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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第五章:自由を求めて深層へ

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423:毛と肉 1/2

 十七層へ下りた。マップはガラッと変わって草原。ここのマップは風が吹くんだよな。風があるって事は気圧差があるって事だよな。つまりどこかに気圧の高いところがあって低いところがある。気圧差があるなら湿度差もあるってことだろうか。


 多分フレーバーで風が吹いているんだとは思うが、そういう重箱の隅は時々つつきたくなる。そんなことを考える余裕が生まれているという事か。それはそれで悪くないな。


 とりあえず下りてすぐにモンスターは居ない。階段周りを見回すと、丁度進行方向に当たる東北東にバトルゴートの姿。しかも二グループ。これはあれか、道順を教えてくれているのか。おーいこっちだよーこっちは十八層だよーという事か。多分無いな。


「モンスターの居るほうに行けばとりあえず方角あってるっぽい」

「ぽい……ってそれでいいんですか」

「実際俺の手元の地図と方位を確認するとあっちであることは間違いないんだ。それを信じよう。もしかしたら正しい方向順にモンスターがリポップしているかもしれないぞ」

「とりあえず従ってみましょう。どうせ何もしないよりはモンスター倒したほうがお金になりますし」


 バトルゴートが居るほうへ向かう。いつもの距離に入るとこちらに向かって走り込んでくる。雷撃を両方に打ち込み、スピードが下がったところで横へ避けて直刀を突き立てる。一旦突き立てた直刀を真横に引きヤギさんを掻っ捌く。本来なら内臓を避けるようにしないと汚染されて食べるに食べられなくなるだろうが、食べる訳ではないので気にしない。


 多分今取れる手順ではこれが一番早い。雷撃の威力が上がれば雷撃だけで倒せるようになるだろうしそれがベストだろう。


「うん、気分は楽になってきた。最初の頃あった妙な威圧感みたいなものは無くなってる。慣れてきた証拠か」

「そんなにプレッシャー受けてたんですか」

「出来るだけ気楽に手順を少なくして最小限の力で探索をしたい。それがうまくいくまではプレッシャーは続くかな」

「さすがに慎重過ぎませんか? まだ三回目か四回目のトライとはいえ数十回は戦ってますしまだ一ダメージももらってない相手ですよ。もしかしてゲームでも自分の防御力が相手の攻撃力を上回れるまでレベル上げ繰り返すタイプですか」


 何で解ったんだ……この子エスパーだったのか、怖い怖い。


「ほ、ほら、軽装二人組だし防具らしい防具つけてないし。ゲームで言えば回避できなきゃ大ダメージよ。そこを重視すると素早さで上回れる場所が狩場という話になるでしょう? 」

「それはわかりますが……もうちょっと気を大きくしても良いと思います」

「とりあえずここはもう大丈夫だから、ほら行こう、友達が二十一層で俺達を待っている」


 誤魔化しつつ目の前にいるさらに次のバトルゴート二匹と戦う。戦い方はさっきと同じ、雷撃撃って突進威力を落として体力を削り、その後刺す。シンプルに戦って勝てるのは大事。ダメージを喰らわないのも大事。雷撃で突進威力を落としてる今なら盾で防いでその隙に直刀を差し込むという事も出来る。


 手段は多いに越したことはないが、一番楽な手段に持ち込むほうが負荷が少ない。今から何戦するか解らないが、休憩するなら階段だろうし、そこまで持つだけの体力と精神力を保持していこう。


 スキルのほうは歩きながらでも回復する事が解っているし、戦闘の時だけ使うようなスタイルにすればいいだろう。ステータスブーストも同じくだ。


 方位に従って進むと、行き先にレッドカウが作り上げたミステリーサークルが見える。その手前にバトルゴートがまた二グループ。ここは二匹一セット固定らしい。三匹グループは出ないようだ。前に十八層へ行った時も三匹連れは居なかったと思う。その分出現する密度は高かったが、十九層からはどうなるんだろうか。


 戦闘を挟みつつ東北東方向へ進んでいく。多少の連戦にはなるが疲れがじりじりと来るほどではなく、突然負荷がかかるような事もない。十七層は安全圏になったか。落ち着いてバトルゴートの集団を倒すと、少しだけ間隔が空いてレッドカウとの対戦になった。


 そういえばレッドカウにはまだスキルを打ち込んだことはなかったな。ちょっと試してみよう。レッドカウが金棒を振り回している間に雷撃。レッドカウの金棒はちゃんと金属っぽい何かで出来ているのか、金棒に雷撃が直撃し、レッドカウは金棒を落とす。これはチャンスと斬りかかり、いつもより短い時間でレッドカウを倒すことが出来た。これはいいな。


 これは草原マップでは【雷魔法】が大活躍する予感がする。十三層から十六層までまともにダメージが通る相手がいなかったので、ここぞとばかりに大奮発していこう。


 三十分ほどモンスターを相手にしながらまっすぐ進み、ここらで一度確認しようとドローンを飛ばして周囲を確認する。若干北方向にズレたが、おおよその方角は合っていたようだ。ドローンでは見えるが肉眼では見えないギリギリの範囲に階段が見えた。階段までにはやはり何体かのモンスターがお目見えしている。


「こっから東、多分十五分ぐらい。大体方向は合ってたって事になるな。俺の方向感覚もそう悪くないらしい」

「そういえば直行するのは二回目ですがよく覚えられますね。目印らしきものはかなり遠いですのに」

「さすがに何もない事に慣れ始めて来た。俺がダンジョンマスターだったらサバンナと草原の代わりに湿地と砂漠にしてるところだ」

「砂漠もオブジェクト何も無さそうですけど」

「風化した石とかサボテンとか配置してやるんだ。サボテンが固まって生えてる本数が一本ずつ増えていくとか……いや、それ今と何も変わらんな。もっとなんか……こう……」

「想像力不足ですね。ダンジョンマスターもそれなりに苦労している事が何となく伝わりました」


 ダメ出しをされてしまった。モンスターはランダムにポップするとして、ただ無秩序にオブジェクトを配置するだけでは迷う選択肢を与えるだけだから、明らかにこっちですよーという……あ、それサバンナマップだわ。


「マップ作りというのがとても大変なことがよく解った。そしてかえって迷宮マップが作り込まれている理由も解った。外側の壁と階段と階段の間さえ作ってしまえば比較的簡単に作れる。行き止まり作ってそこまでの道作って、小部屋で広さをカバーして埋めて……」

「スタートとゴールが限られてる分作りやすい、と」

「多分そんな感じ。かといって全マップ迷路にするわけにもいかないだろうし」

「ダンジョンって多分世界共通ですよね。なんかテンプレートみたいなのがあるんでしょうか」

「そこはダンジョンマスター間での取り決めみたいなのがあるんだろうな。四層おきにマップが切り替わって七層ごとにセーフエリアがあって十五層おきにボスが出る。だから三十層にはまたボス部屋が有ると思う」

「ダンジョンを効率よく建設するためのテンプレ集みたいなものですかね」


 ダンジョン情報の中でこのダンジョンだけ造りが違う、となればそこが人気になるか不人気で人がいないかの二極になるだろう。今のところそういう話は聞いたことが無いので間違いなく世界共通のダンジョンの法則なんだろう。


 ダンジョンの法則と言えば、俺の中のダンジョン二十四不思議もいくつか解決することができるんだろうか。俺の質問に答えてもらえる時間が有ったらその疑問も解決しよう。


 レッドカウの前に来た。こいつはこの階層では一番楽に倒せることがついさっき分かった。雷撃して痺れさせて終わりというオークとほぼ同じ手段・サイクルで倒すことができる。時間もかからずお手軽焼肉だ。肉系モンスターは同じ手段でだいたいなんとかなる。焼いて斬る。ローストビーフと同じだな。


 金棒を持っている分オークより更に【雷魔法】が通じやすいのか、簡単に痺れてくれる。動きが鈍ければ鈍いほどこっちは嬉しい。


 ついでに肉も落としてくれれば更に良いんだが……今回は無し。次回に期待しよう。そのまま順調に進み十八層への階段の前まで着いた。ここで一休憩取ろう。

作者からのお願い


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― 新着の感想 ―
[一言] >レッドカウが金棒を振り回している間に雷撃。レッドカウの金棒はちゃんと金属っぽい何かで出来ているのか、金棒に雷撃が直撃し、レッドカウは金棒を落とす  その金棒の持ち手辺りを覆うように水魔法…
[良い点] 21層に近づいてますねー。 [気になる点] 方向感覚が抜群なんですか? [一言] 21層に行けることを期待してます!!
[一言] 砂漠階層とか歩くだけでも大変そうな感じするなー 靴に砂入ったりとかで気が散りそうだし足も取られそうだし戦う以前の問題が多そうだ
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