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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第七章:マイペース・マイライフ

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553/1251

553:挟まれない立ち回りは大事

「芽生さんや、ゴーレム二体ですぞ」

「洋一さんや、カメレオンが二体潜んでますんでその間引き付けお願いしますぞ」


 二人頷き、ゴーレムの前に出る。ゴーレムはこちらに気づき、立ち上がる。一体だけならでかいなあ……という感想だけで済むが、二体同時に来られると威圧感がすごい。


 感慨に浸る暇もなく動き出したゴーレムは素直にパンチを繰り出してくる。当たると痛そう。ひょいっと避けるが、避けた先にもゴーレム。こっちもパンチを繰り出してくる。二連続でさらに回避。隅っこに追いやられそうだったので、その場からバックジャンプして壁を蹴って反対側へ。こんな戦闘機動が出来るのもステータスブーストのおかげだ。壁走りでも何でもできそうだな、今度他の機会にやってみるか。


 一体を前に、一体を後ろにという挟まれる状況になってしまった。このままでは色々とマズイ状況が浮かぶのでゴーレム片方に全力で駆け寄って、攻撃を受けて回避、再び二体を視界に入れて挟まれる事態を防ぐ。挟まれても問題ないようにするには後ろにも目をつけるしかない。


 芽生さんがカメレオンを処理したらしくこっちへ駆け寄ってくるのが見えた。芽生さんに近いほうのゴーレムの目に雷撃、注意をこっちに引き付けたままにしておく。どうやらゴーレムは視覚はバッチリあるようだが、聴覚には少々の問題があるらしい。こっちの雷撃の音と光で釘づけにしている間に後ろから芽生さんに何とかしてもらおう。


 ゴーレムがなおも迫る。攻撃、直刀で受けてみたいが壊れたら困るからな。ここはスケ剣で……いや、今色気を出すのは止めよう。変な欲を出して負傷して帰り道に不具合が出るのは馬鹿らしい。


 二体とも視覚をこちらに引き付けたまま、一体目のゴーレムにジャンプで近寄ろうとするが、こちらが足に力を貯めている間にもう一度攻撃してくるそぶりを見せた。これは回避だな。


 大人しく回避に専念し、芽生さんが一匹片付けるのを待つ。まだかな……そろそろかな……回避し続けるって言うのも結構面倒くさい。早く手を出したい。もう少し……よし、後ろのゴーレムが消え始めた。これで攻撃に回れる。回避に専念するのはもう終わりだ。相手のパンチに合わせて懐に潜り込み、足に力を溜めて飛び上がる。相手の目と同じ高さまで来たら直刀で真横に切り込みを入れて完全に目を割る。


 無事にゴーレム二体を倒すことが出来た。実際はゴーレム二体とカメレオン二匹だが、カメレオンは数に入れなくていい。本当は一人で二体相手に出来るようになりたいが、それは慣れるまで後回しにしたほうがいいだろう。ゴーレムが三体出ないとも限らないんだ。その場合ゴーレムは二体引き付けて一体は芽生さんに任せるという形になるだろう。


 その時までにもう一段階、ステータスブースト、身体強化のスキルを研ぎ澄ませておきたいな。時期的にもそろそろ来て良いはずだ。カメレオンを芽生さんに一人任せっきりの分が俺にどう作用しているかまでは解らないが、そこそこの数を狩ってきた以上、俺か芽生さんかどちらかが一段階上がる可能性は高い。


 今はまだ雌伏の時だ。落ち着いてちょっとずつ経験値を貯めていこう。さぁ次へ行こう。時間は待ってはくれない。


 その後もゴーレムを相手にしつつ道すがらに進む。どうやらゴーレムは必ず二体出てくるわけではないらしい。そしてそのまま進んでみたが、やはり俺の直感はあてになる。無事にすべての道で行き止まりにたどり着いた。最初の道は右じゃなくて左だったらしい。


「やはり洋一さんの直感はあてになりませんね」

「次回の探索が楽になったと考えて戻ろう」


 まだモンスターの湧きなおしきっていない道を少し急いで戻る。ゴーレムは湧き直しに時間がかかるらしく、帰り道はほぼカメレオンばかりだった。お小遣いが増えるので問題はないが出番がないのはちょっとだけ寂しい。俺も索敵欲しいな、もし出たら覚えようかな。


「さて元の階段に戻ってきた。まだ少し時間が有るので今度こそ下への階段を探そう」

「ゴーレム二体がどのくらい居るかを探すためですか」

「それもある。覚悟は早めにしておくに限るし、戦う回数を増やすことで戦い方も考えることができるし、明日いきなり対多戦闘になっても良いように経験を積み重ねておくことは悪くない」


 先ほどの間違えた選択肢を逆に進む。先ほどまでと同じように、芽生さんが前、俺が後ろ。ゴーレムが出るまではそのままの態勢で進む。ゴーレムが出たのでスイッチ、俺が前に出てゴーレムの相手。カメレオンが居たらそっちは芽生さんに任せ。分担がちゃんとできている今はまだいいとしておこう。


 後で苦労しないよう、三叉路はきっちり見て階段がないかどうかを確認する。ここでの地図は出来るだけわかりやすく、丁寧に描くかよりも認識しやすい地図であることのほうが大事だ。


 通路にそれぞれ配置されているらしかったカメレオンの残骸の魔結晶をぽろぽろと拾いながら、芽生さんの尻を追いかける。


 暫くすると少し広い部屋に出た。またゴーレム二体が居る。


「カメレオンは? 」

「今は居ない、あれだけ」

「よし、一対一でそれぞれ対応でいこう」


 今度は楽が出来るな。一対一でそれぞれゴーレムとの戦い方を学んで……って何か二体ともこっち来てるな。ヘイトを貯めるような行動はまだしてないはずだ。これはあれか、先に向かってきたほうを敵として認識するとかそんなんか? とりあえずひたすら回避に専念だ。一体が沈むのを待って攻勢に出よう。


 暫く二体からの攻撃を避けた後、芽生さんが片方の始末をつけてくれたのでようやくこっちも反撃に出られる。ゴーレムは先にエンカウントした方を追いかける習性がある、一つ学べたな。たまには目の強度の検査でもしてみようか。


 雷撃を一発、二発、三発。三発目で壊れた。どうやらある程度の魔法耐性も持ち合わせているらしい。面倒くさいなこれは。三体出てきたときにどうすればいいのか今のうちに悩んでおくか。三体同時に攻撃されたら流石に避けるのも厳しいだろう。


 更に道を進むとお待ちかねの階段が見え始めた。これで二十七層までは問題なく……いや、いくつか問題点はあるが地図という意味では問題なく二十七層までは行けるようになったというべきだな。


「よし、ここまで地図が出来ればあとは大丈夫。明日ゆっくり調査にこよう。全容解明は他の探索者に任せる。自分たちがたどり着ける自分たちの地図が有れば今は良い」

「そうと決まれば急いで帰りますか。ギリギリに帰るよりも余裕を持って帰りたいですし」

「時間は……ギリギリだな。ちょっとこの階層だけ急いで回るか」


 逆戻し再生をするように来た道を戻る。まだそれほど時間が経ってないおかげか、モンスターのリポップはほとんどなく、ゴーレムに至っては影も形も見えない。これは帰り道楽が出来る。出来れば上の層でもそうであってほしいな……と願う所だが、これも収入に関わるので出ないのが良いとは言いづらい。


 二十六層と二十五層の間の小部屋にもまだゴーレムは湧いていない。ちょっとしたセーフエリアがここにあった。水分を補給してから戻ることにしよう。


 二十五層に戻ると、流石に湧きなおしていた。なるはやで対応するためにゴーレムも一体だけなら相手の攻撃を待つのではなくこちらから積極的に攻勢に出る。十秒短くするだけでも、百回戦えば十六分ほど時間に余裕が出来る。その余裕を大事にしていきたいのが今日の探索だ。


 カメレオンで小遣い稼ぎをしつつゴーレム相手も一対一なら慣れて来た。そして二十五層に上がって三体目のゴーレムを倒した時、全身に新しい感覚がみなぎる。これは来たな。


「お、お、お」


 どうやら芽生さんも同じタイミングで来たらしい。ズレなく同時に来るのは珍しいな。


「そっちも? 」

「こっちもです。珍しいですね同じタイミングでステータスブーストの段階が上がるのは」


 これでもう一段階ゴーレムを楽に倒せるようになったはずだ。今はこの調子を維持しつつ無事に家に帰るまで気合を入れていくか。


 ステータスブーストがまた一段階上がったことでゴーレムは更にスローに動いて見え、目を一発で確実に割れるようになったし、二十四層へ戻った後のゴキや蜘蛛の動きも更にスローに見えはじめる。先に攻撃されることも無く一方的に打ちのめすことができるようになったのは大きな収穫だった。


 その後はステータスブーストの段階が上がった高揚感もあってか、極めて順調に探索は続き、予定より二十分早く二十一層まで上がってくることができた。


「よし、いつものアレやるか」

「やりましょう。いつものアレ」


 二人して階段の目の前に向けて全力でスキル投射。音に反応して近寄ってくるモンスターもまとめてスキルの渦に巻き込む。あーあかわいそう。スキルを打ちつつ、一瞬の切れ目を利用して範囲収納できっちり拾っていく。


 眩暈が来たところで退散。日々のノルマをこなしたところで二十一層に居る間に明日何を食べようか考える。


「芽生さんさー明日何食べたい? 主に夜」

「そーですねー。う~ん……ゆっくりできるんでしょうし落ち着いて食べるものが良いですね。シチューとかどうです」

「じゃあ帰ったら仕込みをしないとな。今日のうちに仕込んで寝かせておいて、朝温めてコクを出す」

「あーいいですねー。もうそれだけあれば十分です。お肉はたっぷりで」

「たっぷりな。野菜もちゃんと食べるんだぞ」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 正直狩りの効率を意識するなら二人しかいないとわかっているので爆音鳴らして寄ってきたのを階段側の膜?で足止めしてレッツ潮干狩りってやるのが一番稼げますよねw [一言] でもそんなことやっ…
[良い点] 27層への階段発見〜 シチューも美味しそうw [気になる点] 地震、読んでる皆さまも大丈夫でしょうか… [一言] 今日も更新ありがとうございます
[一言] 深めの階層で戦い続けてましたからねー どれくらいの強くなったんでしょうねえ
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