275:快眠の朝、新しい武器、そしてチュロス
一昨日痔が再発しました。エイプリルフールではないです。
おはようございます、今日もいい朝ですね。俺の昨夜の悩みは吹き飛んだ。今日も気持ちいい目覚めだった。ありがとうダーククロウ。こうしてお祈りの儀式を済ませて、まだしばらく布団の打ち直しはしなくていいという事が解った。雨は日中は降るが夜には上がるらしい。
いつも通りの朝食を取るとツナギに着替え、ダンジョンへ行く準備をする。昼食はウルフ肉のチーズ盛りにしよう。アレ気に入った。この間よりもチーズを更に山盛りにして食うのだ。疲れも取れるしたんぱく質も取れるしお腹もご機嫌になるだろう。
冷蔵庫から前回の残りのチーズをチャック付きポリ袋に放り込んで保管庫へ。冷えたコーラもお供に欲しい。後のものは全部保管庫に放り込んであるので問題なし。と、すれば今日もいつものだ。
万能熊手二つ、ヨシ!
マチェット、ヨシ!
グラディウス、ヨシ!
直刀、ヨシ!
ヘルメット、ヨシ!
防刃ツナギ、ヨシ!
安全靴、ヨシ!
手袋、ヨシ!
枕、ヨシ!
チーズ、ヨシ!
ノート、ボールペン、ヨシ!
冷えた水、コーラ、ヨシ!
保管庫の中身……ヨシ!
その他いろいろ、ヨシ!
指さし確認は大事である。今日からは新しいこの相棒、直刀をメインに使っていく。グラディウスはサブ武器として運用していく。長すぎてやっぱり困るという時にはグラディウスを使い、適宜自分が扱い易いようにしていこうと思う。
今日は朝一からダンジョンに入って四層で素振り、六層で試し切りした後ゆっくり九層で辻斬りを行う予定だ。蟻と会えば蟻を斬り、猪と会えば猪を斬る。
小西ダンジョンは今日も二、三人の開場待ち客でにぎわっていた。今日もスライムを狩ったり、スライムを狩ったり、スライムを狩ったりするのだろう。顔ぶれを段々覚えてきたぞ。この人たちは普段一層にしか居ない。偶に二層にも居るが、メインはスライム狩りで収入を得ている人たちだ。
その証拠に武器らしいものを持っていない。みんな熊手を持っている。つまり俺の弟子だ。弟子ならばスライムと対話をし続けていても何ら問題ないだろう。どうやら小西ダンジョンではスライム狩りと言えば熊手、という空気が出来上がっているみたいだ。善き哉。
開場時間が来て受付が始まる。入ダン手続きを済ませるとそのまま真っ直ぐ二層三層を通り抜ける。道中出会うモンスターを直刀で斬りながらだ。
やはり切れ味はグラディウスよりかなり上らしく、グレイウルフがスパッと斬れてしまう。斬る時にも手ごたえが小さく、手首への負担も少ない。これは良い買い物をしたかな。
三層のゴブリン相手にも同じことで、試しに力を入れて斬ったら棍棒ごとバッサリといってしまった。そこまでの切れ味だったのか。直刀を見て確かめるが、刃こぼれなどはしていない。こいつ、思った以上に頑丈だぞ。やっぱり良い買い物をしたようだ。
四層に着いた。ここで一時間ほど慣らし運転だ。ステータスブーストを使いつつ、ゴブリンたちと切った張ったするのだ。ソードゴブリン相手に切れ味を試して、あいつがスパっと行けるなら十層まではすべて問題なく一撃で屠れる。
前より十センチほど長くなったが、確かにダンジョンに潜ってみれば重さも長さもそれほど気にするほど違和感はない。自分を斬らないようにだけ注意しないとな。
考えながら歩いているとソードゴブリン率いる四匹の集団が現れた。そんなわけで諸君、ごきげんよう。そしてごきげんよう。
三十秒もかからず一振りで黒い粒子にかえられていくゴブリンとソードゴブリン。攻撃力はこれでマシマシになったと実感できた。これならオークも一発で行けるぜ。
調子が乗ってきた。うはははははは、これで何でも斬り放題! 割り箸も割り放題! 気を付けるのはうっかり壁を斬りに行かないことぐらいだ。さすがに壁は非破壊オブジェクトなので切れないだろうが、出てくるモンスターなら何でも斬れるぞ!
等と調子に乗っていたらうっかり壁に引っ掛けてガチンという硬い音が響く。やべやべ、もうちょっとスロットルを抑え気味にしないとな。直刀が欠けてない事を確認すると、肩ポン爆破と同じテンション、同じスピードでゴブリンを斬っては黒い粒子に変えていく。
高ぶったテンションのままグルグルと四層を回っていたらあっという間に一時間がたっていた。もうこのぐらいで慣らし運転は良いだろう。そこそこ稼いでも居るはずだ。七層へ向かおう。
四層を抜けて五層に降り立つと、試し切りできそうな猪が前を歩いている。まずはいつも通り、手前でガシッと止めてみる。柔らかく刃が入っていきそのままスルッと黒い粒子に還っていく。切れ味も武器そのものの硬さもこっちのほうが上らしい。
次は横から斬ってみよう。ワイルドボアの突進……ステータスブーストをキメすぎたおかげで既にゆっくりに見えるそれをサイドステップで躱し、横からすっと刃を差し込み、そのまま前から後ろへ斬り通していく。自分のちょっと後ろでワイルドボアが寿命を迎えた気がした。振り返るとそこにはパッキングされた肉。
次はどうやって斬ってみるか……ワイルドボアだし普通で良いか。急に冷めてきた。落ち着いてワイルドボアの動きを見て、ワイルドボアにそのまま体当たりされる。ドスッという感じでワイルドボアは俺にぶつかって、逆に押し返される。壁に激突したようにひっくり返るワイルドボア。
ステータスって本当にあるんだなぁ……何をいまさらって感じだが、原付に体当たりされたような感覚を覚えていた初めてワイルドボアにあった頃の俺。何のことは無く受け止めて逆に弾き返せるようになった今の俺。この歳でも成長はするもんなんだな。
自分の成長を再確認したところで五層をいつものスタイルで進んでいき、途中のダーククロウも綺麗にしていく。保管庫の中身のダーククロウの羽根は空っぽだ。また納品に行くためにも貯めておかないとな。
五層を渡り切った段階で三百グラム。お手製お手軽枕なら一個作れる程度だ。ダーククロウの羽根のメイン狩場は六層なのでこのぐらいは普通といった所。さぁ、六層で何羽狩れるかだな。
六層は一番乗りらしい。道中一時間ほど寄り道をしてたにもかかわらず、六層の敵の数はマックス湧いているように見える。良いぞ、ちゃんと収入がある事は良い事だ。
早速ワイルドボアとの体当たり勝負から始める事にする。近づけば近づくほどワイルドボアがドコドコと駆け寄っては俺の足に当たり、弾かれて行く。この当たり具合なら、もしかするとジャイアントアントに噛みつかれても噛み切られる事は無いかもしれない。ちょっと試してみるかな。自分の硬さに自信を持つことは必要だ、いろんな方面で。
十一匹ほどのワイルドボアをぶつかってくる先から串刺しにしていく。避ける動作すらしなくなってきた。怪我する心配がないからとはいえ他人からすれば信じられない物を目にするかもしれないが、実際ダメージが無いのだから仕方ないだろう。
安心して直刀を振り回しながらまっすぐ歩いていく。ワイルドボアは俺に当たっては転び、そして黒い粒子に還っていく。ラッセル車みたいなものかな。
一本目の木のダーククロウをサンダーウェブで落とし、ドロップを収納。茂君に真っ直ぐ向かって歩いてはワイルドボアをなぎ倒し、茂君に到着して茂君を全てサンダーウェブで落として収納。茂らない君は今日も茂ってないな。ミノキシジルでも振りかけておくべきか。
茂らない君に到着するまでワイルドボアを狩った後、茂らない君の足元まで行き毛根に刺激を与えるように蹴りを入れておく。この刺激でこの茂らない君にもダーククロウが茂ってくれるといい収入になるのだが。
七層までの通路のワイルドボアを引きずって倒していくと、七層に到着した。ダイジェストでお送りしたが、この間に肉十四個と革三枚、魔結晶七つとダーククロウの羽根千百グラム、ダーククロウの魔結晶十一個の収入を得た。
作者からのお願い
皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。
続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。





