愛情にすがってもまだ②
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
(俺またやらかしたな、、、)
蓮矢はうなだれて歩いていた。
思いっきり自分の頬を叩いた。
(今はへこむときじゃない、進み続けなきゃ、、、)
そう思い、蓮矢は霧の元へ向かった。
壊れかけている、心と共にー
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「霧さん、阿響斗と仲直りするためにはまずは文通ってのはどうだ?」
蓮矢に名前を呼ばれたことに霧は驚いていた。
「名前、呼んでくれるのだな」
「まぁ、多少は父親らしくなってたんでね」
そう言ってにこりと笑った。
「文通か、悪くないのだな」
そう言うが、霧は少しもじもじしていた。
「問題あるのか?」
「文章の書き方難しいのだな」
「わかった俺が手伝うよ」
恥ずかしそうにそう言う霧に蓮矢は励ましの言葉を言う。
「ありがとうだな」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「えへへ、俺は幸せ者や~」
翡呂がふにゃふにゃ歩いている。
「おぉ!翠どうしたんや」
翠が歩いたのを見つけて、翡呂は脅かそうとひっそり駆け寄った。
「、、っ」
翠がそれに気づいて刀を構える。
「ちょっと待ってやぁ!!!」
翡呂が驚いて叫んだ。
「あぁ、翡呂でしたか」
そう言ってため息をつく。
「ひどい顔や?どうしたん?せっかくの美人さんがだいなしやんか~」
そう言って顔を覗き込む
「ちゃんと休んどるか?ちゃんと飯食ってはるか?」
「おかんか」
そう言って翠は翡呂を叩いた。
「お前は、誠様につくのか?」
「誠はん優しいからな、ほんまは次いで欲しくない」
「じゃあ、私につくのか?」
そういって、翠は翡呂をじっと見る。
「敵には、なるつもりもない。隠れてあった時に情報渡してしもたしな。」
「それは、使うつもりですよ」
「翠のことやから、ちゃんといい感じに隠してくれると思うとるさ」
「ははっ人は信頼しない方が得ですよ」
「そう思いたいだけやろ」
翡呂はずっとへらへらしているが、どことなく本質を理解している。
「俺、翠と似とるお持っとったけど、勘違いやな。自己犠牲は自分を殺してんのと同じやからな?」
「別にしてないよ?」
「じゃあ、これはほんまにお前のためなんか?」
その言葉に翠は息が詰まった。
「っていって答えられへんなら、やめといたほうがええんちゃう?」
「やめないよ。ぜったい」
何もかも計算されているかのように、翠は笑みを浮かべた。
「これでも割と心配してるんやで」
翠が翡呂の隣を通り抜ける瞬間にそう告げた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「ひぇー怖いなぁ翠は敵に回しとうないわ」
独り言のようにつぶやいた翡呂の後ろから、にゅっと愛漸が現れた。
「ごもっともね♡」
「うわっ」
翡呂は驚いたような引いたような反応をした。
「ガチで引くのやめてくれないかしら?」
「ごめんやん」
翡呂は愛漸には子供のような笑顔を向ける。
「今日ね、誌穂の手作りお菓子もらったのよ♡食べる?」
「もらってええんかぁ?愛漸はんの恋人なのに」
「気にしなくていいわ。愛、今あなたとお話ししたいの♡」
翡呂は子を見守る親のように穏やかに笑う愛漸の顔を見て、
「あぁ、ほんまに俺馬鹿や。俺も話したいことできたわ」
そう言って少しうつむいた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「誠様!僕ルービックキューブできた!」
子供なのがバレたからなのか、阿響斗は無理に敬語をいうのはやめた。
「おー!すごいなぁ」
そう言って誠は阿響斗の頭を撫でる。
そうすると嬉しそうに笑った。
「阿響斗」
「ん?なに?誠様」
不思議そうに阿響斗は誠を見つめる。
(巻き込みたくないな)
「何でもないよ。」
「変なのー」
そう言って二人は笑った。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「貴方があんなまともなこと言えるなんて感激したのよ♡」
「俺をなんだと思ってんねん」
愛漸はいつも通り縁側に座りお茶を入れた。
「南野はん。お話ってなん?」
「世間話よ♡お変わりないならそれでいいのよ」
そう言ってお茶をすする。
翡呂はお茶の温かさを手で感じた。
「俺って天才やん?」
「急にどうしたのよ」
愛漸は吹き出した。
「だから、何でもわかっとる思ってた。」
それとは対照的に、翡呂は少しうつむいた。
(誠はんといい、西武はんといい、南野はんといい、、)
「こんな大事なこと見えへんかったんやな。俺は阿呆や」
「あらあら♡自信なくすとは珍しいわね」
「南野はんやろ?俺に誠はん送ったの」
愛漸は少し意外そうな顔をした。
「さぁ?愛は難しいこと考えないわ」
その不器用さに翡呂は笑みを浮かべた。
「一番周り見れる人が何ゆうてますの」
「そんなことないわ♡愛、一回レンちゃんボコしたわよ♡」
「どうせ。誌穂様にぞっこんしてバグったんでしょ」
「言い方が悪いわね♡」
誌穂の能力は負の感情の増幅、それにより力を渇望させ契約を結ぶ。
愛漸が蓮矢を襲ったのも、狼雅様への信仰心の増幅によるものだった。
「悪いとは思ってるし反省はしてるわ♡」
「あ~俺、南野はん味方につけたら勝てるおもっとたけど、その感じじゃ味方にならへんかぁ」
翡呂は残念そうにする。
「愛はみんなの愛だからね♡」
「っていう割に、翠に手助けはしないんやな」
「あの子は、、、複雑ね。手助けのしようがないわね。強いていうならレンちゃんを殺してメンタルケアをした方が早いんじゃないかと思うぐらいよ♡」
「やめといたほうがええよ。あれ、俺以上に狂ってんねん」
(レンちゃんが誠ちゃんみたいに察することができるタイプならいいけど、レンちゃん目先の事しか見えないもんねぇ♡)
「だけど、あいつ壊れんのも時間の問題やろな」
「同感ね。レンちゃんが頑張ってくれるかしら♡」
「せめて、善悪の区別だけはつけてほしいもんやけど、、」
「無理やろな」
風が吹き荒れ木が大きく揺れる。
長い前髪の奥で心配そうに瞳が揺れた。
「そういえば、翡呂?誠様と部屋で何してたの?」
愛漸がニヤニヤと聞いてきた。
「なんもしてへんて!なんで知ってんねん!」
「その焦りよう、怪しいわね♡」
「もー勘弁してや~」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「そうそう、あーこの文章若干おかしいかもな」
「そうなのだな」
文章を二人で書いている。
「拙者こんなにできぬとは、かたじけないのだな」
「気にすんな。これから学んでけばいいよ」
「ありがとうだな」
そして二人は手紙を書きあげた。
「あとは出すだけだな」
「わかったのだな!」
そう言って霧は嬉しそうに笑った。
そう言って霧は阿響斗に手紙を出しに、阿響斗の部屋に向かった。
(拙者がここであっていいのだろうか)
屋敷では合わないように常に霊体になって行動をしていた。
(今回もまた霊体の姿になって、)
「あれ?霧さん。お困りごとですか?」
穏やかな笑みを浮かべた翠が現れた。
「翠殿!これはタイミングが良いことだな!」
そう言って霧は手紙を差し出す。
「これを阿響斗に渡してくれないかだな?」
「わかりました」
「差出人は伝えないでほしいのだな」
「承知しました」
霧が満足して帰っていく姿を翠は眺めた。
不敵な笑みを浮かべてー




