表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オマエの本性を暴いてやる!  作者: うちよう
我部香凜の本性を暴いてやる!
48/50

第48話 俺 VS 美少女その2

 クソ、またやられた。

 一限目の授業終わり、またしても花音かのんに逃げられた。

 授業中にも手紙を投げ込んでくるし、マジで何がしたいのか分からん。

 まあ考えられる線として有力なのは二つ。

 一つ目は、我部との相談内容の件で俺と話したいけど話せないもどかしさが事態を招いている線。

 ……なんか、自分で言っててかなりキモイな。

 そして二つ目は、俺が気が付かないうちに花音を傷つけてその八つ当たりをしている線。

 二つ目の場合、心当たりがないわけではない。

 それは我部がべから相談を持ち掛けられたあの日、帰宅志願者の俺は同志である花音を見捨てて先に帰ったのである。

 もしかして、それが気に入らなかったのだろうか。

 いや、でもあれは仕方がなくない? だって相談者の我部がそれを望んだのだから。

 どちらにせよ、花音と話せる状況を作らないことには何も始まらないし、このまま疎遠になる可能性だって……ん?

 ……なんで俺は、こんなにも焦っているのだろう。

 まさか、花音との最悪の未来に恐れているとでもいうのか?

 これまで一人、もしくは美彩みさと二人で困難を乗り越えてきた。

 だから、血の繋がりのない第三者にここまで考えさせられることなんて一度もなかった。

 もしかしてこれって……いや、気持ちが固まっていないのに()()()()()()()()()()()()()()……って、これあの変なおっさんが言ってた事じゃん。

 本当に、全てを見透かされているような感じで、もしかしたら今抱えている俺の気持ちにも気づいているのかもしれない。

 いや、それについては後回しだ。

 まずは、目先のことを最優先にクリアしていかないとな。

 そして俺が、花音の後を追いかけようと立ち上がろうとしたその時——————


 「ひさるん。ちょっと話良い?」

 「俺は別に構わないけど、お前はいいのか?」

 「……何が?」


 俺から何を言われているのか分からないと言わんばかりに、桜花おうかはキョトンとした顔を浮かべている。

 ……おや?


 「いや、何でもない。それより話ってなんだ?」

 「今朝、我部さんと揉めたんだって? ちゃんと仲直りしなきゃダメだよ」

 「すぐに仲直りできるなら、こんな性格してねぇよ」

 「もう、すぐそういうネガティブなこと言う」


 そう言いながら、桜花が花音の席に着く。

 

 「ひさるんの気持ちは分かるけどさ、もう少し他の子と向き合ってもいいんじゃないかな? じゃないと、ひさるんが苦しい思いをするだけになっちゃうから」

 「人気者のお前に、俺の気持ちなんて分かるわけないだろ」

 「分かるよ。だって私たち——————()()()()()()()()


 そのフレーズ、以前にどこかで…………あぁ、花音も以前に同じようなこと言ってたっけか。

 ということは、本当は桜花も人間不信だったりするのか?

 いや、それはないな。

 不自然にも完璧に理想の女の子像を演じる桜花が、俺と同じ人間不信なはずがない。

 それじゃあ彼女は、桜花春おうか はるは、何を思って俺と似ていると口にしたのだろうか。


 「…………お前が人間不信だとは思えないけどな」

 「違う違う。そういうことじゃなくて……」


 どうやら、人間不信じゃないらしい。

 まあ、でしょうねって感じ。

 桜花の求める応えは、きっと……。


 「まあ、それが()()だしな、俺とお前の」

 「その答えが聞けて安心したよ! てっきり忘れられてるのかと……」

 「んなわけないだろ。あんな変な提案を堂々と言われて、簡単に忘れる方が難しいだろ」

 「へ、変とか言うなし! これでも恥ずかしかったんだからね!」


 そう言って、ポコポコと肩を叩いてくる。全然痛くない。

 てか、恥ずかしかったんなら言うなよ……。


 「それより、いいのかよ」

 「え? 何が?」

 「これ以上、俺と話をしてて」

 「……なんで?」

 「なんでって、俺と話をしてたらまずいんだろ?」

 「いや、そんなことないけど?」


 ……おやおや? 何かがおかしいぞ。

 とりあえず、この間花音から貰った手紙を桜花に見せてみる。

 すると桜花は、何かを察したかのように微笑を浮かべた。


 「多分、ひさるんが思っているほど深刻な問題じゃないよ。むしろ可愛らしい理由、かな?」

 「いや、意味が分からん」

 「この文面からじゃ伝わらないだろうね。まあ、あとは当の本人から直接聞いた方がいいかな」


 そう言って、桜花は花音の席を立つ。

 

 「そういえば、我部の相談はどうだったんだ?」

 「……やっぱり、ひさるんは優しいね」

 「いや、優しいとかそういう話じゃなくて。部活としての初めての依頼だしな。一応、俺も部員だし情報を回してもらえると助かるんだが」

 「んー、ヤダ!」

 「ヤダって、お前……」


 すると桜花は、とびっきりの笑顔で俺の後に言葉を綴った。


 「女の子にしか話せない相談を聞きたいなんて、それはエッチだよ!」


 それだけ言い残して、桜花がこの場から去っていく。

 そして俺は、机に突っ伏す姿勢を取ってから一人ポツリと呟いた。


 「お前の笑顔の方が、よっぽどエッチだよ」


 って、俺は一体何を言ってるんだか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

今後とも、よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ