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世代交代②

静まり返った大広間。

霧は拳を握りしめて、こらえていた。

翠は意外そうな顔をしていた。

それを尻目に翡呂は考える。


(翠がやったんか、、、?何のために)


パンッ!


狼雅が手を叩いた。

「他に何か言うことはないか?」

前列には、誠のみ。後列は蓮矢の斜め後ろを除いて、真ん中に翡呂、誠の後ろに翠が座ってる。


翠は目をつぶった。


狼雅が腰あたりに手を当てた。

翡呂と翠は瞬時にそれを察する。


そして、それぞれの武器に手をかける。


誌穂はそれを見て、真理を連れて立ち上がる。

「奥様。行きましょう」

「誠は?誠は大丈夫なのよね?」

「、、、お体がそろそろ限界でしょう。少し横になりましょう」

誌穂は真理の問いには答えずに少し逃げたような言葉を発した。

「、、、そうね」

上品な振る舞いで立ち上がり、誌穂に支えられながらゆっくりと歩き出した。


それを見届けるなり、狼雅は銃を取り出した。


「「「、、、!!!」」」

3人は固まった。


「何か言うことはないか?」

狼雅がもう一度、同じことを言った。


そして、誠の方へ構える。


(絶対反応できないやつだ)

誠は震えそうになりながらも、必死に堪えた。


翡呂は誠の前に立った。

「それはあかんやろ」


廻が、反応した。

「廻ちゃん。こらえてね」

愛漸がそう言うが廻は不思議そうな顔をした。

そして翡呂の方へ指をさした。

「そう。翡呂ちゃんだけは救うのね」

廻が頷いた。


「うわっ!」

「なんや!」

翠は狼雅の動きを感じ取り、誠を引っ張り翡呂を蹴り飛ばした。


バァン!


狼雅は銃を撃った。

「た、、、助かった」

誠は気の抜けた声を出す。

「ありがとな。翠」


狼雅は立ち上がった。

そして、誠の頭に銃を構えた。


「狼ちゃん!」

愛漸が声を出す。

「なにしてんの!?」

翡呂が動こうとする。


「離しなさいよ!」

霧が愛漸を止める。

「廻はん。なんで!」

廻が翡呂を止める。


「肩入れなどしょうもないぞ。愛漸」

「狼ちゃん!貴方は!」

「うるさい!お前らを守っとるのは俺だ!それを邪魔する奴は、、息子でも許さん!」

狼雅はキレたような声で愛漸を睨む。

「霧ちゃんも!」

霧は黙り込んでいた。


翡呂は観念したように、黙り込んだ。

(何かええ方法は、、、)

頭をフルに使いすぎて鼻血が出始めた。


廻が翡呂の頭に手を乗っける。

「西武はん。俺は、まだ寝たくないで」


「いい加減白状したらどうだ」

狼雅の気迫で誠は動けなかった。


「警察やめてないんだろ」


その言葉に誠は目を見開いた。

「な、、なんで?」

「知らないと思ったのか?」

誠はキッと狼雅を睨む。


「さて、正義の執行人さんよぉ」

そう言って銃を翡呂の方へ向ける。

「誰がけじめつけるんだ?」


廻は狼雅を睨んだ。


「俺でええ!」


翡呂が叫んだ。

(誠はんが死ぬなんてダメや。絶対)


「俺が黙ってたんや!」

廻が腕に力を入れて、翡呂を締める。

翡呂はズボンのポケットに手を入れた。


バチチチチッ


最大出力で威圧をした。

そして、廻の方へ手を振るった。

「すまへん。西武はん」

廻が離れたうちに誠の前へ行った。


「この人は死ぬべきちゃう!」


「何を言ってるんだ?お前じゃ足しにならんだろ」

狼雅が当たり前のように言い放つ。


「認めて潔く一人で死ぬか。認めずに仲間を一人づつ消されていくか。それとも、、」


「俺を逮捕するのか?」

誠は拳を握りしめた。


「俺だけでいいです」

誠が立ち上がった。

そして、狼雅の銃を自分の方へ向けさせる。


「俺は俺の正義を突き通した。もう十分だ」

そう言って誠は翡呂の方を向く。


「フフッ」

翠が馬鹿にするように笑った。


「アホらしい。かっこよく終わらせたいだけでしょ?」


翠が立ち上がり誠の前まで行った。

「ダサいですよ?誠様」

そう言って誠を押した。


誠は倒れた。

「誠様さぁ。なんでもっと早く動かないわけ?」

「いや、俺には?」

「そもそも、正義って何?」

翠が誠を見下ろすように、嘲る。

「俺は、、、」


「そんなんだから仲間に売られるんでしょ?」

ニタニタと翠は笑う。


「翠。まさか、、、」

翡呂が驚いたような声を出す。


「さぁ?私じゃなくて霧さんが調べたんでしょ?」

「あぁ、拙者が内密に調べたのだな」

霧が割って入った。


(そっか。俺、裏切られてたのか)


誠はゆっくりと立ち上がり、そして、目を閉じた。

「撃ってください。お父様」

真っすぐに狼雅の顔を見た。


「ほう。潔いな」


「だめや!絶対」

翡吕が手を出そうが、廻に止められた。


狼雅が引き金を引いた瞬間に翠は動いた。


バァン!


翠が銃の方向を変えた。

「なんだ?翠?」

「ちょっと死ぬ前の顔、私も見たくて」

そう言って二カッと笑った。


「そうか!まぁ、お前の主だもんな」

狼雅はそう言ってにこりと笑った


その瞬間、翡呂が何かを投げた。


「逃げるんや!誠はん!!!」

翡呂も、それを拍子に逃げようとしたが、廻に捕まった。


そして、今度こそちゃんと気絶させられた。


薄れる意識の中、翠が銃を手にしていた。

そして、誠に銃を撃ち続けていた。


「な、、、なんでや、、、」


翠は翡呂の方を向いて、にやりと笑った。


ー後継者争い 御嶽 誠 脱落

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