17:ギルド職員は忙しい
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ダンジョンで潮干狩りを
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「どういうこと?」
資源管理を一手に引き受けているギルド職員から驚きの一言が上がった。
「スライムを専門で狩ってるおじさんが居ましてですねー。その人が一日でこれだけ稼いで帰ってきちゃうんですよー。ギルドの規約上、資源の引き取りは拒否できない事になってますしー」
「それは解ります。問題は量ですよ量。ここ四日間でいきなりスライムのドロップ品が急増してるけどいったいどうすればこれだけ取ってこれるわけなの?」
「それは本人に確かめてみるのが一番じゃないですかねー。今度ダンジョン潜りに来た時に連絡するよう受付に確認してみたらどうですかー?」
「それはそうね。これだけの量を納品されると定時に帰れないじゃない!」
「ですねー。まぁみんなでやれば早く帰れるでしょうからやるしかないですねー」
ギルド職員が二人、本日の買い取り資源の数合わせに参加している。
安村から買い取った量は通常のギルドでは大した量ではないだろうが、ここは田舎の過疎ダンジョンである。ここ数日で突然増えた買い取り量に困惑していた。
「支払い業務全部終わりました……ってまたスライムがどっちゃりですね」
「そうなんですよねー困っちゃいますよねー」
雑談しつつも適切に買い取った資源を処理していく。処理していくスピードが落ちてないのは慣れだろう。
「この人、安村さんだっけ?これから毎日スライム狩るんですかね」
「でもこの人、不思議なんですよねー」
「不思議って何が?」
「どうみてもダンジョンで狩りに勤しむ格好じゃないんですよー。そりゃFランクなんだから潜れる階層も浅いしランク上がるまでは地道にやるしかないのは解るんですけどー」
「解るんですけど?」
「あの人今日、熊手しか持ってませんでしたよー? あとソロで潜ってるみたいでしたねー」
受付嬢は清算作業を早々と進みつつ、疑問に思った。
「……熊手? 」
「はい、熊手ですー」
「潮干狩りにでも来てるの? 」
「解りませんー。直接本人に聞くしかないんじゃないですかー? 」
「支払いの時に一度聞いてみたらどうです? 」
「う~ん、ダンジョン探索はネットに上がってる方法もあるけど、人にとっては大事な飯の種だからそう簡単に教えてもらえると思わないですケド」
「じゃぁ、粛々と処理するしかないですねー。これが私たちの仕事ですしー」
「はぁ……今日は残業かしらね」
「頑張ればギリギリ終わりますよきっと」
結局、確認作業が終わったのは定時を三十分すぎたころだった。
そして安村のあだ名がスライムのおじさんから潮干狩りのおじさんに変わることになった。
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