494:二度寝? いいえ気絶です
おはようございます。今日も気持ちいい朝をありがとうダーククロウ。
今日何をするかは大体覚えているので、まずは朝食だ。さすがに肉じゃがは残っていない。いつものトーストと卵焼きと適当に刻んだ野菜。今日は気分的にキャベツ以外にもピーマンを刻んでごま油と和えたら軽くレンジで温めよう。
予想外に美味しく出来たピーマンのおかげで食が進み、トーストをいつもより一枚多く食べた。食後のコーヒーを楽しんだところで、昼食の事を考えるか、それとも早速スキル実験をするか。スキルの実験で体調崩して飯どころではなくなるかもしれないからあらかじめ作っておくなり買いに行くなりしておいたほうが良いな。
昼食は野菜大盛パスタの予定だった気がする。早速作るとするか。味付けはちょっと和風に醤油バターにして、その醤油バターで野菜を炒める。ニンニクはチューブの物を使う。ダンジョンに持っていくときはニンニクは抜きにしておこう。匂うしね。
パスタをざっと茹でたら軽く炒めておいた野菜と絡ませて終わり。野菜はしんなりしているので火は通っているだろう。後は……食べるときにまた考えるか。皿に盛ってそのまま保管庫へ入れておく。
さて、昼食の用意は出来た。早速保管庫の稼働について調べて行こう。突然気分が悪くなったり倒れたりしても良いように、横になった状態で行う。
まずは解りやすく数で攻めていこうと思う。ベッドに横になった状態で、バードショット弾をまとめてではなく一個ずつ出すイメージで連続でバラバラと出していく。数はいっぱいあるから気にせずに出していく。手のひらから出続けるバードショット弾。俺にだけ見える脳内ウィンドウで個数がどんどん減っていく。
やがて三百個を超えたあたりで軽いめまいがし始めた。眩暈が来るまでにかかった時間は三分。三分間で三百個取り出すと、地上では眩暈を覚えるらしい。次は収納だ。一粒ずつバードショット弾を格納していく。今度は五十もいかない間に再び眩暈。
今日はひたすらこの眩暈を受け続けよう。なんだか体にも心にも悪そうだが訓練と思えば使い続けられる。眩暈を起こしすぎて倒れても良いように横になってるんだし今日は一日休みで、飯はもう作ってある。寝巻のままなので寝る準備もヨシ。ならばあとはひたすら保管庫を使い続けて倒れてしまえばいいのだ、ふははは。はは……は……
◇◆◇◆◇◆◇
どうやら眩暈を起こしすぎて気絶していたらしい。ベッドの横には取り出した後収納されないままのバードショット弾が散乱している。時刻はお昼どき。何時間繰り返していたのかは覚えてはいないが、眩暈を起こしすぎてぶっ倒れた事に違いは無いらしい。あらかじめ寝る態勢になってた俺グッジョブ。
まずは片づけるか。もう一回、一粒ずつ丁寧に保管庫に格納していく。気を失っている間に眩暈は問題なくなったのか、全て片付け終える前に眩暈が来ることも無かった。
寝間着のまま、昼食を食べる。連続で何個ぐらい行けるようになったんだろう。食べて休憩したらもう一回計測しよう。一日二日で劇的に増える、という可能性は低いだろうが寝る前の訓練として日々に取り入れていくのは悪くない手だと考える。
毎日気絶するように寝ても朝には気持ちいい目覚めを体感すると共にスキルも強化されて行く。これだな。疲れてない時は毎晩行っていこう。
昼食を食べ片づけをしたところで、引き続きスキルを鍛えていく。その為には夕食の確保が優先だ。とりあえず全身のチェックをして異常がない事を確認する。何か作るか、何か買いに行くか。コンビニ飯で良いか。サラダと何か、二品ぐらい見繕って買い物を済ませると夕食の準備は出来た。午後からもひたすらスキルを使って行こう。
スキルを使うと言ってもさっきと同じだ。寝たままの状態でまた一粒ずつ確認しながら連続でバードショット弾の出し入れを行う。今度は一粒出して一粒仕舞うのを高速で行っていこう。右手からバードショット弾を出し、すぐさま左手でバードショット弾を仕舞う。
横向きに寝ながらそれを続ける様は無限噴水を思わせる。せっかくならそれにしてしまおうと、左手から緩い速度で射出し、右手で受け取るフリをして収納。中々に不思議な光景を見せてくれる。後はこれがどれだけの速さでどれだけ続けられるかを計測する。タイマーセット、開始。
結果は五分ほど続けることが出来た。そのぐらいで段々頭がぼやけて来たのでいったん止めて、水を飲む。さっきよりは成長してるんだろうか。そういえば保管庫ってダンジョン内で同じことやるのと地上で同じことやるのでは成長度合いが変わったりするんだろうか。
その辺も含めてまだまだ検証が必要になるな。初めて保管庫で眩暈を起こした時は二百個同時に操ろうとしたんだったかな。それに比べれば成長しているのかどうか確かめるのもいいかもしれん。
少し何もせずに横になって、そろそろ体調も良くなってきたであろう時間になったら一気に二百個単品で出してみることにする。すると、眩暈を起こさずバードショット弾が散らばった。本当に二百個あるかは解らないが、保管庫からその分の数減っているので間違いなく出たんだろう。
回収が楽にできるように布団の上に散らばらせたので、布団ごと回収して布団を取り出す。これで綺麗にバードショット弾だけを回収する事が出来た。
ふむ……以前よりは、いや、地上でこれだけ出せるんだからダンジョン内ならもっと複数個同時に出すことはできるだろう。確かに成長はしているな。レベルアップしたという音声が脳内に流れる訳ではないので実測値で感じるしかないが。
間違いなく成長はしてると考えたところで、ふとゴブリンキングの角を取り出す。取り出した角を小西産、小西産……と念じながら保管庫に仕舞う。
ゴブリンキングの角(産地:小西) x 一
ちゃんと脳内には小西産として判定された。普通に取り出して、もう一度何も考えずしまい込んでみる。結果は変わるのだろうか。
ゴブリンキングの角(産地:小西) x 一
一回条件付けをするとそのまま反応してくれるらしい。便利だ。一段階スキルがレベルアップしてくれたような気がする。今日一日スキルアップに勤しんだ甲斐があったというものだが、同時に昨日同じ現象が起こっていてくれたなら初回分のゴブリンキングの魔結晶を査定に出す必要も無かったのでは? と残念がる。
ここは、アレがあったからこそ今スキルの成長を促すべく頑張っているんだと逆に自分を励ます方向にもっていこう。何事も心の持ちようが大事だ。さて、続きをやるか。途中で気絶しても良いように横を向いて、右手から左手に向かって自然落下で……今度はパチンコ玉でやってみるか。パチンコ玉を落とし、左手に触れた分を収納する。
出来るだけ早く、できるだけ正確に意識しながら収納と取り出しを繰り返す。このトレーニングをもう一度やってみる。一日二日でそうそう効果があるものだとは思わないが、やらない努力よりやる努力だろう。腹まで布団をかぶると再びトレーニングに集中し始める。
◇◆◇◆◇◆◇
気が付けばまた気絶していた。両手は重なっていて、その間に数個のパチンコ玉が挟まっている。意識を失うとちゃんと保管庫の出し入れも止まるらしい。やはり意識的に物を出し入れする必要はあるんだな、と再認識できた。
時間は……まだ夕食にも早いな。ここはもう一度気絶しておこう。
◇◆◇◆◇◆◇
気が付いた。また気絶していたらしい。こう一日に何回も気絶と覚醒を繰り返すと体に悪そうな気もするが、眠って精神力を回復しているだけだと思うので結局ダラダラと一日寝て過ごしているのとあまり変わらなくて、スキルの成長だけが進んでいるという状態になっているだろう。常住坐臥ダンジョンの事を考えているとても熱心な探索者という事にならないだろうか。ならんか。
ちょうど夕食を食べるのに良い時間になっていたので夕食を取る。合計三回の気絶、一回気絶するとダーククロウ布団換算で三時間ほど回復に時間がかかるらしい。気が付いたら気絶しているのでどれだけの数、どれだけの時間出し入れを継続出来ていたのかは解らない。徐々に間隔が長くなっているのだけは解る。
明日は今日と同じレシピの物を作るのでそんなに手間はかからない。パスタを水に浸して冷蔵庫に入れて明日の朝すぐに調理にかかれるように時短準備をしておく。風呂を沸かしておくと早速もう一度実験だ。今度は眩暈が来るまでの時間を測定して、ぶっ倒れる前に止めよう。
結果、五百個ほどの出し入れをしたところで眩暈が来た。今日一日でかなりの経験を得ることが出来たのではないか。良い感じだ、毎日眩暈がするまでやってもっと利便性を上げよう。後は他に試してない事も色々ある。中身を全部出して時間を変えて……というのは次回以降の課題として残しておこう。忘れないよういつものメモ帳にメモっておく。
後は風呂に入って……試しに風呂の水全部収納で抜いてみた。百六十リットルほどのお湯が保管庫に格納されている。指先からチョロチョロと出したり、掌からまとめてドバっと出したり、出し方は色々考えられるな。しかしジャイアントアントの酸の例もある、液体は扱いを慎重にしていこう。
風呂にゆっくり浸かり……そうだ。ちょっとやってみよう。湯を腰ぐらいまでの高さになるまで収納して、頭の上から取り出す。セルフ打たせ湯だ。これはちょっと肩が気持ちいい。訓練にもなるのでちょうどいいな。たまにやろう。
風呂から出ると再び寝間着を着て寝る。今日はほぼ一日寝巻のままで過ごしたな。たまにはそういう日があってもいいだろう。さて、一日の終わりぐらいは普通に寝よう。明日もダンジョンに行くんだ。出来るだけの疲れは取っておかないとな。
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