29:二層と検証
二十二万PV&日間三位ありがとうございます。
ダンジョンで潮干狩りを
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一時間狩り続けた結果、出会った数は三十匹だった。三分歩いて一匹か二匹にエンカウントするぐらいの速さだ。二層のモンスターはそれほど多くないみたいだ。すでに戦闘中だったパーティーもあったし、三匹以上と出会いそうな雰囲気のするところは避けて通ったせいもあるだろう。
ドロップは魔結晶が八個、肉が一パックでた。一パック何グラムかは解らないが、丁寧にパッキングされた肉が出た時は思わず声が出た。一体どこのメーカーの真空パックなんだろうな。
グレイウルフの肉が普通に流通してるという事は、この肉は無菌状態である可能性が高い。もし何らかの細菌に感染しているなら、地上に戻って査定してもらってそこから肉を流通させる間に発酵腐敗してしまうからだ。
そういう話を一切聞いたことも無いし、この間行った中華屋の親父も鮮度については言及してなかった。つまりそういうご都合主義で出来ているという事だな。ファンタジーにはそのままファンタジーでいてもらおう。
しかし気分的な問題で、冷やされてもいない生肉をそのままポンと出すのは勇気がいるというか、風情が無いというか。クーラーボックスでも持ち歩いたほうがいいのか?
◇◆◇◆◇◆◇
さらに一時間が経過した。
グレイウルフ討伐数は三十一匹。二匹同時に来られても問題なく対処できるようになった。魔結晶は七つ、肉が二パック。
緊張感はあるが作業感と達成感はスライムのほうが上だな。倒す数が少ない分ドロップも少ないからか。ドロップまでの時間に焦燥感を覚える。
そのせいか体の疲れも少し感じるが、スライム狩りとは違う筋肉を使うからもあるだろう。とりあえずもう一時間ほど回ってみるかな。それでグレイウルフと戦う時のパターンを体で覚えよう。
地図を見ながらぐるぐると回っていると、二層で狩りをしてる人を見かけた。邪魔をしてはいけないので、一言声をかけて足早に立ち去ることにする。助けを求められていないのにかってに人の獲物に手を出してはいけない。
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またウルフが二匹連れで現れた。もう待ちに徹してこちらから手を出さない理由は無い。来た端から順番に切り刻んでやればすぐ終わる。今のところ二匹以上同じタイミングで襲い掛かられたことは無い。
つまりグレイウルフは攻撃する瞬間においては一対一を重んじる男気にあふれた種族なんだろう。雌も居るだろうけど。
割と短い体感速度で一時間がたった。討伐数は二十九匹。魔結晶は六つ、肉が二パック。いくらになるか解らないが、スライムより高く買い取ってくれるとうれしいんだが。
ここまでの合計が九十匹あたり魔結晶が二十一個、肉が六パック。
魔結晶ドロップ率が二十四%で肉が六%強。魔結晶を落とす確率はスライムがゼリーを落とす確率より少ないと、頭で計算する。
肉のほうはスライムが落とす魔結晶と同じぐらいの確率だ。ドロップテーブルに対する確率は一律ではないのかな。
やはりドロップ確率は高いほうがテンションが上がる。つまり俺にとっては仮に高額で買い取ってもらえるとしても、グレイウルフを狩り続けるよりもスライムを狩り続けるほうがモチベーションを高く保つことが出来るという事か。どことなく社畜魂を感じるな。
さて、そろそろいい時間だろう。帰り道にかかる時間を考えるとここらで退散したほうが良さそうだ。足早に二層から入口まで帰ろう、もちろん道中であった奴は丁寧に黒い粒子になっていただくが。
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