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第9章

季節は春になった。


そう、卒業の春。

私は二年生になり、五十嵐先輩は三年生。


五十嵐先輩は大学に進学するらしい。

受験に専念する先輩とは少し距離があいた。

今はもう別々に暮らしている。


…弘也さんの事はもう話してはくれない。


五十嵐先輩は家族の事で何かまだつっかかっているのか、就寝中たまに涙を流すことがあった。


わたしは何もできなかった。それは何も知らなかったから。なにも関係がないからだ。



私はもっと五十嵐先輩の事をしりたいよ…。



たまに屋上にくるといる先輩



「理沙」


「久しぶり」


私は笑えるようになった。

五十嵐先輩といる時にだけ自然に笑える。


「勉強は捗ってるの?」


「たまに理沙に会いたくて寂しくなるけどね」


「私も寂しい。」


「理沙素直になったね」


ポンポンと頭を撫でてくれる先輩の顔は少しやつれているようにも見えた。


「先輩ご飯食べてるの?」


「あぁー、理沙が前は作ってくれてたからね。2食は食べてるよ、カップラーメンだけど」



本当はまた作りに行ってあげたいけれど、ぐっとこらえた。


「ちゃんと食べないと倒れちゃうよ」


「はーい」



先輩は元気だと見せたいのか、大きく手を挙げて返事をした。

そうしてまた悲しい表情をする。



「…俺さ、弘也に会って話そうと思う。あいつ麻薬吸ってたって言ったろ?でもあんときあいつの目は確かに俺をみてた。瞳孔が開いてなかった。」



先輩は混乱するように頭をかかえてそういった。



「じゃあ麻薬吸ってなかったってこと?」


「わかんねえけど、母さん趣味でネイルやってたからその匂いだったのかもしれねえ…」


「弘也さんは自分の意思で殺したってこと?」


「そんな奴じゃない」


「ご、ごめん!そんなつもりじゃ…。」


「理沙には関係ない話だよ」



それは優しさなのか、壁を作りたかったのかわからないけど、その時の私には壁を作られたという考えしか思いつかなかった。


また私はひとりぼっちになった。


いや、もしかしたらずっと1人だったのかもしれない。


私は本当に五十嵐先輩の隣に入れたのだろうか?


そんな葛藤が私の中でぐるぐると回り始めた。




…8月


夏休みに入った。


五十嵐先輩はあの日から会っていない。


というより会いに行っていない。



私はまたあの日と同じように、あの夏と同じように…





さみしくなったんだ。




ただ一つだけ違うのは、五十嵐先輩に会いたいという気持ちだ。



五十嵐先輩と行ったレストランに行きたくなった。



1人でレストランに行って、同じ注文して。


ただ悲しくなるだけだった。


そんな時…



「あの…」



投稿が遅くなってしまい申し訳ありませんでした!

しっかり完結させます!

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