終わり始める関係の中に③
お札を持った知佳の前に愛漸が現れた。
「場所を追跡しなさい」
知佳が指を鳴らすと一つ目の白い猫が現れた。
猫は一礼をして居っていった。
「今のは、、」
蓮矢が立ち尽くしている。
知佳が舌打ちをする
「あなた。よそ見するなら邪魔だからでてってくれない?」
「あらぁ女の子一人で愛に勝てると思っているの?♡」
「気色悪いわね」
知佳の目が赤く光。
愛漸の拳が飛んでくる。
「あぶねぇ!」
蓮矢が叫ぶが、知佳はひらりと交わした。
「私より自分の心配しなさい」
「昨日振りねレンちゃん♡怖がらなくていいのよ」
蓮矢の背筋が凍った。
振り返ると笑顔の愛漸がいた。
「あとでたくさんお話ししましょう♡」
愛漸から飛んでくる拳がすごくゆっくりに見えた。
「だから、今はおやすみ」
「ばか!!!」
知佳の蹴りで九死に一生を得た。
「いった、、」
知佳の蹴りで壁に体をぶつけた。
「それで済んでよかったわね。感謝しなさい。」
「あぁ、ありがとう」
ここは路地裏で夜になると人気が一切ない。
今なら人にばれることもないだろう。
「貴方のその憑りついている怨霊を祓わせてもらうわ」
「あら、お断りよ♡これは愛と誌乃様の運命の糸なの」
確かによく見ると糸のようになっている。
「説明してる暇はないわ。あいつの足止めを手伝って。」
その声と同時に愛漸の前に蓮矢が立つ。
(、、、体格差がありすぎる)
蓮矢は体術の修業を思い出した。
「はい、一本です」
翠がにやけ顔で蓮矢を吹き飛ばす。
「いった」
蓮矢が尻もちをついた。
「なんで俺がひょろひょろのお前に負けるんだよ!」
「喧嘩は力だけでは勝てません」
そう言って翠は緑がかった自分の目を指さした。
「見るんですよ。相手の重心を目線を動作を表情を」
その目と目があった蓮矢は息をのんだ。
全てを知っているかのような目をしていた。
「私はどうも筋肉がそうつくタイプじゃないので、別のところで勝負するんです。」
蓮矢に翠が手を伸ばす。
「坊ちゃまの強さはなんですか?」
「俺の、、、」
翠に持ち上げられるようにして立ち上がった。
「さて、勝ったので添い寝の権利を!!!」
「やらんわ」
そう言って自分の手を見た
ー俺の強さ
「ハハッ」
「頭でもおかしくなったの?レンちゃん」
「ちげーよ。俺はお前に負けない」
「そう。付き合ってあげたいけど。」
そう言って愛漸が手を振り上げた。
「今はあの女が邪魔なの」
びんたが飛んできた。
それを蓮矢は腕で受けた。
「いった、、、」
「あら、吹き飛ばないのね」
愛漸の注意が知佳の方へ向いている。
(俺は眼中にないってか)
「なめんなよ」
蓮矢が睨んだ。
「へぇ、狼ちゃんに似てきたわね」
(俺へ注意が向いた、、!)
愛漸の蹴りが飛んできた。
蓮矢はもう一度腕で受ける。
「ガハッ」
狭めの道ですぐに壁に当たってしまう。
「あら、ごめんなさい。やっぱり、、、」
そう言って愛漸は口元を手で隠してニヤッとする。
「雑魚ね♡」
「いいえ。上出来よ」
愛漸の後ろから知佳が出てきた。
お札が形を変え刀のようなものになった。
「邪悪なる糸より蝕まれし、その体を今、、、」
「あら時間まだまだあるじゃない」
そう言って知佳の方へ飛び上がった。
「させねぇよ」
蓮矢は愛漸の足にしがみついた。
「じゃまよ!どきなさい!」
そう言って何度も蓮矢は顔をけられる。
「だから!俺のイケメンな顔を台無しにするんじゃねぇよ!」
そう言って愛漸の足を床へ力いっぱい引っ張った。
「くそっ」
愛漸は床へ倒れた。
ー解き放たれよ。糸切りー
知佳が愛漸の体を真っ二つに刀を振るった。
「おっおい!?死んじまうぞ!」
「死なないわよ。これはあくまで霊にしか聞かないわ」
「あれ、愛いったい何を」
愛漸は自分の手のひらを見て、驚いていた。
「店長、、、大丈夫か」
そう言って蓮矢が手を伸ばす。
「ありがとう。レンちゃん」
その手を愛漸が握る。
そして、自分の方へ思いっきり引っ張った。
「、、、は?」
「だから、バカって言ってんのよ♡」
「レン!」
知佳の声が響いた。
愛漸の反対の手にはナイフが握られていた。
(やべ、、俺、死んだ)
「やめろ」
「あら久しぶりね♡誠ちゃん」
「久しぶり愛漸さん」
「だけど、今は止めてほしくないわ。御嶽の名を汚す可能性があるのよ」
「それは大丈夫。明日、お父様が食事会を用意してくれた。」
「あら♡素敵じゃない♡」
「そうだよ。きっと、蓮矢もわかってくれるよ」
それだけ聞くと愛漸は蓮矢を離した。
その隙に知佳は蓮矢を取り戻した。
「まこと、、、なんで」
「お兄様と呼べ。」
生気のないその瞳で口元には笑みが浮かんでいた。
「お前はいったい」
* * * * *
「まこと!!!」
そう言って誠に駆け寄る。
「蓮矢どうしたの」
穏やかな笑みを浮かべている誠。
「またその本よんでる」
誠は正義のヒーローに憧れていた。
「俺もいつか正義の味方になって人の役に立つんだ。」
キラキラしていた。そんな誠が大好きだった。
誠が18歳になる年。
「ダメだ。」
「お父様。僕は、、」
「お前は御嶽の名を継ぐんだ。」
その会話を襖の隙間から眺めていた。唇をかみしめる誠。
「わかった。出ていきます」
「待て。許可しないぞ」
その声を冷ややかな目で見返した強くてかっこいい兄。
* * * * *
(なんで、、、)
「御嶽家長男、そして次期後継者の御嶽 誠。」
蓮矢の目の前には別人のような誠がいた。
「行くわよ」
知佳に担がれてその場をから離れていく。
「蓮矢」
誠は蓮矢を見ていった。
「お前には継がせない」




