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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第三章:日進月歩

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181:茂君再び

千二百万PVぐらいでした。ありがとうございます。

年末ですがいつもの調子で更新しますのでだらーっと見たり後でまとめてみたり自分のペースでどうぞ。




 七層を六層へ向けて自転車で駆け抜ける。徒歩で二十分かかる行程を五分で済ませる。やはり時間短縮に自転車は有用だな。持ち込んだ奴を褒めてやらないと。


 早速六層へ戻ると、三本目の木をにらみつける。ダーククロウはまだリポップしていなかった。それはそれとしてワイルドボアは元気に走り回っている。こいつらのほうがリポップは早いのか。


 ワイルドボアを蹴散らしつつ三本目の木へたどり着くと、すぐに茂君の茂り具合を確認する。茂君は……いた。さっきほどではないが、なかなかの茂り具合だ。これなら十分相手するに足るだろう。


 ワイルドボアは道中に六匹ほど居る。周りに誰も居ないことを確認すると、パチンコ玉で直線状に居る一匹を攻撃してこっちに向かせる。


 見事に目に当たったのかその場で立ち止まるワイルドボア。それにリンクして残りのワイルドボアがバラバラにだが此方へ向かってくる。これはとても都合がいい。


 いつものグラディウスに持ち変えると一匹ずつ順番に狩っていく。たまには小技で盾で受け止めて突進を受け止めた後で脳に向かって上からグラディウスを差し込む。確実に脳まで剣先が達したワイルドボアは黒い粒子に還る。ドロップ無し。


 二匹目、ドロップ無し。三匹目、ドロップ肉。四匹目、ドロップ肉と魔結晶。五匹目、ドロップ肉。六匹目、ドロップ無し。そして最初に目を潰してその場で蹲っていたワイルドボアに止めを刺すと、革が出た。七匹で〆て七千五百五十円(税込み)なり。


 かかった時間はおよそ三分。このペースでどんどん来てくれるなら歓迎なんだが、ここは視界が開け過ぎたサバンナマップで視界内ではモンスターはリポップしない。かといってだるまさんがころんだをしながら歩くのはペースがゆっくり過ぎる。前を向いて歩くほうが効率的というものだ。


 茂君へどんどん歩み寄っていく。聞こえてくる茂君の鳴き声。それがおよそ五十メートルの範囲に入った途端、ピタッと鳴りやむ。そして複数の視線を感じる。鳴いてる最中よりも鳴き止んで居てくれているほうが狙いがつけやすくて助かるよ。周りに人影は……無し。


 数は……二十八羽。バードショット弾を二十八羽に向けて射出する。今回も一羽も外すことなく、すべてに弾が当たった。茂君達は声を上げないまま全員撃ち落とされていった。スライムが寄ってこないうちにドロップ回収しないとな。


 木の根元に近寄って範囲回収を試みる。ぱっと見全て拾い終わった。また五百グラムほど羽根を拾った。魔結晶は六個。羽根は売らないので実入りは三千三百円(税込み)だ。しかし、快眠に価値をつける事は不可能なので今回の収穫はプライスレス。


 茂君を無事討伐し終えたら一本目の木に向かう。念のため後ろを確認して、真後ろにワイルドボアがリポップしてないことを確認する。居なかった、少し残念。


 一本目の木にはさっきと同じぐらいの賑わいが見える。どうやら三十分ぐらいでリポップするようだな。その間に人が通ってない事も大事かもしれない。清州ダンジョンみたいに人が頻繁に通るような場所だと、一度掃除すると暫くリポップしないかもしれないな。


 一度試したくはあるがスキルの都合上そうそう見せるわけにもいかない。文月さんと清州ダンジョンに潜る機会が有ったら試してみるのはアリだろう。


 木と俺との間には今日もワイルドボアが居る。君が襲ってくれるなら俺は悪にでもなろう。三匹しかいないのは残念極まりない。もう三匹ぐらいリポップしていてほしかった。


 三匹を順番に、でも丁寧かつ軽快に倒していく。出たのは肉一つ。三匹で肉が出ただけちょっとだけ得をする。一本目の木に到達すると、反対側から人が歩いてくるのが見えた。一人だ。これではダーククロウは処理できないな。大人しく警戒範囲に入らないように迂回していこう。


 すれ違いざまにお互い頭を下げる。見ない顔だった。もしかしたら、彼が紙皿に書かれていた鈴木さんだったかもしれない。


 反対側から人が来たという事は、俺が見ている限りワイルドボアはリポップしないであろうことが予想される。これは肉三つ分ぐらい稼ぎ損ねたな。タイミングが悪いというのはすれ違った相手に失礼か。


 しかし、モンスターに出会わないという事は駆け足で階段までたどり着けるという事だ。それは時間短縮になるし、その分四層で稼げる。悪い事だけではないな。えっほ、えっほと駆け足で五層への階段へたどり着く。


 そのまま階段を駆け上がると、五層の手前側にはまだ何もリポップしていなかった。木にはいくらかダーククロウが止まっているという事はさっきの人は手出ししなかったんだろう。


 駆け足でも良いな。ジョギング気分で移動時間を短縮する。ほんの十分ほどの差だが、その間にゴブリンなら十匹ぐらい狩ることが出来る。五千円でも積み重なればそれなりだ。前後を確認すると五層三本目の木……なんかわかりにくいな、もうちょい解りやすい言い方は出来ない物か。


 とにかく五層の三本目の木だ。九匹止まっていたのを全部撃ち落とすと羽根と魔結晶を手に入れる。ここまでで二千百グラム。一日でこれだけ手に入れれば十分だろう、残りの木には止まってなくても良いぐらいだ。


 颯爽と二本目の木に向かう。ワイルドボアは三匹しか湧いていない。やはり五層は移動する時間がネックだな。ここほど自転車で駆け抜けたいところも無いだろう。全力で駆け抜けた後、振り向いて保管庫に放り込んでヘトヘトになったワイルドボアを順番に処理するのだ。まとめて処理出来て移動時間も短縮できて良いことづくめだ。


 問題は、それだけの距離を自転車で駆け抜ければじぶんもヘトヘトになっているであろうことか。それではあまり意味が無い。なんか五層を通りぬけながらうまく儲ける方法は無いものか。リポップを増やす方法か、ドロップを増やす方法か。


 二本目の木にはダーククロウは無く、その代わりに空中に漂うダーククロウが複数羽いた。こういう時は頭上注意だ。うっかりフンを落とされては臭い。肉体的にダメージは無いが精神的なダメージは結構大きい。


 ここはさっさと通りぬけて追いつかれないようにしよう。っと、上を見ていたら目の前までワイルドボアが迫ってきていた。同時にフンを食らわないように警戒しつつ戦うのはワイルドボアといえど少々面倒くさいな。


 ワイルドボアは一撃で葬り去り、その後出来るだけ同じ個所に留まらないように常にフラフラと移動しながら上空を警戒する。相手の軌道が読めればそこに向けてバードショットを打ち込めば撃ち落とせるんだが。


 一本目の木に向かっていく間にダーククロウの警戒範囲から外れたらしく、上空に居たダーククロウは二本目の木に向かっていくと木に止まって一休みしている。にゃろうやり返してやろうかとも思わなくもないが。ドロップを拾いに戻るのもまた手間だ。また今度にしといてやる。


 一本目の木に差し掛かる。奥にはワイルドボアが四匹見えている。同時に来られる可能性はゼロじゃないので丁寧に処理していこう。木には八羽のダーククロウ。つまりこっちには八発の弾があればいいわけだ。よしもういっちょ……の前にだるまさんがころんだ。よし、誰も居ないな。


 八匹にロックオンマークを脳内で付けるとそれに向けてバードショット弾を射出。胴体を貫通していく。羽根が舞い散り魔結晶が落ち、木ははげ山となった。木に近寄りドロップを確認。うん、魔結晶が三つ落ちたのは割が良いな。


 そのままのペースを保ちつつ、前方に見えるワイルドボアに早めにパチンコ玉をぶつける。これはダメージを期待するものではなく、こっちに意識を向けさせるためだ。ワイルドボアは走ってよってくるが、こっちは駆け足。焦って近寄る必要はない。大事なのは自分のペースに持ち込む事だ。


 体重を足に乗せるタイミングとワイルドボアの体当たりのタイミングを合わせ、ぶつかると同時にステータスを一時的にブースト、盾を構える。全力でぶつかったがこちらは一センチも下がらない。逆に全力でぶつかりに来たワイルドボアの鼻が潰れる。そのままワイルドボアの脳天にグラディウスを叩き込んで黒い粒子に還す。


 残り三匹、全部呼び寄せてしまうか。それぞれにパチンコ玉をぶち当て、こっちに意識を無理やり向けさせる。歩きながらさっきの一匹と同じ方法で黒い粒子に還すと、革と肉のドロップを得る。三匹のドロップとしては美味しい。


 後は階段に向けてまっすぐ歩くだけだ……だるまさんがころんだ。はずれ。十分ほどランニングして早めに階段にたどり着く。これで十分、更に四層で仕事をする時間が増えた。貴重な十分だ、大事に使っていこう。



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続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 一向に話が進まない。 ずっとこういう感じなのかな?
[気になる点] (普段こんなに丁寧な安村さんが、お布団や自転車への紙皿通信に一切参加しないと色々バレちゃいそうな予感…)
[一言] 木はポプラの木なのかな?
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