Ⅲ-1-
トントン
「院長室」と書かれたプレートが下がっているドアの前は医者3人と患者1人がたたずんでいた。そのうちの1人、4人の中で一番年配の人がそのプレートがかかっているドアを叩いた。
「どうぞ中に入ってください。」
ドアの向こうから聞こえた声は40代後半の男の声に聞こえた。そして、向こうからかすかな話し声が聞こえた。
「失礼します」
そう言って副院長である友雅がドアを開けた。
部屋の中は正面に机、机の前に来客用のソファーが2つ向き合って置かれていた。
机には小太りでおおらかな顔をした男の人が机に両肘をついて、手を組んで座っていた。それに、向かい合ったソファーの所に男の人がこちらを見て座っていた。
「あっ!!」
「お父さん」
突然麻酔科部長の美音と藍が声を上げた。
藍は言葉を続けたが美音は黙りこくってしまった。
「皆さんそんなところで突っ立ってないでソファーにお座りください。」
そう言ってきたのは机に座っているこの病院の院長であった。
藍たちがソファーに座った瞬間あたりは緊張の糸が張り巡らされた。
「さて、葵 藍さん」
「はっ、はい!」
藍は名前を呼ばれてドキッとした。
「そんなに畏まらないでください」
「はい・・・。」
「藍さん。あなたの寿命はあと数ヶ月なんです。」
「えっ!!」
藍・美音が声を揃えてあげた。院長が突然言い出したことは誰が聞いてもビックリすることだろう。
「院長先生、私の命があと数カ月ってどうゆうことですか?」
「藍ちゃん、君の命を削っているのはある人物がいなくなったのに関係しているんだよ。」
「ある人物がいなくなる?どうゆうことですか?」
「一時期、君のお母さまは床に伏せていたことがあったね?」
「はい・・・。ありました。まさか!!ある人物って亜姑!亜姑姉のことですか??」
びくっ!!
美音が肩を震わせた。次の瞬間だった。
「そんな!お母さまが床に伏せていたなんて!」
「美・・・音先生?」
美音がいきなり大声をあげて立ち上がった。
嘘よ!そんな!あのお母さまが床に伏せていたなんて!何かの間違いだわ!だって・・・。藍のお見舞いに来たときだってあんなに生き生きしていたのに・・・。そんなお母さまが床に伏せていたなんて・・・。
「だって・・・。考えられない・・・。あの頃のお母さまはいつも笑っていらしたのに・・・。それに、私が藍の部屋に訪ねるといつもお見舞いにいらしていて、笑っていらしたわ!そんな・・・、そんなお母さまが床に伏せていたなんて・・・。嘘よ!!」
「本当のことなんだよ美音先生。・・・いや、亜姑」
「えっ!お父様今何ていったの!?美音先生のことを亜姑って呼んだの?美音先生が亜姑なんて言わないよね?」
美音はその場に崩れ落ち口元を手で隠して泣いていた。藍は美音が実の姉だという事が信じられなくて顔を真青にしていた。
慎は2人の娘同時につらい思いを味わわせたと思いうつむき、額に両手拳をあわせて肩を震わせていた。
突然リオが口を開いたのであった・・・。




