4:装備をそろえよう?
ダンジョンで潮干狩りを
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オッサンにはきつい三時間の詰め込み内容だが、小テストの結果はほどほどに良かったらしく、探索者証が無事発行された。血を一滴とられたのは不思議だったが、多分発行に必要な作業だったんだろう。
受け取った探索者証にはFランクの記載がされていた。ランクを上げていくには潜った階層で規定ラインに達した段階で次のランクに上がるらしい。
探索者証は二枚一組になっており、片方はダンジョンに潜るときにダンジョン庁が管理し、もう片方を携帯することが義務付けられる。無くすとペナルティがある上に探索者番号の末尾の数字が増えるらしい。運転免許証みたいだなぁと思ったが、偽造防止のためだそうだ。
どういう仕組みかはサッパリわからないが、ダンジョン内で死ぬと探索者証が赤くなり、死亡証明として扱われるらしい。不思議なシステムだが、そもそもダンジョンがあるって事自体不思議なんだからそういう風にできていると考えることにした。
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探索者証がそのまま刀剣等購入許可証になっているらしく、自宅近くのホームセンターへ向かってみたが、俺みたいな貧乏一般人に銃器や刀なんてものを用意できるわけはなく、奥へ行くほど桁が上がっていく装備を横目にしながらいろいろ見て回った。
まずは武器だ。素手で挑む男気溢れる探索者も存在するには存在するらしいが、たいていは刀剣や杖、ハンマーなどを利用するらしい。本業として探索者を行うわけでもないので何らかの物理的手段でモンスターを攻撃できる最低限のものを探してみるとするか。
「あのー、たった今探索者になったんですけどおすすめ装備とかありますか?できれば初心者向けで、お試しに日帰りで行って帰ってくるような感じの奴を求めてるんですが」
店番をしてた俺と同じぐらいの年の人が応対してくれた。
「日帰りってことは日曜探索者でも始めるのかい?」
「いえ、次の就職先決まるまでの繋ぎぐらいの気持ちでやろうかと思ってるんですが」
「あー……あー……もしかして君もハローワークで誘われたクチかな?」
エスパーかこの店員。なぜそこまで解る。
「あそこの子、神崎さんって言うんだけどね。彼女に相談受けてダンジョン潜ってみようって人、結構来るのよ」
「はぁ……そんな有名な人なんですか彼女」
「探索者の数は増やすけどいまいち続く人が増えないってのがねぇ。ぶっちゃけて言うと、社会人としてあんまり使えない人をダンジョンに押し込んでるってイメージかなぁ」
「使えない人……」
この人、間接的に俺をディスってることに気づいてないのか? それとも逆の激励なのか。
まぁ使える人材だったらそもそもクビにもなってないしハローワークも通ってないはずだけどさぁ!
「そんなわけで、彼女から紹介された人は大体ここで何持ってけばいいのか聞いていくって訳よ。まぁ日帰りなら持ちやすい長さのバットとかバールとかそういうものでいいんじゃない?防具はツナギでも身に着けときゃ三階層までは問題ないと思うぜ」
「三階層まではっていう根拠みたいなのあります?」
「おれがその先で怪我したからさ。これでも元探索者なんだが膝に棍棒を受けてしまってな。今はしがない職員をしてるよ」
俺もその職員になりたいと若干思っている。膝に棍棒をぶつけてくる専属のモンスターみたいなの居ないのかねぇ。
「そんな訳で、ツナギとあんた力ありそうだからバールのほうでいいと思うが、これが基本セットだな。後はヘルメットと安全靴と手袋あれば問題ないと思うぞ」
「そうですか、ありがとうございます」
「あぁ、忘れるところだった。この近くのダンジョンのなら五階層までは地図がおいてあるからそれ買っていってくれ。稼ぐんだったら地図があると効率がダンチだし帰り道にも迷わないで済むだろうからな」
この人の説明とネットで調べた俺の中にある知識を基にそれっぽいものを見繕うことにした。
武器は持ちなれたバールにしようと思う。千ミリぐらいのがいいかな。鈍器としても短槍としても使えるかもしれない。お値段も六千二百円とお手ごろだ。
ヘルメットは高校の通学に使ってた奴がまだ入るからそれを使おう。
ツナギはワー〇マンで適当に安い奴を買おうと思っていたが、同じ品質のものをここに置いてあるらしい。手袋は編み軍手ではなくラテックスのものにした。
後は食べ物と水かな。とりあえず二リットルあればいいだろう。食べ物はブロック状の奴を三個ほど購入するとショルダーバッグに詰め込んだ。
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