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傷跡  作者: たかし
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傷跡パート1

僕は普通の人です。普通に学校に通い、友達と遊び、勉強し、休日には町に出掛けて映画を見たりする。どこにでもいる、ごく普通の高校生です。趣味は、特に無いです。強いて上げるのらば、ゲームしたり、マンガを読んだりです。部活動は、文芸部に所属してます。でも、ほとんど活動は無いので皆が集まることは滅多に無いです。学園祭の時に部誌を出すくらいで、それも強制ではないので、書く人はすくないです。友達は皆運動部に所属しているので、放課後はだいたい1人でぶらぶらしてます。家に帰ってその日の復習をしてねる、なので成績は上の中というところです。家は普通のマンションで、家族も妹が1人いて、父はサラリーマン、母は看護師の普通の家庭です。一つ最近、変わった事があるなら、同じクラスの人がこの間同じマンションに引っ越して来たということです。二年生に上がった時に同じクラスなったのであまり話したことはありません。その子は僕とはまた別のグループの人といつも一緒にいるので、接点は同じクラスぐらいでした。何回かはそれでも話したことはあってその時の印象は「変わった人だなぁ」だけでした。でも、容姿端麗で成績も僕より上、話方も上手くて運動神経も良い、欠点が無いんじゃないかと思うくらいにとても魅力的な人でした。でも、共通の友達が1人いて、その人が言うには「あいつは変人だよ、ある意味天才とはあういう奴の事を言うんだと思う。」と。でも、噂では体にタトゥーが入ってるとか、タバコを吸ったり、飲酒、無免許運転など、良くない事を聞いたことがある。噂なので本当かどうかはわからないが、とにかくいい意味でも悪い意味でもとてもミステリアスな人です。今は6月の中旬でじめっとした暑さの頃で、その日は帰り道の途中で雨が降り始めました。その雨は一息に強くなり、傘無しではずぶ濡れになるくらいの雨でした。家までは歩いて三十分くらいで、途中にはコンビニやスーパーがあり、傘などはすぐに買えるはずでした。でも、その時彼は閉まったシャッターの軒先に立ち雨宿りをしていました。同じクラスなので、話しかけずに立ち去るのもなんだか気まずいので話しかけることにしました。「音鳴おとなくんだよね、傘持ってないの?」そう言うと彼は「ん、あぁあゆむか、今日はいらんと思って出たら見ての通りだぜ」そうキメ顔で言う。なに一つとして面白くは無いが一応体裁があるので、軽く笑っておく。「そういえば歩って俺と同じマンションだよな」彼は雨のなか僕にはっきり聞こえるように凛とした声で言った。

僕は少し笑みを混ぜながら

「そういえばそうだね。」

と答える

彼は笑いながら「一緒に走ってこうぜ」

と言う

「この雨のなか?」

僕は少しの疑問をぶつけてみたが

彼はそれでも笑いながら

「そそっ、楽しそうじゃね?」

と返してきた。

普段の僕なら絶対に嫌なのだが

なぜかそのときは

「いいね、楽しそう」

と返していた。

そういうと彼は

「行くぞ!歩!」

と言って雨のなか駆け出した。

僕もつられて駆け出していた。

少しして家に着いたが二人してずぶ濡れになっていた。

何が面白かったのかわからないが二人して大笑いしていた。

「俺んち来いよ!ゲームしようぜ」

彼がそういうので

「そうするよ」

と返した。

特別用事などは無かったので彼の家に上がらせてもらった。

彼の家と間取りは一緒の筈だがえらく違う家のように感じた。

家具は質素な物ばかりで、数も少なく、生活するのに必要最低限の物しか無いように見えた。そしてあちこちにゴミが落ちていた、中にはお酒の空き缶やタバコの空箱、よーく見るとコンドームも落ちている。

「とりあえずシャワー浴びようぜ!お互いびしょ濡れだしな!」

彼はタオルと自分の服を着替えがわりに渡してきた。少しくたびれていたが古着のような感じをさせるTシャツと短い短パンとバスタオル。なんだか香水のような良い香りが服からした。

「どっちからはいる?」

彼に問うと

「せっかくだし一緒に入ろうぜ!裸の付き合いだ!」と言って洗面所に向かっていた。

誰かに自分の裸を見せるのは少々恥ずかしかったが彼のペースに乗っていた僕はそのままの勢いで共に風呂場に入った。

そしてシャワーを浴びながら思ったことがある。

噂は本当だったみたいだ。

彼の体にはお腹の辺りと背中、ざっと見ただけでも2つほどタトゥーが入っていた。そして腕には根性焼きのような後があった。

「これやべーっしょ、学校じゃ上手く隠してるけどばれたら終わりだよな」

彼は笑みを浮かべながらそう言ってきたので

「たしかにね、噂にもなってるから気を付けた方がいいかもね」と言うと

「マジ!?噂になってんの、やべーじゃん」と驚きながらも笑っていた。

彼はずっと笑っているが不安などは無いのだろうか。

そしてシャワーからでると服を着替えてゲームの準備を始めた。

ゲームは最新のゲームでまだ僕はやったことがなかった。色々と教わりながらやった。

とても楽しかった。

あっという間だった、気がついたらもう夜の8時を越えていたので、

「さすがにもう帰るね。」

と告げると

初めて彼は少し寂しそうな顔をして

「もう少しいても良いんだよ。」

と言ってきた。しかし、さすがにそろそろ帰らないと親も心配するので「ごめんね、また今度ね」

と言うと

嬉しそうに

「また今度、絶対な」

と言ってきた。

その日は彼のシャツを借りて家に帰った。

親は

「今日はずいぶん遅かったけど、どうしたの?」

と聞いてきたので

「友達と遊んでた」

と答えたら

さすがにシャツが変わってたことに不信を抱いたのか

「どこで遊んでたの?」

と聞いてきた。

「下の階の松村くんの所」

と答えると驚いた後に少し不安そうに

「そう…気を付けてね」

と返してきた。

何が気を付けてねなのかわからなかった。

確かに色々と不安なやつではあるが普段はあんなに明るい奴なので不思議に思った

「松村さんの親御さん見たこと無いのよね…」

とぼそっと母は呟いた。

確かにとは思ったが見たこと無いのでもしかしたら見たけど気づかなかったこともあるのかもと思ったが疲れていたので僕はさっさとご飯を食べてその日は寝た。

次の日学校に行くといつもの日常に戻った。

彼は彼のグループと話をして、僕は僕のグループと話をした。

ただいつもと違ったのは彼と一緒に帰ったことだ。

彼は皆が帰ると僕のところに来て

「昨日の続きしようぜ」と笑いながら言ってきた。

彼は本当にいつも笑っているなと思った。

そしてまた彼の家に行き一緒にゲームをした。

彼は途中からタバコを吸い始めた。

「歩ってタバコ吸う?」

と聞くので

「未成年だし吸わないよ」

そう言うと

「まぁ吸わない方が良いよ」

とテレビ画面を見ながら言った。

8時くらいになって家に帰ると

「あなたタバコの香りがするけど…まさか吸ったの?」と聞かれて

「松村くんちタバコの臭いがするから移っただけだよ」

と言った。

母は不安そうな顔をしながら

「未成年のうちは絶対吸っちゃ駄目よ」

と少しきつめに言った。

その日は少し勉強して寝た。

そんな日々が少したった頃に

「今日はマック行かね?」

と彼は言ってきた。

「別にいいよ」

初めて彼と一緒に寄り道をした。

そこで彼は色々と話始めた。

「俺さぁ、実は結構無理してんだよね。」

なんの話かさっぱりわからなかった。

「突然悪いな、学校じゃ上手く繕ってるけど本当はそんなに明るい奴じゃないんだよ。」

彼は僕に疲れた顔をしながら言ってきた。

初めて見た顔だった。

学校にいるときもそんな顔を見たことがない。

「体裁があるから明るく振る舞ってるけど、結構疲れるんだよ。あれ」

普段の彼の様子の話だろうか。

「歩と最近一緒にゲームする時間がスゲー楽しい。あれが俺の素なんだよね。」

学校にいるときと同じようにみえていたが?

「そうなの?」

思わず声に出てしまった。

「明日学校にいるときよく俺のこと見てみ。」

そう言ってその日は家に帰った。

次の日言われた通りに彼の事をよく見てみたら気づいた事がある。

笑顔が少しひきつっていた。

他の人は気づかないレベルだ。

確かにゲームをしているときと若干顔が違った。

帰るときまた彼がやって来て、

「気づいた?」と言うので

「少しね」と返すと

なぜだか少し嬉しそうに

「だろ」と言う。

「あとごめん、今日は一緒に遊べない。彼女と遊ばないと行けないからさ。」

そしたら後ろの方を見ると教室の入り口で女の子が携帯をいじりながら立っていた。

彼のグループにいる子だ。

話したことは無い。

「音鳴まだー?」

と彼女は携帯をいじりながら言ってきた。

「ごめんすぐ行くー」

「ごめん、また明日は遊ぼうな」

少し疲れたような顔をしながらそれでも笑って彼は彼女のもとに走って言った。

その日はまっすぐ家に帰った。

なんだか最後にした顔が少し不安になったが気にせずに寝た。

次の日、前と同じように彼の家に遊びに行ったら、コンドームが散乱していた。

「…ちょっと片付けとけよ」

と言うと

「悪い、時間なくてさ。今ちゃちゃっと片すわ」

そういうと彼はコンビニのビニール袋にそれらを捨ててまとめた。

いつも通りゲームをしながらタバコを彼は吸っていると

「見てわかる通り昨日彼女とセックスしたんだよな…」

少し悲しそうな顔をしながら彼は言うので

「そうか」

と返すと

「本当はしたくないんだよ。」

彼は涙声で言う。

「…なんかあったの?」

思わず聞いてしまった

彼はゲームをしながら少し震えて話初めた

「俺さ彼女の事好きじゃないんだよ。セックスも好きじゃない。でもしないとどうなるかわからないから、してるし付き合ってる。」

彼は涙を流し初めた

「こんなことお前に言うことじゃ無いのかもだけど、タトゥーも親に無理やり入れられたんだよ。

タバコも強要されて、お酒とかも飲まされたんだよ。」

彼はとても震えている

「昔一回だけ親に逆らったんだよ。そしたら、スゲー殴られて、根性焼きもされて、それを思い出したら逆らえなくなったんだ。それから女っていうのが怖いんだ。」

彼は泣いている

「彼女も付き合わなかったらなにかしてくるんじゃないかって怖くて付き合って、したくないって言ったら殴るんじゃ無いかって怖くて。」

彼は怯えている

「…俺はこんな俺が嫌いだ」

なにを言えばいいんだ

彼は泣いて震えて怯えて絶望している。

短い付き合いの僕でもわかった。

「…ごめんなこんなこと言って。

今日はもう帰ってくれ」

彼はゲームをやめてベランダに行ってタバコを吸っている。

「…また明日」

それだけ伝えて僕は帰った。

次の日彼は学校には来なかった。

来なくなった。





好きなタバコはアメスピ

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