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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第一章:四十代から入れるダンジョン

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53:水分はこまめに適切に取りましょう

 

「使い方はちょっとだけだけど解ったことだし、地道に経験値とお金をためていこうかなと思う」

「お任せしまーす。経験値の入り方とか気になるんですけど、自分で殴った分だけ入るというかそういう路線で考えていいんですかね」

「とりあえず今は気にせず行こう。でも、攻撃しないとダメってなら荷物持ちしかしない人が永遠に弱くなっちゃうよなぁ」


 経験値分配みたいな概念もあるのだろうか。それとも叩いたら叩いただけ強くなるのだろうか。また謎が増えてしまった気がする。


「そもそもこれ、使えてる人どのくらいいるんですかね」

「案外俺たちが知らないだけでみんな当たり前に使ってたりして」

「だといいんですけどね。もし知られてないなら探索者向けの怪しげな気功教室とかダンジョン内で開いて一山当てられそうですよね」

「それもいいな」


 二人で三層を回る。全力で周回する殲滅戦法ではなく、モンスターと出会うたびに体の動かしかたを二人して確認しながら回る。そのため討伐ペースは遅めになった。頭を使い続けるので精神的にも疲れを感じやすく、適度に休憩を入れながらの戦闘になる。


  それでも一時間ほど巡って三十匹ほど狩ることが出来た。グレイウルフが十二匹、ゴブリンが十八匹だ。この間の収入は一人当たりだいたい五千円ぐらいになったか。ポーション一本出たのが大きいな。


 ちょこちょこ水分補給と糖分補給と会話を挟みつつ休憩する。


「熱湯持ってきてここでカップ麺食べられるんじゃ?」

「ダンジョンの真ん中でできたてのカップ麺食ってたら奇異の目で見られそうだ。あさま山荘事件じゃあるまいし」

「でも実際、バーナーと水持ち込んで中でカップ麺食べてる人は居ますよ。前に清州行ったとき見ました」

「食に対する執念は凄いね。対する食がカップ麺というのがあまり風情が無いけど」

「どっかのスーパーでお弁当買いこんでくるという手段もありますが」

「そういえばゴミってどうなるんだろう。今度やってみよう」


 一人で考えるより二人で考えるほうが意見がまとまりやすいし、気づきもある。またスキル検証が捗りそうだな。


「ゴミはゴミでは?」

「可燃物とか不燃物とかプラスチックゴミとか粗大ごみとか乾電池とか、それぞれカテゴリ分けされてゴミとして認識されるのか、それとも弁当(空箱)みたいに一つ一つ丁寧に区分けされるのか」

「うわぁ、面倒くさそう」

「各区市町村によってゴミの分別方法って違うんだけど、それに対応してくれるのかどうかとか」

「御自宅周辺のごみ収集状況まではさすがに配慮してくれないんじゃないです?」

「解らん。前に小分けした小麦粉をそれぞれ別に入れたことがあるんだけど、容器に包んであれば固有のカウントとしてみなされたし」

「空き缶だったら銘柄ごとにカウントされる可能性も……」

「放り込むのはいいけど出すのは面倒くさそうだ」

「試してみよう」


 カロリーバーを二種類別の味のものを胃に流し込むと、保管庫に収納する。

 人が居ないとはいえ人の目がある可能性を考慮して、いつも通りバッグ経由だ。


 カロリーバー(空) x二


 銘柄は区別しない可能性があるな。となると、次は……


「五百ミリリットルのペットボトルもってたりしない?」

「空っぽの物なら」

「それちょい貸して」

「舐めたりしないでね」

「するか!ちょっと試してみるんだよ」


 早速放り込んでみる。


 ペットボトル(五百ミリリットル・空) x一


 次に腹がタプタプになるのを覚悟して、二リットルの水を流し込む。なんとか胃袋に収めきると、空を保管庫に入れてみる。どうなるかな。


 ペットボトル(二リットル・空) x一

 ペットボトル(五百ミリリットル・空) x一


「空は空としてカウントするみたいだな。大きさもそれぞれ別でカウントするようだ」

「それ、リスト表示のほうが大味で、実際は違うものを同じとしてカウントしてる可能性は?」

「その可能性は今後考えて……いや、家に帰って試せばいいか。形状の違うペットボトルをいくつか用意して、全部空にして放り込んだ時にどうリスト化されるのか試せばいいんだ」

「外箱と内袋と小分け袋が存在する場合は?」

「考えたくない、というかそんなややこしいものまとめて入れたくないな」


 いっそのことゴミと認識したものはゴミとして判定してくれればいいのに。いやそれだと、ゴミだと思ったものが実は大事なものだったりする時に取り出せなくなるな。

 その辺スキルは何処まで応用を効かせてくれるんだろう。いっそのこと、ゴミ箱を設置してその中に入れたら消える、みたいなことをしてくれたら楽なんだが。


「腹が……」

「二リットルも水分取るからですよ。その辺に零しちゃえば良かったのに」

「その手があったな……貧乏性がうらめしい」


 己のステータスに、消化吸収を早くしてくれと念じてみる。胃内部の化学反応を加速化し、速やかに十二指腸まで行き届かせるイメージを腹の中に送り込む。


「何してるんです?」

「消化が早くなるように念じてる」

「トイレ近くなっても知らないよ」

「それも困るな……やめとくか」


 水が吸収される間、多少の時間文月さんに前衛任せてゆっくりする。ゴブリンが同時にかかっていかないように後ろからパチンコ玉を飛ばすだけのお仕事だ。


 これって一般的な拳銃と比べてどのぐらい威力に差があるのだろうか。パチンコ玉一発でゴブリンは倒れていく。


「楽な仕事でいいですね。後ろから玉弾いてるだけって」

「弾切れ起こしたらおしまいよ」

「それまでに腹具合何とかしてください」

「努力します」


 がんばれー文月芽生、俺の腹具合は君に掛かっているぞ!しかし、腹いっぱいに水分入れてジャンプすると、本当にたぽんたぽん言うのな。ちょっと面白い。あ、吐き気が












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― 新着の感想 ―
文月さんの好感度がどんどん低くなるんだが… 安村氏がそんなキモいことすると思ってるなら近寄ってくるなよ。 会話のノリで言ってるなら最低だしそんなに弱くないみたいなのに寄生してくるのも最悪。 好きになれ…
[一言] 吐く時は虹色にしてください。
[気になる点] 水は消化されるわけではなく大腸から吸収される…ってことを安村のおじさんはよく知らないのかもしれない [一言] そういや俺も安村のおじさんと同じ40代だった!
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