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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第一章:四十代から入れるダンジョン

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35/1247

35:精算とトイレ問題

六十万PVありがとうござます。

ダンジョンで潮干狩りを

Renta!等いろいろなサイトで発売中です。是非とも続刊のためにもご購入のほうよろしくお願いします。


 そろそろいい時間かな?と時計を見ると十六時を回るころだった。


「今日はこのぐらいで引き揚げようか」

「もうそんな時間?」

「もうそんな時間。しまっちゃう前に今日の分は今日の分で精算しちゃいたいし」

「戦利品山分けどうするの?」

「俺は半々でいいと思ってる」

「私もー。どんくらいになった?」


 おっと、うっかり保管庫の数字をそのまま読み上げてしまわないようにしないとな。バッグをガチャガチャやってるふりして答える。


「出口戻ったら計算しちゃおうかと思ってたけど、大体五万円分ぐらいかな」

「おぉ、結構な収入~♪」


 保管庫の中を確認する。

 ゴブリンの魔結晶が十六、グレイウルフの魔結晶が三十、スライムの魔結晶が二十四、スライムゼリーが百十個ってとこかな。それとヒールポーションランク1が三本。


 ポーション以外はちょうど等分できる奇跡の数だな。ただスライムのドロップは俺の個人ドロップだ。どうやって説明しようかな。


「しまったな」

「どしたの」

「二層来るまでのドロップと分けておくの忘れた。スライム狩ってた分が混じってしまってる」

「ん~……じゃぁ、今日の稼ぎは二人分まとめて二等分でどうよ!」

「俺は構わないけどそれでいいの?そっちのほうがより稼いでそうだけど」

「面倒くさいのあんまり好きじゃないのよね。それにお金のやり取りでいざこざが出来るのはもっと嫌。だから今日は朝からずっとパーティ組んでいたことにしましょ、ね?」


 可愛らしくクネッて見せているが、面倒事が嫌いでお金のやり取りで揉めるのは俺も嫌だ。

 ここは乗っておこう。


「わかった。じゃぁ出口戻ったらお互い全部出そう。んで等分できない分については相談ということで」

「おっけ~。じゃぁ帰りましょ~」


 特にどっちが言い出したわけではないが駆け足で出口へ向かう。片っ端から屠り潰してきたせいか、リポップに出会うことはほとんどなく、スムーズにたどり着くことが出来た。


 ◇◆◇◆◇◆◇


 出口で「ついにパーティー組んだんですか?」と冷やかされたものの、「たまたまだよ」と返しておく。

 本当に偶々だったんだからしょうがない。

 ただここまでガッツリ狩りに勤しむとは思わなかった。また明日筋肉痛かな……。


 査定カウンターで一つ質問をする。


「パーティで探索したんですけど、分割して支払い受けることは可能ですか?」

「可能ですよ。まとめて渡していただければ、価格確定後にお互いの取り分を指定していただければ、その価格で枚数分の支払いレシートを発行いたします」


 可能らしい、良かった。

 査定をお願いする前に、文月さんに一つ尋ねる。


「ところで一つ相談なんだがね、素敵なお嬢さん」

「なんですか、素敵なおじさま」

「ヒールポーションランク1を緊急用に保持しておきたいんだけど」

「全部で何本あるの?」

「三本ある。一本だけ買い取りに回さずに手元に置いておきたいんだ」

「じゃぁ私も一本貰っとく。それで残りを等分しましょう。OK?」

「OK。じゃあ査定してもらうわ」


 数が数だからか、十五分ほど待った。


「安村さん、査定終わりましたよ」

「等分にしてください」

「了解です……じゃあ二枚レシート出しますので、もう片方を彼女へ渡してください」

「解りました」


 ゴブリンの魔結晶が二十、グレイウルフの魔結晶が四十四、グレイウルフの肉が九パック、スライムの魔結晶が二十四、スライムゼリーが百十個ってとこかな。それとヒールポーションランク1が一本。


 しめて三万五千九百五十円。それが等分なので一万七千九百七十五円だ。

 今までで最高の稼ぎだ。パーティ探索は儲かるんだな。



「お嬢様、こちらが料金になります」

「まだそれ続けるの?はいよー確かに……うん、やっぱり一人より二人だねー」

「それは俺も思った。また二層以降行くことがあったらよろしく頼むわ」

「こっちこそよろー」


 ひらひらと手を返しながら文月さんは先に支払いカウンターへ行く。その背中を見ながら、ギルドに設置されている無料の天然水を飲んで一息つく。


 ふと、無性にトイレに行きたくなってきた。どうやらそれだけ熱中していたらしい。そういえば、ダンジョン内でお腹は空いてもトイレに行きたくなった覚えないな……体質か?


 行きたくなった時どうするんだろう。小はまだしも大はいったいどうしてるんだろう。帰ったら調べてみるか。


 ◇◆◇◆◇◆◇


 帰宅後、ネットで調べものをする。尿意・便意をどうするかという事だ。


 同じ疑問を持ってる人はそれなりに居たが、解決法は何種類かあったようだ。


 携帯用トイレを持ち込んで処理する人がほとんどだったが、排泄後にスライムを連れてきて消化させるという剛の者も存在した。


 どうやら、スライムは排泄物も処理する能力があるらしい。なので、尿意を催したらスライムを探して隅っこでこっそり排尿・排便。そのあとスライムを近くにそっと置いて、消化してくれるのを確認するらしい。なお、拭いた後の紙も一緒に消化してくれるらしい。


 すごいな。俺には真似できそうにない。しかし背に腹は代えられないらしく、男性女性にかかわらずその方法をとっている人は存在するようだ。


 また、用を足している際の目隠し用の道具も販売しているらしい。開発している企業はダンジョン用品専門の開発部署があるらしく、日々ダンジョン探索のための製品を発明しているとか。


 その会社の製品には排泄中の目隠しを極力軽量化した簡易テントみたいなものを発表していて、紐を引くだけで目隠しをしてくれる製品を比較的安価で販売しているらしい。


 その分荷物がかさばってしまうのだが、そういった生理的現象用の品というのは需要がかなりあるらしく、ダンジョン発生以来様々な商品が開発されている。


 最新商品のラインナップを見ていると、特殊なバクテリアを開発し、振りかけるだけで粉のように消滅してしまうという一見トンデモ商品のようなものが売れ筋らしい。


 確かに他人に自分の排せつ物を見られるのは恥ずかしいだろう。男ならその辺に立ちションベンすれば済ませられるが、ダンジョン内でそれを放置するのはマナー違反であり、特に人の多いところでは目立ちやすい。


 生理的欲求を満たすためだけに専門の商品を開発するなんて先見の明があったんだな。


 価格もそう高くなく、日をまたいでダンジョン内で宿泊するタイプの先行探索者の必需品として重宝されている。


 今度見かけたら買ってみて、使い心地を試してみよう。


作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

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[気になる点] 保管庫あるなら排泄物も入れればいいのに
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