?
******
「見つけたーー!!」
「おい待ちやがれ!それはオレらの獲物だ!!」
「先に見つけたのはアタイだ!!」
「次のポップはどこだーー!!」
wikiの情報通り、西側にある初心者用の平原に行く…と、既にそこは戦場やった。
人がわんさわんさと溢れかえっており、とてもやないけどワイらが入れそうな所は有りませんでした。
「…ねぇちゃん、どないしよ?」
ワイはねぇちゃんを見る。
すると、ねぇちゃんは予めコレを予想してたのか、「いい考えがある」と言って、ワイらは街にUターン。ねぇちゃんについて行くと、なんやでっかい建物についた。出てた看板を読んでみると…
「……“訓練所”?」
「あぁ、そうだ。」
着いたのは訓練所やった。ねぇちゃんが中に入ったので、ワイも続いて中に入る。料金は一人50Gやった。
中では数人の人が巻き藁相手に武器の練習しとった。ワイらもここで練習するん?…けど、ワイはもう弓の訓練チュートリアルでしこたまやったで?ねぇちゃんはリアルの得物の棒やから馴れとるやろ?今更訓練いるか?
「いや、そうではない。お前を待っている間に調べたのだが、ここではPvP。対プレイヤー戦用の広場も設置されているようだ。
なぁ、弟よ。私達はまだお互いのスタイルを知らない。だから、お互いを知る為に一戦交えないか?ここでなら武器が壊れても終了後には戻ってくるし、矢も同様に戻ってくる。それにスキル上げにも丁度いい。一石二鳥のいい案だと思うのだが、お前はどうだ?私と軽く一戦交えてくれないだろうか?」
連れられて行かれた先は何もないただの広間。ねぇちゃんが振り向き、僅な微笑む。気のせいかも知れんが、なんやキラキラしたモンが…まさしくあれやな。キラキラエフェクトや。自力でエフェクト出しとる。周りの姉ちゃん兄ちゃんやがこっち見てぽけーっとしてるで。流石ねぇちゃんのフェロモン、マジ魔性過ぎるやろ。ワイこんなの出せへんで…。同じ顔やのに、なんなんやろこの差?
『Player『プテラノドン』がPvPを申し込んできました。対戦形式一対一。勝敗 HP優先。制限時間 30分。承けますか?Yes/No』
ピッと音が鳴り、目の前に画面が出てくる。…ええやろ。ねぇちゃんの言う通り、一石二鳥のええ案や。断る理由はあらへんな。
この姉弟、ブラシスコン同士です。特に弟の方は一気にアホの子になります。
簡単な人物紹介②
辰見 青空
大学生。ド級のブラコン。漢前なイケ女。ステルススイカ。趣味は弟(弟の撮影、弟とお出かけ、弟の服選び、弟の…以下多すぎるので省略)。
次回、戦闘回。