表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第四章:中年三日通わざれば腹肉も増える

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

306/1239

306:清州一人行

いいね! 十万件超えてました。皆さんありがとうございます。

次の次の展開どうしようか思案中です。


あと、たまにしか感想欄に出現しないのは出来るだけみんなの脳内で補完されている情景を大事にしたいなぁという気持ちでもあります。


 さて、ダンジョンに行くにしても今から行くには大きく分けて三パターンの行動方法がある。時間もあるのでちょっと考えをまとめながら行こう。


 まず一つ、宿泊付きプランで小西ダンジョンへ行く。この場合茂君退治にプラスして九層をソロ狩りするか四層で修業の肩ポン爆破をするかウルフ肉をひたすら集めるかの作業に従事する事になるだろう。つまりいつも通りってことだな。


 二つ、日帰りで小西ダンジョンへ行く。この場合行動できる時間が短いので茂君は無し、二層でひたすらウルフ肉を集めるか四層で肩ポン爆破する作業になる。昨日の今日で中華屋に大量納品して一気に雑に発注されたクエストを処理するという事も出来るので悪い選択肢ではない。


 三つ、清州ダンジョンへ行く。道中稼げない時間が増えるが九層でゆっくりと狩りを楽しむことが出来る。メリットはいつでも帰れる、デメリットは保管庫が使えない都合上茂君が討伐出来ない事と公共交通機関で行く場合終電の時間は帰れない事か。そういえば最近清州も行ってないな。


 う~ん、悩むな。どれもそこそこに稼げる魅力ある選択肢だ。少なくとも宿泊プランは使える。時間もある事だし準備も出来ている。まだ使ってない十四層用のエアマットも一人用のテントも保管庫にあるので表に出して清州ダンジョンで堂々と宿泊プランを選択する事も出来る。


 スキレットとバーナーもあるが使いどころがないかもしれないな。後は食材と水分とカロリーのあるものをバッグに入れておけばいけるな。よし、今日は清州ダンジョン九層でのんびりソロ狩りと行こう。少なくとも昨日よりは稼ぎになるはずだ。


 早速いつものツナギに着替えて出かける準備だ。清州ダンジョンは最低限の装備を外に出して行動するので行きからして荷物がそれなりの量になる。帰りは水が減る分だけ軽くなるが、ドロップは重い。やはり一人で狩りするっていうのは九層ぐらいがちょうどいい範囲になるんだろうな。俺もそのちょうど良いところで楽しむことにしよう。


 万能熊手、ヨシ!

 直刀、ヨシ!

 ヘルメット、ヨシ!

 防刃ツナギ、ヨシ!

 安全靴、ヨシ!

 手袋、ヨシ!

 テント、エアマット、ヨシ!

 水分、カロリー、ヨシ!

 保管庫の中身……ヨシ!

 清州の地図、ヨシ!

 その他いろいろ、ヨシ!


 不要な確認は省いた。とりあえずこれだけあれば十分だろう。最悪必要な物が欠けていたら保管庫からコッソリ出して使おう。ちょっと遅い出発になったが清州ダンジョンへ出かけよう。二十四時間営業だし遅い早いはあまり気にしなくて良いな。始発終電の時間だけ気にすればそれで済む。


 うっかり小西行きの電車に乗りそうになったのはご愛敬、ちゃんと清州ダンジョン前までたどり着くことが出来た。多少の雨で肩が濡れることはあったがそれぐらいのもので、ダンジョン内では傘が邪魔だろうなぁという感想が漏れて出る。折り畳みにすればよかったか。


 まぁ仕方ない。背中のバッグに刺したままダンジョン内で使う事も無い荷物だ。細かい事は気にせず行こう。まずはギルドの建物に寄って地図の確認だ。手持ちの地図は何処まであったっけ……十四層まであるな。十五層の地図を買おう。実際にどういう感じのボス部屋の配置がされているか参考にしたい。


 清州の十五層の地図を広げてみる。どうやらシンプルを極め尽くした地図のようだ。方眼紙的に言えば六マス分ぐらいの迷路を含めた通路を抜けて反対側に階段があり、地図の真ん中にボス部屋が配置されている。ボス部屋の横を抜けるように通路がめぐらされている。


 十六層に抜ける階段へ行くためにはボス部屋の前を必ず通るような道だそうだ。小西ダンジョンも似たような配置だといいなぁ。


 地図を丸めてバッグに仕舞い、代わりに清州の地図の束を出す。この地図の束も必要ないと言えば必要ない。清州ダンジョンでは一層から七層まで人の行き交いが多いためわざわざ地図を確認しなくても誰かの後をついていけば七層まではすんなり通れることのほうが多い。あまり気にしなくていいか。


 ギルド建物から五分ほど先にある防空壕のようなダンジョン入口で入ダン手続きを行う。小西ダンジョン比でとても賑わっている。さぁ久しぶりの清州ダンジョンだ。何か変化はあるかな? 相変わらず一層にスライムの姿は見えない。見えたとしても自分以外の探索者が処理をしていくので俺の出番は無い。


 清州ダンジョンでは目的地まで戦闘がほぼ一切ないという事もザラだ。実際ダーククロウに手でも出さない限りはまともなモンスターとは出会えないだろう。かといって、Cランク試験の時のように清州茂君にちょっかいを出して周りの人に迷惑をかける事もしたくない。


 ただひたすら速足で歩いて二層、三層と順調にダンジョンを潜っていく。四層までは戦闘は無いものと考えていい。ならその分歩行速度を上げて中でしっかり狩りが出来る時間を作るべきだろう。三層でゴブリンがチラッと顔見世に来たのでバツッと雷撃して処理したが、ドロップは無し。


 焦る事は無い。九層まで行けば十分な収穫を得ることが出来る。今は我慢だ、耐え忍ぶ時間だ。四層に降りる前に少し水分を補給し、そのまま四層へ降りる。さて、ここでちょっと稼げるかどうかを試すか、それとも素直にスルーするか。


 時間のほうが勿体ないのでゴブリンを探すより下層へ向かう事を優先しよう。小西ダンジョンよりも移動距離が長い清州ダンジョンだ。楽々勝てるとは言え、ここで時間を浪費するよりも七層でしっかり休んで九層で狩りをする。そのほうが建設的だと言える。


 四層では都合二回の戦闘を挟むがドロップは無し。まぁ織り込み済みだ。五層に下りるが絶対と言っていいほどモンスターと出会う機会は無い。なんせ階段から階段が見えている短距離マップだ。階段と階段の間以外の所をうろつくと木々がありそこにはモンスターも湧いて出るが、ここでそれを倒していても収入としては少ないし時間的な効率はそれほど良くない。ここは走ってさっさと六層に下りよう。


 十分ほどで駆け抜け終わるとそのまま六層へ降りる。六層から七層へ向かう人に紛れ込んで七層に向かい、休憩してその後九層に向かおう。ぶっ続けで歩いてきたのでさすがに疲れが見え始めている。戦って疲れるのとはまた違う、何も起こらないところでひたすら歩き続けてきたという精神的疲れだ。


 七層へ下りたらゆっくり休憩を取ったほうが良いだろうな。四時間ぐらい仮眠を取れば十分だろう。七層と言えば新浜さん達はどうしているかな。また出会えるといいな。新浜さんにはちょっとつもる話がある。場合によっては女性だと気づかなかったことを謝る事も有るかもしれない。


 何にせよまずは七層に到着するか。六層も人の流れがあり、俺より先に行く探索者がワイルドボアを処理して行き、木に近づくと茂っているダーククロウには手を出さないように慎重に行動する。どうやら今回は前みたいな騒ぎは無いように思える。


 ダーククロウが上空を旋回しているのが見える。あれが下りて来てくれたら暇潰しになるんだが、残念ながら俺ではなく他の探索者のほうへ向かってしまった。仕方ないな、六層までの収入はゼロだ。元々あまり期待してはいなかったが、ゼロと解ってしまうとちょっと凹むな。今回の収入は九層でしっかり確保していこう。


 前の探索者に続く形でテクテクと六層を歩く。目に入るモンスターはもう茂君ぐらいしか居ない。しかし茂君を狩ったところで、どうやってドロップ品を持ち帰るかは問題になる。倒すだけなら問題ないんだが、ドロップ品を両手に抱えて七層に下りてその後どうするのか……という流れを誰かに目をつけられた場合の事を考えると残念ながらこの人口密度では難しいだろう。


 他の探索者も多分同じことを考えているんだろう。諦めて七層でふて寝でもするか。結局そのまま七層まで下りることになった。


作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 清州ダンジョンおひさ〜 [気になる点] >>どうやってドロップ品を持ち帰るか ダーククロウの羽根だったら雷魔法の応用で 静電気を発生させて引き寄せるとか出来そう 後はダミーで衣類圧縮袋…
[気になる点] 一人行というコトバはありません。 単独行、一人旅、を一人行く 等が妥当な表現でしょう。
[一言] 清州の五層はスキルオーブ狙い目?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ