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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第四章:中年三日通わざれば腹肉も増える

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333:今後の活動

大正は ルビのうちかたを おぼえた!


 ダンジョンマスターと会話したいきさつを話す。


 何か欲しいものは無いかと言われてとっさに思い付いたのがそれだったこと。動かすにはゴブリンキングの角とエネルギー源とするための魔結晶が一定量必要なこと。移動時間は十分ぐらいであること。エレベーターの場所を教え、そもそもゴブリンキングの角が無いと壁としか認識されない事。


 そしてこの情報を広めてもっとダンジョンに人を集めて欲しいと言われた事。それ以上はダンジョンマスターの口からは言えないと言われた事。ついでに、ダンジョンマスターは魔結晶から直接エネルギーを取り出す技術を持っているらしいがそれは教えられないと言われたことを正直に白状する。


「なるほど、さっき言わなかったって事は信用できないと思われてたという事かな? 」

「それもあるっちゃあります。ギルマス口が軽いですから。ただ、さっき教えてもらったところに連絡してやり取りして……って手間を考えると直接ギルマスに教えておいた方が一番楽なんじゃないかと、先ほど思いまして」

「口が軽いのは否定できないな。でも戻ってきてくれたって事は、やはり信用するべきだと思ったと? 」

「リヤカーのお礼、という事にしておいてください。これでCランク以上の探索者が増えるようになれば小西ダンジョンの黒字化も見えてくるでしょうし、知らない間に黒字化するよりは良いかと思って」


 小西ダンジョンが黒字化する事は俺とは直接関係ないが、ギルマスとしては悲願だろう。散々赤字零細と言われ続けてきたダンジョンに日が射すことになるんだ。評価も上がるに違いない。


「エレベーターがあるダンジョンか。確かに他にはないウリだな。ただどうやってこの情報を拡散するか、だが」

「その辺を丸投げしたほうが楽が出来ると思いましてね。どういう流れで情報が流れていくかは私からはさっぱり見えないですし、鬼殺し仲間は少なくとも一パーティーしか居ませんし」

「なるほど、機密情報の扱いに困ったという事か。解った、何とかしてみよう」

「この件は完全にお任せしますね。これで一つ肩の荷が下ります」

「ちなみにこのエレベーター、ゴブリンキングの角が無いと使えないという事だが、他のダンジョンで手に入れたものでも使えるのかな? 」


 そういえばそこを確認するのを忘れてたな。各ダンジョンで品質や形や大きさに区別がないドロップ品が出てる以上、ゴブリンキングの角についても同じものだとは思うんだけどな。


「そこまでは解りません。もしかしたら再度この小西ダンジョンで挑んでもらう事になるかもしれません。が、それでも十分すぎるぐらいの利益になるんじゃないですか? ダンジョン下層のドロップ品がどんどん入荷していくことになりますよ」

「それは楽しみだな。もしかしたらここから他のダンジョンを追い抜いて最先端進行ダンジョンが小西ダンジョンになるかもしれないのか」

「それもそれで困る事はあるんですが……実はダンジョンマスターから、また誰よりも早く二十一層まで来いと言われてましてね。多分また何かくれると思うんですよ。それまで情報を公開しないでおくか、よほど俺が頑張るかしないといけなくなりまして」


 そうだ、俺が二十一層にたどり着かないといけないんだったな。しかし文月さんにも負担をかけてまで潜るつもりはない。あくまで自分たちのペースで探索を続ける。そういう事になっている。


「それはダンジョン庁としては聞き逃せない話だな。とりあえず君のペースで頑張ってくれ。無理をさせて怪我して帰ってきたりするのは望まない」

「そういってもらえると気が楽です。なら自分のペースで行かせてもらいます」


 よし、また一つ肩が楽になった。やはりマイペースで探索をすることは必要だ。これからも地図片手にマッピングしながら探索を続けるという事は必要になってくるだろうが、それ以外でもひたすら骨を狩り続けたりして実力をつけていくことも大事になってくるだろう。


 それにもう一度ボス戦をして今度こそ保管庫を使わずに勝ってみたいという欲求もある。そこに制限がかからないならまだまだ探索者は続けられる。


「じゃあ、今度こそ帰ります。情報のほうは完全にお任せします。お疲れ様でした」

「お疲れ様。気を付けて帰ってね」


 ギルマスは笑顔で見送ってくれた。頭の中では何を考えているかまでは読み取れないが、あまり悪い印象を残さずに行けたのではないか、と思う。とりあえず芽生(めお)さんには「結局ギルマスにエレベーターの件伝えた」とレインを打っておく。返信は「まぁ良いんじゃないですか、お任せします」と。


 再び自転車で駅に向かう。自転車置き場でコッソリ自転車を収納。そして改めて電車で最寄り駅まで帰る。昨日今日は本当に色々あったなぁ……そして間違いなく、小西ダンジョントップパーティーという肩書きがついてしまった。


 いいんだろうか、こんなオッサンと女の子のコンビがトップパーティーで。しかも若干のズルをしてでの事だ。やはり真正面からボスと立ち向かう度胸と実力が必要だろう。保管庫は便利だが今回も甘えてしまった。Cランク試験では出番が無かったが今回は主戦力だった。


 このスキルに慣れれば慣れるほど自分の実力とは何なんだろうと思い始めてしまう。スキルも含めての実力か、それともスキルを差し置いてステータスこそが実力なのか。おそらく両方だろうけど、このスキルはあまりに危うい。人を堕落させる力があると言える。


 清州には度々通って【保管庫】を一切使わない上での探索、という自分を見つめなおす作業はこれからも必要になるだろう。それを踏まえつつ小西ダンジョンで探索をする。これを崩さない事が重要だな。


 電車を降りて徒歩でコンビニへ向かう。雑誌を適当に立ち読みし、ペットボトルのコーヒーとちょっとしたおやつを買うとそのまま自宅へ。


 家に戻ったので普段着に着替えていつものゴミの片づけや各部屋の掃除を保管庫経由で色々と片付けて。終わった時にはちょうど昼時だ。今日は車で牛丼を食べに行こう。今日は牛という気分なんだ。


 車を出す前に保管庫からダーククロウの羽根をエコバッグに詰め替えておく。飯を食い終わったら布団屋に連絡を入れ、可能ならそのまま受け渡し。不可ならまた改めて出直す。これで無駄が無いな。ちょうど道中に一軒牛丼屋があったはずだからそこへ行こう。


 チェーン店の牛丼屋に立ち寄り、大盛を注文する。特盛にするとちょっとカロリーがな。万人向けに味付けされた、と言っても安易なものではなくこれも企業努力によってどうすれば多くのお客さんに好まれる味付けができるかを何十人もの人が携わってできている立派な製品だ。馬鹿にすることは出来ない。


 俺の舌にもあう間違いなく美味しいと言える一品を胃に掻きこむ。牛なら何でもよかった。今はムシャムシャしている。五分ほどでさっさと食べ終わり水を飲み切る。よし、これで午後のカロリーは得られた。夕食は何にするかな。夕食も牛で良いかな。


 そのまま駐車場で布団の山本に連絡。持ってこれるならいつでもいいとの返事をもらったので早速卸しに向かう。いつも通り店長が出迎えてくれた。


「ご無沙汰です。探索のキリが良いところで持ってきました」

「お待ち申し上げておりました。早速中に運んでも? 」

「お願いします。前回よりは少し量は少ないですが、品質はいつも通りだと思います」

「承りました。お茶でも飲んでお待ち願えますか」


 店長は人を使い車からササっと羽根を下すと早速職人たちと品質確認と重さ確認に向かっていった。このやり取りも簡略化されてきた。俺としては食後のうまいお茶を飲みに来た感覚なので素直にうれしい。


 しばらく経って書類と共に戻ってきた。百グラム当たりの価格は前と同じ。今回は四キログラム。しめて十万四千円。芽生(めお)さんの分は三万千二百円だな。今度会った時に渡そう。


 忘れないうちに店長さんに大事なことを伝えておく。


「もしかしたら今後ペースが落ちるかもしれません。ちょっと探索する場所との兼ね合いがありまして」

「そうですか……それは少し残念ですが、こちらはご厚意で素材を卸していただいている身ですのでまた素材が溜まった時にご連絡ください。基本的に何時でも受け入れの準備はさせていただきますので」

「解りました。今後ともよい取引を」


 握手して早々に店を立ち去る。さて、やる事はやってしまった。これから暫く暇になるな。帰って鬼殺しについて色々調べるか。


 帰る前にちょっとホームセンター兼スーパーへ寄っていくか。特別に用事があるわけではないがインスピレーションを手に入れに行こう。ふらっと何をするでもなく、目に付いたものを見て気になった物をチェックし、思いついたものを手に取る。


 何か探索に使えそうなものがあればとりあえず買う。買って試してダメだったら次に活かす。ここまでそれでやってきた。今後もそれはやっていこうと思う。そして何も浮かばなくなったらその時はまた、スライムを潮干狩りして心を落ち着ける……


 そういえば、俺のツナギの袖も焦げてるんだった。これを機に新しいのをもう一着買うか。防刃だけじゃなくて耐熱タイプもあれば良いんだが、そんなピンポイントな商品あるだろうか。鬼ころしに今から出かける事も出来るが……どうせ後日芽生さんと行くのだ。今じゃなくていいだろう。


 そういえばこの服装も段々緩くなってきている。ベルトの穴が元々大き目サイズに設定されていたおかげか、ウェストが合わなくなってきている。もうワンサイズ小さいズボンとベルトをその辺で見繕うか。


 だとすると路線変更だ。ホームセンターではなくショッピングモールだ。服も探せてそれ以外のものも探せる。一石二鳥以上になるな。


作者からのお願い


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続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] ゾロ目とルビ振りのスキルオーブゲットおめでとうございます。 さて小西は長ったらしい名前の高輪ダンジョンを抜けるのか!?
2023/05/29 20:14 退会済み
管理
[良い点] スキルアップしてる!! なるほど、めおさんなんですね(汗) 『文月 芽生』(ふみつき めい)だと思ってました これは全て読み直さねば…!!
[一言] >しかも若干のズルをしてでの事だ。 探索者として秘匿事項を持ってる事はズルでもなんでもないかと思います。 ましてや、バレてしまうと不利益を被る可能性の高い内容だけにね。 そして、秘匿事項(…
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