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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第六章:盛況小西ダンジョン

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474:始める地図埋め

 煩わしい太陽が今日も家に向かって日差しを叩きつけてくる。しかし冷房のおかげでそんな事は何ともなく、更に布団で気持ちよさもアップ。今年も暑いがもう少し乗り切ればいずれ気温は下がっていくだろう。


 おはようございます。今日も気持ちいい目覚めをありがとう。念仏は毎日心を込めて唱える事が重要だと昔法話で聞いた覚えがある。何回唱えるかも大事だが、一念に込める思いも無下にしてはいけないという。


 よって俺は毎日一回念を込めてお礼を言う事にしている。そして今日の分は礼を言い終わったのでいつものルーティンをこなす。


 朝食を食べて昼食は……今日はボア肉でなんか作るか。醤油ベースで豚丼の具を作ろうか。汁が多めのお肉たっぷり豚丼。うん、胃袋もそれが良いと反応したな、それでいこう。


「今日は潜る? 」芽生さんに念のため連絡をしておく。食事を用意するかどうか聞いておかなければ。

「今日は無理。明日は行ける」明日は来るらしい。明日は二人分の昼食だな。


 玉葱を薄く切って、醤油、砂糖、だし汁と一緒に煮込み、ほどほど玉葱が煮えたところでボア肉を投入。硬くなり過ぎない程度に肉が煮えたらレンチンしたパックライスをタッパー容器に移して上にかけて完成、さっそく味見をする。うん、悪くない。


 今日はまず七層へ行って茂君した後、二十一層を回る事にする。往復分の魔結晶の在庫は二往復分ぐらいはある。今日は二十一層をぐるっと散策して、地図作りをある程度終わらせておこうと思う。二人で地図作りをのんびりとするのもいいが、一日かければそれなりの広さを把握できるだろう。


 建物にはそれぞれ高さが有るので上り下りばかりするのはきつい。二十層への階段からエレベーターホールへの間の地図だけでも完全にしておきたい。もしかしたら見落としがあってそこに階段があるかもしれないからな。まだまだ二十一層は未知に満ち満ちている。


 とりあえず向かうか。茂君……いや、六層を一往復して魔結晶を少しでも多く集めておいて、そのままエレベーターにガチャガチャと放り込もうか。何が何個あれば一階層分になるかはもう大体わかってるんだ。保管庫の中の魔結晶を整理する意味でも、ワイルドボアとダーククロウから出た分の魔結晶をそのまま放り込んで足りない分をジャイアントアントとスケルトンで賄う。そういうルートで行こう。


 机は背中に背負い、これから設置しに行きますよという雰囲気を出しておく。二十一層へ誰かが到着した場合、受付嬢に俺が運んだという目撃をしておいてもらうためだ。こういう細かいほつれからスキルがばれる事もある。念には念を入れておこう。


 万能熊手二つ、ヨシ!

 直刀、ヨシ!

 ヘルメット、ヨシ!

 インナースーツ、ヨシ!

 防刃ツナギ、ヨシ!

 安全靴、ヨシ!

 手袋、ヨシ!

 枕、ヨシ!

 嗜好品、ヨシ!

 お泊まりセット、ヨシ!

 冷えた水、コーラ、その他飲料、ヨシ!

 飯の準備、ヨシ!

 ドローン、ヨシ!

 バッテリー類、ヨシ!

 保管庫の中身……ヨシ!

 机、椅子、持ち込む物、ヨシ!

 その他いろいろ、ヨシ!


 指さし確認は大事である。今日はほとんど狩りは行わない。というか六層を半往復してそれだけで終わるはずだ。その後二十一層で飯、飯食ったらゆっくりと時間をかけて二十一層の探索をしていくぞ。


 ◇◆◇◆◇◆◇


 小西ダンジョン到着、受付で日帰りを申し出る。受付で探索者証を片方渡し、Bランクに昇級したことを確認される。


「Bランクおめでとうございます。これで堂々とトップパーティーを名乗れますよ」

「そういうのにあんまり興味はないんですが……とりあえずありがとうございます。今日はほとんど狩りはしない予定なのでリヤカーも出番は無いですよ。明日は解りませんが」

「それはちょっと残念ですね……で、背中の荷物は一体?」


 少しバッグからはみ出している机に関して疑問があるらしい。


「ちょっとこれを設置しに行ってきます。有ると色々便利なので」

「そうですか……お気をつけて」


 不思議そうにしているが使うから持っていく、それだけだ。


 黒字化を達成したとはいえ、トップパーティーが狩りもせずにダンジョンをうろつくのはもったいないと感じるらしい。俺もちょっともったいないとは思うが、今後の為だと割り切る。


 早速ダンジョンに入るといつも通りエレベーターホールに向かい、まず七層へ。七層へ到着すると六層をぐるっと半往復してボア肉と魔結晶、それから茂君一回分ほどまではいかないが一定量の羽根をチャージする。この時間帯にはまだ六層には誰も居ない。俺以外にダーククロウを狙う人がいたとしてもまだ到着していない。タイミングが良かったな。


 七層へ下りたらそのまま裏へ行き、エレベーターを再度起動。先ほどの戦闘で手に入れた魔結晶を適当にジャラジャラと放り込んでいくと、適当なところで二十一層のボタンが点いたので押す。残ったのはワイルドボアの魔結晶が六つ。今日の収入はこれだけか。いや、帰りの分があるからこれも消えるな。革が四枚とボア肉が十四個。これだけが今日の収入になる予定だ。もしかしたら帰りにもう一回茂君に立ち寄って増える可能性はあるが、状況次第だな。


 エレベーターが二十一層へたどり着く。廃墟だ。一体何処の廃墟を参考に作られたかははっきりとしない。きっと、滅んでしまったという文明のとある街の一角を切り取って持ってきたのかもしれない。


 コンクリートが使われているであろう建物の、その廃墟の中でも一番背の高いビルディング……でいいのかな。とにかく建物の半地下にエレベータールームはある。エレベーターを出たところに、机と椅子を設置。足元にはペットボトルの水分を二箱。机の上にノートとボールペンを置く。


 ノートの最初のページに「水は非常用です。ヤバい時に使ってください 安村」と書き記しておく。


 正直エレベーターが出来ている以上、やばかったらさっさと一層まで戻って水分を補給するほうが良いのだろうが、もしもという時もある。ここにある事が大事なんだと自分に納得させておく。


 そのまま半地下から階段を上っていき、最上層の一歩手前、ギリギリ天井がある所にテントが二つ。俺のと芽生さんのだ。そこにも水は置いてあるが、テントの中に入れ込んであるので盗難とか勝手に飲まれる心配は今のところない。というか自分たち以外に二十一層に到達したパーティーはまだ居なさそうである。


 二十一層まで潜れるようになった以上、手持ちの地図をギルドに渡して更新してもらう事も必要だろう。それは帰りに考えればいいや。今は二十一層の地図を埋め始めることを優先しよう。


 とりあえず、六層を歩き通した分の休憩を取りつつ、少し早めのお昼ご飯としゃれこもう。さっき作った汁多めのボア丼を食しつつ、机の上に二十一層の地図を広げる。二十層の階段の位置と、ここエレベーターホールのある建物への順路だけは詳細に示されているが、それ以外は手を付けていない。


 手を付けるチャンスはいくらでもあったのだが、ここ一ヶ月は芽生さんのストレス解消用に二十層をひたすら回っていたため、完全に後回しになっていた。そのかわり二十層の地図は余計なところを含めて完成している。雑感では、十七層と十八層を如何にして攻略してくるかが十五層以降の攻略の鍵ではないかと考える所である。


 スタート地点からの視界外のオブジェクトを見つけてどうやって見つけてくるか、そしてどうやって帰るか。ドローン以外にも模範解答があるなら教えて欲しいところだな。


 とりあえず他の階層の事は置いておくか。二十一層のどこに下り階段が有るか、それが大事だな。半地下と次の層へ下りる階段と見間違えている可能性だってある。これは二十二階層以降の探索もそれなりに厄介だが、やりがいはある気がする。出てくるモンスターがゴキなことを除けばストレスは感じずに済むかもしれない。


 ただ、閉所戦闘……つまり建物の中や階段での対応をどうしていくかがカギになるだろうな。いつもならそれなりの広さがある場所での戦闘だったが、この廃墟マップだと極端に狭いところがいくつか見受けられる。逃げ場がないところだってある。そこで蜘蛛に糸でも吐かれたら……と、攻略法を見つけ出す必要があるな。


 飯を食い終わったところでおやつタイムだ。保管庫からおやつを出すと適当に並べておく。今日はチョコがけポテチの白黒とロイヤルミルクティーをチョイスしてみた。


「ミルコ、お土産だよ」

作者からのお願い


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― 新着の感想 ―
[良い点] 毎日の更新有り難うございます m(_ _)m [一言] チョコがけポテチ 意外と美味いよね (¯﹃¯*)
[一言] ゴキは探知系、蜘蛛は罠系とかスキルなんかありそうだなぁ よその子が来る前にオーブ乱獲考えないとw
[一言] 注意しすぎて損は何もないですからね うっかりでバレるのはもう避けたいですわな
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