194:ゆっくりとした休日 2/2
千三百万PV、ユニーク二百四十万アクセス、ともにありがとうございます。致命的な誤字してたりしますが私は元気です。もうちょい頑張ります。
家に帰ってきた。家庭用の買い置きや予備は収納に詰め込んで、保管庫に入れる物は保管庫に入れる。片づけを済ますと、午後三時。夕食にはいくらなんでも早すぎる。とすればやることはネットをダラダラとみる事だ。
そういえば、ダンジョン二十四の不思議である所の「九層から十二層の森の中央部」については、新浜さんのおかげで不思議ではなくなった。中央部には何もない。モンスター密度が高すぎて突っ切るのは無茶が過ぎるということだ。
そういう理由で空白にしてあれば、よほどの命知らずではない限り通ることはないだろうとのこと。それならそれで地図に描いて置いてくれればいいのに。もしくは小西ダンジョンでは情報の共有がされていないのか。それはそれで問題だ。明日ギルドに行ったらそのことを伝えに行くべきだろうな。
ダンジョン関連のニュースを見る。スライムドロップ確定の効果で、東海地方のダンジョンの収支が軒並みプラスに転じたとのニュースがあった。赤字で有名だった十津川ですら赤字幅を大幅に圧縮、このまま続けば黒字になるかもしれないとのこと。
また、三勢食品についてもニュースが並んでいて、大手の食品メーカーにOEMの形でレシピを渡してそちらで生産販売を一部委託するかもしれないという話し合いが行われたらしい。これで従業員への負担を減らすのが狙いだそうだ。頑張ってるな、三勢食品。
レシピが基でスライムドロップが確定するのか、生産設備でスライムドロップが確定するのかは俺にも解らない。だが、大手メーカーから同じ品質、同じ効果の物が発売されるなら、その効果は全国に波及するだろう。そうなれば東海地方以外の赤字ダンジョンでも黒字に転ずるチャンスが訪れるというものだ。
探索者専門のニュースサイトを眺めると「ステータス議論再燃。発端はまたも東海地方」というニュースが目に付いた。ざっくり読んだ感じだと、どうもインタビューに答えているのは新浜さん関係の人たちのようだ。話し方を見る限り新浜さんの口調ではない。
おそらく新浜さん経由で情報を得て実践し、身に付けたのを公開している感じのようだ。これから九層も混み始めるんだろうな。早くCランクになってオーク肉を口にしたいものだ。
次は小西ダンジョンのスレを覗いてみよう。そろそろ自転車の話が話題に上がっててもおかしくない。若干のワクワク感がある。さてどうなっているやら。
◇◆◇◆◇◆◇
---【お布団】小西ダンジョンpart5【きもちいい】---
132:名もなき探索者
七層に自転車があるんだが……しかも三台、駐輪場付きで
どうやって持ち込んだんだ
133:名もなき探索者
>>132
幻覚でも見たんじゃないか
134:名もなき探索者
>>133
マジだって。しかもカギが付いてないから乗り放題。おかげでテントに戻るまでの時間が短縮された
おまけにシェルターのところに空気入れとパンク修理キットまで用意されている
誰だこんな大それたいたずらした奴
135:名もなき探索者
受付の目を盗んで自転車三台も運び入れたって事か
どうやったんだ
136:名もなき探索者
バラして中で組み立てたとか? なんのためにそんなことを
137:名もなき探索者
布団と言い自転車と言い、妙な現象ばかり起こるな最近の小西ダンジョンは
138:名もなき探索者
誰も損してないならいいんじゃないか?
139:名もなき探索者
四人パーティーだから俺がいつも歩いて向かう事になることが不満かな。
後二台ぐらい欲しい
140:名もなき探索者
スレ民の仕業ならここに書き込んでおけばコッソリ追加されるんじゃないか?
141:名もなき探索者
七層で生活してる人はやたら感謝してたな。布団といい自転車といい、どんどん便利になっていく
142:名もなき探索者
清州にも自転車あったりしないのか?
143:名もなき探索者
さすがに自転車持ち込んでる猛者は居なかったと思う
受付の目を盗んでどうやって三台も運び込んだんだ
144:名もなき探索者
ギルドからの支援という線は?
145:名もなき探索者
それにしてはちょっとショボいな。ただ居住環境が良くなったのは間違いない
146:名もなき探索者
そういえばシェルターのところに机も用意されていた
これは潮干狩りおじさんの仕業だと確定している
あると便利じゃない? みたいな感じだったそうだ
147:名もなき探索者
また潮干狩りおじさんが一枚噛んでいるのか
自転車も潮干狩りおじさんの仕業なのでは?
148:名もなき探索者
その為に新品の自転車三台も買いこんでわざわざ運び込むとは思えない
大体おじさん二人ペアなんだから持ち込むなら二台で足りるはずだ
149:名もなき探索者
そうすると別の誰かか。一体何者なんだ、小西七層の居住環境を向上させてるのは
150:名もなき探索者
七層に半分住んでる人が居るけど、大喜びしてたぞ。七層の移動時間が短縮できるって
151:名もなき探索者
移動時間が短縮できてその分狩りする時間が長くなるなら確かに利益しかないな
152:名もなき探索者
まぁ、自転車が突然爆発したりするわけでもないしいいんじゃないか?
使う機会が有ったらぜひ利用させてもらおう
153:名もなき探索者
気前のいいことに自転車台は六層側の階段とシェルターと八層側の階段に三台分ずつ設置されている
カギはついてないということは多分自由に使えという事だろうな
154:名もなき探索者
なんか小西だけ異質だな
155:名もなき探索者
異質さで言えば清州も相当なもんだぞ。屋台があるし商売人がいるし
直接探索しない業者ももぐりこんでいる
六層から七層に入ったところの串焼きやなんて飯テロにもほどがあるぞ。俺もつい買ってしまった
156:名もなき探索者
あれ、匂いがすげえいいんだよな。解っててもついつい買ってしまう
157:名もなき探索者
何にせよ、小西の平和さは保たれていることは確かだ
危害が無い間は利用させてもらう事にしようぜ
後布団は確かに気持ちよかった。快眠度が凄い
◇◆◇◆◇◆◇
混乱している様子が見られると思ったが、意外と冷静に見ているらしい。ちょっと残念だ。小西に変なものが増える事に皆慣れてしまってきているのか。もっと大混乱して草が生えまくる展開を期待していたがそうはならなかったらしい。
だが基本的に俺が便利に使えればそれで問題ないので周りの反応は期待してたほどではなかったが、悪いいたずらではなかったらしい。
さて、夕食の時間になった。外食にするか内食にするか。外食にするなら何腹を選べば俺は満足するだろう。総菜とにらめっこしながら胃袋の声を聴く。
洋食が食べたい。胃袋の声が聞こえる。洋食と言ってもカレーではないだろう。ちょっとお高いレストランか、ファミリーレストランで胃袋を満たす感じだろう。
となれば早速身近で洋食で腹を満たせそうなところでお値段がお手ごろなところを検索する。十件ぐらいヒットした。洋食と言っても幅が広い。イタリアン、フレンチ、選択肢は色々ある。ここはジャンルにとらわれず色々選べるファミリーレストランにするべきだろうな。
車で五分ほどのところにちょうどいい店があるようだ。チェーン店だが味は保証されているはずだ。そこへ行こう。昼間に買った総菜は明日の朝食行きだ。
早速車を出し、夕食を食べに出かける。少し早めの夕食になるが、混まない分却って俺には都合がいい。早めの夕食を食べて、風呂に入って今日は早く寝てしまおう。
レストランに着いた。ここからが勝負だ。席に通されると早速メニューとの格闘に入る。ハンバーグ定食、アリだ。パスタ、十分にありだが最近食べたな。ビーフシチュー、ちょっと本格仕様らしい。ピザ、そういえば最近食べてないな。いろんなメニューが俺の腹に攻撃を仕掛ける。
胃袋に徐々にダメージを受けつつ、最終的に俺が選んだのはハンバーグ定食ライス大盛だった。自分で作ることは無いし、コンビニのハンバーグ定食はソースが濃いめでハンバーグを食う! という感じではない。やはりファミリーレストランにはハンバーグが似合うな。
注文を伝えると水を口にしつつじっくりと出来上がるのを待つ。この時間は嫌いではない。待ってる間に胃袋を痛めつけ、その後の食事で救いを与えるのだ。
ハンバーグ定食が来た。中が生焼けで自分で鉄板に押し付けて食べるタイプではなく、厨房のほうでしっかりと調理されたハンバーグだ。早速ナイフで切り分け口に運ぶ。
中から肉汁がしみだして口の中を喜ばせる。専門店のハンバーグにはかなわないだろうが、それでも俺の胃袋は好んで消化していくようだ。
サラダと米を挟みながら、しばしゆっくりとした食事を楽しむ。食事の途中でホットコーヒーを追加注文する。
モニュモニュとハンバーグを咀嚼する。この奥歯で感じる脂の風味がとても心地よい。今日はハンバーグで正解だったな。付け合わせの人参も甘く味付けされていて、毎回口の中を違う味わいが次々と楽しませてくれる。
気が付けばすべて平らげてしまった。タイミングよく食後のコーヒーが運ばれてくる。コーヒーの苦みで口の中をサッパリさせる。今日は良い夕食を取ることが出来た。明日はトーストに卵と総菜を挟んで脂質が多めの朝食を取ることになりそうだな。
食事が終わり会計を済ませ、いい気分で家に帰る。干していたテントとエアマットをしまい込み、風呂を沸かして洗濯物を洗い、風呂を出て干す。今日やることはそれだけだ。
家に着き、早速風呂を沸かす。沸かしている間に明日の予定を立てる。明日は文月さんが一緒だ。一泊二日のいつもの九層狩りになりそうだ。ついでに森の中央にはモンスターだらけで何もない事を伝えておかなければいけないな。
風呂が沸き、全裸になると服とタオルを洗濯にかける。風呂でゆっくりとした時間を過ごす。いつもは風呂で考え事をするのだが、今日は何も思い付くことはなかった。昨日の清州は楽しかったな。また行こう。出来れば週末でないときに。そうしないと毎回串焼き屋で買い物をしてしまいそうだ。
風呂から出るとパジャマに着替え、ご就寝である。今日は本当にゆっくりとした時間を過ごした。たまにはこんな日があっても良いだろう。後は眠れば残った疲労も回復してくれるはずだ。おやすみなさい。
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