星の王子と花の姫
むかしむかし、夜空にはまだ名前のない星々が歌っていました。
星の光は夢のように降り注ぎ、人々はその輝きを「希望」と呼びました。
けれど、やがて争いが始まり、星の歌は聞こえなくなりました。
そんな時代に、一つの星が願ったのです。
――もう一度、光と花が咲く世界を見たいと。
その願いが、ひとつの物語を生みました。
それが『星の王子と花の姫』のおはなしです。
むかしむかし、アルカディアの空に、星々がキラキラと歌っていた時代。ある夜、一つの星が落ち、輝く光となって小さな村に降り立った。それは、星の王子オリオンでした。青い瞳は夜空の輝き、黒い髪は星屑のようだった。
村の片隅で、少女リリアが見つけました。彼女の笑顔は花のよう、声はそよ風の調べ。オリオンはアルカディアのことを何も知らず、ただ戸惑うばかりだった。「ここはどこ?君は誰?」と尋ねる王子に、リリアは笑った。「ここはフローラ村。わたしはリリア。あなたはだれ?」
リリアの明るさに、オリオンの心は少しずつ温まった。硬かった顔に、笑顔が星のように灯った。村の花畑で、リリアと過ごす日は、まるで絵本のページのようだった。
けれど、ある日、オリオンは気づいた。リリアの家に父の姿がない。村には若い男が少ない。「どうして?」と尋ねると、リリアの瞳が曇った。「戦争に行ったの。帰ってこない人も多いの。」アルカディアは、争いと涙に満ちていた。
オリオンは星の魔力を持っていました。リリアを笑顔にするため、村一面を花畑に変えました。花は星の光を浴びて輝き、リリアは目を丸くして笑い。「まるで星が地上に降りてきたみたい!」
その笑顔を守りたい。オリオンは決意しました。「この世界から争いをなくそう。リリア、君の顔に花を咲かせよう。」リリアは頷き、手を握った。「一緒に、世界に花畑を作ろう。」
星の王子と花の姫は旅に出た。森を抜け、海を渡り、竜の咆哮を越えた。星の魔力で花を咲かせ、争う心を癒した。けれど、闇の星が忍び寄る。それは、平和を壊す影だった。
リリアは歌った。「星が囁けば、花が咲く。心が開けば、争いは消える。」その歌は、闇を光に変えた。オリオンとリリアは誓った。「どんな闇も、共に乗り越える。」
花畑は星の光に輝き、アルカディアに平和が戻った。星の王子と花の姫は、夜空の下で新しい物語を紡いだ。
そして、星は今も歌う。
絵本:星の王子と花の姫より
この絵本は、アルカディアの子どもたちが眠る前に読む物語。
“星の王子と花の姫”は、ただの伝説ではなく――
心に希望を灯す、始まりの記憶。
誰かを想うたび、花が咲き、星が瞬く。
それは、オリオンとリリアが今も見守っている証。
だから、どうか忘れないで。
闇が訪れても、きっと光はそばにある。
星と花のように、君の心にも。




