五年目の夫婦喧嘩
「だっちもねぇこんいっちょ」
「だっちもないって。これが?重要ずらに」
旦那にむかっぱらが立つ!
あたしは何!おまんの家政婦か!
はんであたしの顔みちゃー飯!飯!……うちは共働きなの、お互い、お互いに働いているの!で、朝から家事して九時から五時まで働いて、更に家事してえっちの相手まで……ごっちょでしかたない。
「なぁ、テレビの東っ側にあるテレ版取ってくりょう」
…………えーからげんにしろ!しわいっちゅーこん!ちったーおまんも動け!
「……はい」
「なに?おまんまだ怒ってるだか?」
「……いっちゃん、あたし疲れた。寝る」
旦那に顔も見せず、布団に潜り込む。むかつくけど、体力回復が大事っちゅーこん。
「おい!」
「あたしの名前はおいじゃないつーこん!嫁の名前も忘れただか!」
うん。たまには爆発したっていいよね?
「こっちはゴミだしから洗濯掃除風呂から料理から仕事から、あんたのセックスの相手したりで忙しいっちゅーこん!たまには休みが欲しいっちゅーこん!結婚して五年で名前も呼ばれん……あんたの仕事も忙しいのわかるさ……でもね、名前も呼ばれん女はあんたにとって女じゃないずらに……言ってたらむかっぱらが立ってきた……もう寝る」
***
「めぐ、悪かった」
「おはよう。名前思い出してくれたんだ!ありがとう」
朝起きて、開口一番謝る旦那に皮肉口調で言う。
「おまんに泣かれるまで忘れるなんて酷い男ずらか」
「結婚して半年ぐらいまで、どうやって暮らしてきたか、思いだしたずらか」
「すまんかった。おまんにおんぶに抱っこじゃ、ぼこと変わらん」
「あたしも言い過ぎた。ごめんなさい」
「当然のことだっちゃあ。俺がおまんだったら、とっくにキレてるっちゅーこん。わるかったな」
「その気持ちだけで、十ニ分嬉しいよ。さぁ、ご飯のしたくするから、待っててくりょうし」
こうして結婚五年目の爆発は終わったっちゅーこん。ようは気持ち!名前もありがとうも言われんくなると、さびしいっちゅうこんね。
さて、今日から新規一転がんばろうじゃんけ!