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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第六章:盛況小西ダンジョン

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496:この廃墟にまともな地図を 1/4

 気持ちのいい朝を迎える。涼しく、心地よく、快適で、いい匂いのするいつもの朝だ。昨日一日スキルを鍛える間の疲れは取れたようだ。ありがとうダーククロウ。


 いつもの朝食を食べ終えると着替えて洗濯機に放り込み、その間に昼食の準備を進めることにする。今日も芽生さんとダンジョンに潜る。食事の準備は昨日のうちに半分ぐらいは済ませてしまっている。なので実際に今日やる行程はパスタを野菜とまとめて炒めるぐらいだ。


 パスタの乾麺を水に漬けておくことで茹で時間を一分ぐらいまで短くすることができる。最近知った時短レシピだ。茹で時間を短縮できることは悪くない。短い待ち時間で他の材料を用意してフライパンで炒める準備をすればいい。


 ざっと茹でられたパスタをどけて、しっかり水を切ると炒めている途中の野菜と和えてもう一炒めする。また三人分ぐらいの量が出来上がった。味見をし、悪くない事を確認。これで足りなかったら追加で何か肉を焼けばいいな。


 洗濯物を干して出かける準備はできた。コンビニでお菓子と飲み物を少し補充すれば完璧か。今日こそ二十二層の階段見つけてみせるぞ。


 万能熊手二つ、ヨシ!

 直刀、ヨシ!

 ヘルメット、ヨシ!

 インナースーツ、ヨシ!

 防刃ツナギ、ヨシ!

 安全靴、ヨシ!

 手袋、ヨシ!

 飯の準備、ヨシ!

 冷えた水、コーラ、その他飲料、ヨシ!

 嗜好品、途中で買うからヨシ!

 枕、お泊まりセット、ヨシ!

 ドローン、ヨシ!

 バッテリー類、ヨシ!

 保管庫の中身……ヨシ!

 地図の用意、ヨシ!

 その他いろいろ、ヨシ!


 指さし確認は大事である。家を出てすぐのコンビニでお菓子と飲み物、と、なんかのコラボ企画でお菓子を買うとおまけが付いてくるらしいが、ミルコはそういうのに興味は無さそうだし俺も興味はないのでもらわずに買うもの買って店を出ると一直線にダンジョンへ向かう。今日のおやつはジャガイモを棒状にして揚げたようなお菓子だ。きっとサクサク感がたまらないだろう。


 行きのバスで芽生さんと合流。最近バスでよく会うな。時間を合わせるようにしてくれてるのかな。


「おはようございます、昨日は一日ゆっくりしてましたか」

「おはよう、昨日は一日気絶したり起きたり忙しかったよ」

「それ、大丈夫なんですか? また何か無茶なことしてません? 」


 話を聞いて芽生さんが少し呆れるような顔をしている。またこの人は変な事をしている……とでも言いたそうだ。


「寝る態勢のままスキルを限界まで使ってぶっ倒れてそのまま睡眠に入るという修行方法を思いついたのでそれを実践してた。修行の効果はあったよ」

「そんなに効果てきめんならもっと前からやればよかったと? 」

「それもあったかもしれないなぁ。思いついたのが一昨日だから特にやる事の無い休みの日はこれに費やすのもいいかもしれない」


 実際、思いつかなければやらなかった訓練方法だし、あの気持ちのいい布団が無ければもっと消耗が激しかったかもしれない。やはり布団が有るからこその育成方法なんじゃないだろうか。


「スキルを鍛えてて何か目標でもあるんですか? 」

「目標か……目標は特にないけど、より早くより多く同時に動かせるようになっておく事に越したことはないなって。後はそうだな、今百分の一単位の経過時間が二百分の一になるかもしれないし。それと出来るようになって欲しい機能としては、物品によって経過時間が変わるようになって欲しいかな」

「家で作ったお弁当は百分の一で……百倍にして何か得になるようなものありますかねえ」

「今のところぱっと思い浮かばないけど料理の時短が出来そうなのは便利かなって」

「う~ん……まあいいです。何か洋一さんが思いついたときにそれが実行できるような環境があるのが大事なような気がしますし」


 理解力のある相棒で助かる。トライアンドエラーを繰り返すだけの環境を事前に用意できていればいつでも思い付きを試せる。いまのところでは保管庫全体に対して時間経過をまとめて変更する事しかできないが、これが個別に設定できるようになれば出し入れの手間が無くてよりいろいろなことが試せる。その為のスキル理解、その為のスキル育成。


「何にせよ今後に期待しておいてくれ。面白い事が出来るようになったら教える」

「洋一さんが言う面白い事って大体とんでもないというか、私の理解の範疇を超えてるというか……まあいいです、今後に期待しておきます」


 バスがダンジョン前に着き、いつも通り日帰りで入ダン手続きを申請。今日は一日二十二層で階段探しとしゃれこもう。時間はある、余裕も出て来た。今日中に階段を見つけられるといいな。


 ◇◆◇◆◇◆◇


 到着した二十一層に人影はなし。相沢君達も今日は居ないのかな。一組たどり着いたって事はそう時間かからず後続組が続々と到着する事になるだろう。


「到着~っと。誰も……うん、誰も居ませんね。敵性反応も味方反応もありません」

「索敵便利だなー。俺も欲しくなってきた。ちなみにお値段六千万円」

「私も一億を超える女になりましたか。これでパーティーから脱退する時の移籍金も分捕れますね」


 芽生さんがクネッとせくしーらしいポーズを決めている。そっちの理由で一億を超えてるわけじゃないんだけどな。


「おや、フリーエージェント宣言する予定でもおありで? 」

「今のところは無いです。現状が一番楽が出来ていますから。荷物とかご飯とか色々」

「ちなみに今日のご飯は野菜多めパスタだ。炒めてすぐに保管庫に放り込んだからまだくっついてないと思う」

「最近野菜多めがトレンドですか。美味しいから良いですけど」


 早速マウンテンバイクにまたがり二十二層入り口へ。そして階段を下りてまず階段周りの掃除から始める。


「さて、今日はどっちへ行こうかな。階段から広い道へ出るのはもう道が解ってるので、まだ解ってない所を巡るか、それとも広い道に沿って歩いて全体図を確認するのが先か」

「どっちにしろ私の出番は多めですね。蜘蛛もゴキも平たいおかげで建物の隙間に挟まってたりしますし、それを確実に見つけるには索敵は必要不可欠です」

「働きに期待してる。後、今日一日二十二層に居ればきっと査定金額記録も更新できる。楽しみだな」

「それも楽しみですね、気合入れていきましょう、ヨシ」


 金が絡むと元気になるなこの娘は。数日前ビビり散らして動けなくなっていたのは誰だったか。


 いつもの手順に基づいてまずは一匹ずつ来そうな奴を釣りだして雷撃で痺れさせて芽生さんがトドメ。止めを刺してる間に次のターゲットの方向を教えてもらってそっちにパチンコ玉をブン。また出て来たモンスターを雷撃してトドメ。


 雷撃が欠かせなくなってきたのが攻略難易度の上昇分という感じだ。今のところまだ余裕はある。一度に大量に来られると十層みたく手数不足になるが、今のところ二匹三匹相手にするだけなら問題ないだろう。ただ、二十二層で一から三匹の相手をするって事は次の階層では三匹一グループなのは避けられないという予想を立てておく。


 三匹以上まとめて襲ってくる場合一匹は雷撃で感電させて動きを鈍らせるか、瀕死状態にして寝かせておく、もしくは手早く倒して次の一匹に向かうという手順になる。今のところその余りを担当するのは俺になっているが、四匹が相手になったら芽生さんにも担当が回る。索敵があるおかげである程度任意のタイミングで休憩が取れるようになったので眩暈を起こすことも無く休憩できるようになったことは嬉しいところ。


 芽生さんのほうを見ると、索敵で指で方向を指しつつ、釣り出してきたモンスターを片っ端から殴り倒している。元気があってヨシ。


 一匹ずつ釣りだすゾーンが終わったところで広い道に出た。午前中は広い道沿いに全体の広さを見ることを主軸にしていこう。午後には真剣に戦う必要が出てくるんだ、それまではゆっくりこの寂れた風景を楽しみながら歩くとしよう。


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― 新着の感想 ―
[一言] 時間を個別に加速させられるのならワインとか寝かせると美味しくなるお酒を加速させたいなぁ。
[一言] 僕の考えた最強の保管庫シリーズ: ・保管した物の情報化と記録 ・(魔素を消費して)複製  ←保管庫内の魔石を消費
[一言] ゴキへの忌避感を上回るモチベを生み出せるのなら金銭欲も悪くないですね
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