積年の思い
「ほへぇ、イケメンやなぁ」
翡呂は光をまじまじと見る。
「ありがとう、、ございます?」
光は敬語にするか否かを迷っている。
「固いねん。もっと気楽にしろや」
そう言って翡呂が笑った。
「こいつが、蓮矢が気にかけてたやつか」
誠も光の方を見る。
「始めまして、蒼葉光です」
そう言って笑顔で挨拶した。
「相変わらずイケメンですね、、、」
翠もボソッとそう言った。
「俺は翡呂やで!」
「俺は蓮矢の兄の誠です」
「僕は阿響斗!」
「よろしくお願いします」
光はこの上のない笑顔で言った。
「惚れてまうやろ」
「で?蓮矢?」
光はそのままの笑顔で蓮矢の方を見る。
「なんだ?」
そして、近づいて耳打ちした。
「なに、俺の客どさくさに紛れて取ってんの」
「、、、、あ」
知佳の方を見る。
「とってねぇよ!」
蓮矢はつい大きな声を出した。
「ねぇ、知佳ちゃん。蓮矢に変なことされてない?されてたら締めとくよ」
「ありがとうね。ライト君大丈夫よ」
知佳は笑顔で言った。
「蓮矢様がするわけないでしょ」
翠がボソッとそう言った。
「お主、霊力強くなったのぉ」
シバが翠に近づいてきた。
誠と翡呂と阿響斗が警戒する。
「あっ、シバこっち来い」
そう言って廊下に出させた。
そして、子供が入ってきた。
「かわいい、、、」
翠が絶句した。
「かわええなぁ。尻尾の生えてる子供!」
翡呂が抱きついた。
「おいやめるのじゃ!」
シバが暴れる。
「僕も尻尾も耳も生えさせれるもん!」
阿響斗が嫉妬したように言った。
「はいはい」
そう言って誠が阿響斗をなだめた。
「ねぇ?知佳ちゃん」
光は知佳の方を見る。
「怒ってる?」
その言葉に驚いたような顔をした。
そして笑みを浮かべた。
「君にじゃないよ」
少しだけ引っ掛かるとは思った。
「おい?時雨?」
光が胸の中に呼びかけるようにつぶやいた。
「今は出れません」
それだけ帰ってきた。
その言葉に知佳が反応した。
「時雨、貴方ライト君の中にはいってるの?」
知佳は苛立ったような声を出した。
「知佳ちゃん、、、?」
普段感情をあんまりていなかった知佳が少しだけ感情的になっていることに驚いていた。
「ごめんね。少し取り乱した。またね」
知佳は扉の方へ向かった。
「時雨、、、様に伝えといて、私は貴方を許さないって」
そう言って消えていった。
シバもそれをじっと見つめていた。
そして、しがみ付いてる翡呂の顔を叩いた。
「いたっ」
「邪魔じゃ」
ムスッとした顔で光の方へ行った。
「光よ。わしはあいつに勝てぬぞ」
「まじ、、?」
シバは頷いた。
蓮矢は少しだけうつむいていた。
「蓮矢どうかしたのか?」
光は心配そうに見る。
その言葉に全員が静まり返った。
「逃げろってなんだ?」
「、、、」
何ていおうか考えているのだろう。
「狙われてんだよ。お前が」
先に誠が口を開いた。
「え?俺?」
光は驚いたような声を出した。
「なんと、、、」
シバも固まった。
「やっぱイケメン過ぎたか、、、」
「ブフッ言えとるな」
翡呂は吹き出した。
誠は背中を叩いた。
「痛いなぁ。俺は怪我人や!」
「俺たちでできることは考えてる。だけど、今日戦ったが、、、」
誠は目をそらした。阿響斗は、口をギュッと噤んだ。
蓮矢もうつむいた。翠も布団をギュッと握りしめた。
「ぼろっぼろになってもうたな」
翡呂だけは笑っていた。
「お前、笑い事じゃ!」
蓮矢がキレたように言う。
「悲しんでる暇もないやろ」
翡呂の冷静な声が響いた。
「相手の手の内はわかったやろ。そして、全員生きとる。それ以上もそれ以下もない。十分や」
「翡呂さん、、、」
光が感心したように言う。
「さん付けは辞めてくれへん?照れるわ」
そう言って頬をかいた。
「大丈夫。こっちもある程度強いからさ」
光ものんびりと笑った。
シバを撫でる。
「ある程度じゃないわ!」
シバが起こったように言う。
「はいはい。すごく強いよ」
「平和だな、、」
誠も気が緩んだように笑った。
「てか、翠さんだっけ?大丈夫か?」
光が翠の方へ寄る。
「翠でいいですよ。あと、私は大丈夫ですよ」
そう言って笑った。
「イケメンはええよなぁ。心の栄養や」
「翡呂も輸血してるけど大丈夫か?」
「俺はもう元気やで。肩銃で撃たれただけやで」
「へ?」
光は固まった。
「銃?」
「そう。銃」
「私は心臓撃たれましたけどね」
「心臓?銃?」
光は目をぐるぐるさせた。
「え?俺死ぬ?」
光は自分の手を見る。
「ってかお前らは大丈夫なのか?ここに居て」
光は周りを見渡す。
「自分の心配せーや」
翡呂はそう言って笑う。
「僕も心配です」
阿響斗も眉を下げた。
「俺らは大丈夫だから、自分の心配しておけ」
蓮矢は光の背中を叩く。
(5年前と同じ俺じゃない)
蓮矢はもう一度口を開いた。
「だけど、」
光の目をしっかりと見た。
「ん?」
「今回は絶対に守る。」
蓮矢の目は決意に満ち溢れてた。
その言葉に、周りのみんなも頷いた。
その目に少しだけ驚いた顔をして
「期待してるよ」
そう言って微笑んだ。
一度壊れた友情はさらに強固なものになって、今ここに。




