27:二層とダンジョンの不思議。
十万PV越えありがとうございます。
ダンジョンで潮干狩りを
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アラームが鳴る。三時間で……三百六十六匹。スライムゼリーが百九個。魔結晶が二十二個。
しめて五千四百七十円なり。税金引かれて四千九百二十三円。時給千六百円か、かなりいい。
心が遊びに行っていた分、精神的にも全く疲れなかった。天職かもしれない。年取っても出来る仕事があるという事はいいことだ。
さて、二層の階段前で食事にしよう。いつものカロリーバーと水だが、収入が安定するまではこれで十分だろう。俺はダンジョン地図を片手に二層への道をたどることにする。道中のスライムは貴重な収入源として綺麗に片づけさせてもらう。二層入口までは万能熊手が大活躍だ。
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二層に入った。相変わらずの洞窟背景だが、一層に比べてスライムの数が目に見えて少ない。まだ入ってすぐだという事もあるだろうが、そもそもスライムの数は一層が一番多くて二層以降はそんなに居ないらしい。
だからといって物を放置しておくと気が付かない間に消化吸収されてしまうそうで、やはり意識的に視線を切らないことは大事なんだろう。
俺は万能熊手をバッグにしまうと昨日買ったマチェットを取り出す。新品のマチェットはほの暗い洞窟の中でもその光をわずかに反射していた。ここからは君が頼りだ、任せたよ。
二層は一層よりも小部屋が多い。
一層は各通路の奥に大部屋があり、大部屋間をつなぐ細めの道があるような構造になっているが、二層では広い道と細い道が多少入り乱れており、道同士の交差や小部屋への行き止まりがある。
ソロで活動する俺としては前後を挟まれる可能性を考慮すると、広い道よりも細い道を通るほうがまだ安全に活動できそうだ。後ろを取られたら片方に突撃すればいい。
まずは気軽に第一グレイウルフを探すことにしよう。二層入口すぐの細い道を進んでいく。すると二分経たぬうちに第一グレイウルフと遭遇……っと、第二グレイウルフもいた。いきなり一対二の戦闘に入ることになった。
運のいいことに、グレイウルフABは同時に向かってはこず、順番に俺に向かってきた。
こっちの取れる作戦は、こちらから近寄って先に一刀振って倒す、または致命傷にすること。そのまま走り抜けて次の奴と相対する。
もしくは待ち受けて順番に処理するか、だ。
今回はマチェットの切れ味と相手の耐久力を見てみたいため後者をとる。後の先って奴だ。うまく一振りで倒せるなら、この階層の難易度がぐっと下がってくれるんだがさて、相手はどう来るかな。
俺の覚えてる限り、奴らは噛みついてくるか引っ掻いてくるかの二パターンの攻撃をしてくる。もしハッキリとした仲間意識があって襲ってくるなら、こちらが近づくのを待ってから同時に掛かってくるだろう。しかしそうはならなかった。
冷静に相手の動きを見る。先にかかってきた奴は噛みつき攻撃を選択したらしく、口を開けて俺の肩あたりに噛みつかんとしている。俺は水平にマチェットを構えると前へダッシュし、すれ違いざまに顎から真横へ切りつける。そのまま力を込めたまま真っ直ぐ後ろ足まで切り傷をつけると、それで相手の体力が尽きたのか黒い粒子になってグレイウルフは掻き消えた。
よし、この耐久力ならいけるぞ。俺は二匹目に向き合った。今度はこちらから攻撃を仕掛ける。お互いにぶつかり合う場合、回避行動をとるのかどうか見極めるぞ。
結論から言うと、グレイウルフはそこまで賢くないらしいという事が解った。中段から構えて頭を切りつけようとしたが、相手は攻撃モーションを崩さずにそのままこちらへ向かってきた。そして俺の攻撃を受けるとそのまま頭がい骨にささり、消滅してしまったのである。
このマチェット切れ味良いな。俺はマチェットの刃の部分をよく観察する。刃がつぶれたような様子も無く、モンスターの肉を切ったのに血も脂も付いてない。これもダンジョンの二十四あるという不思議の一つかもしれない。二十四は今俺が勝手に作った。
残念ながらドロップは無かったが、ほぼ確殺できるという自信を得ることができた。これからは思う存分グレイウルフを蹂躙出来るな。とりあえずアラームを取り出した俺は一時間のカウントダウンを始めた。一時間でどれだけ狩れるか、焦らずに測っていこう。もちろんドロップの数もだ。
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