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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第一章:四十代から入れるダンジョン

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16:スキル考察

ダンジョンで潮干狩りを

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 オーブが光り体内に沈み込んでいく。すると全身が発光し始めた。一分ほどで光は収まり元に戻る。俺は体のあちこちを調べたり鏡で確認してみたりしたが、特に違和感はなかった。


 よし、スキルを使えるかどうか調べてみよう。俺は頭の中で【保管庫】と念じてみた。


 どうやら、【保管庫】スキルは口に出さなくても使用できるらしい。これで一つ俺の平和が保たれた。


 出し入れするたびに【保管庫】と口に出す必要があるならばれるのは時間の問題だったがその心配は無くなった。


 俺の頭の中にリスト表示が浮かび上がる。なんだかファンタジーっぽくていいなこれ。試しに今から食べるつもりだったゆで卵を入れてみる。何もない空間にゆで卵が吸い込まれて行った。リストに新しい項目が生まれる。


 卵(固ゆで)x一


 ちゃんと表示された。ゆで卵の状態まで確認できるのか、便利だな。もう一つ入れてみる。


 卵(固ゆで)x二


 二個に増えた。この二つのゆで卵はおそらく「全く同じ状態ではない」ゆで卵だが、大体似たようなものは同じとして扱われるんだろう。次は生卵を入れてみる。


 卵(固ゆで)x二

 卵(生) x一


 うん、ちゃんと別のものとして管理されているな。次の検証をしてみよう。


 ここに取り出しましたのは、ラップに包んだ小麦粉が三つ。それぞれ百グラム、二百グラム、三百グラムにしてある。これを別々に投入してみる。リストを見やすくするために卵は抜いておいた。


 小麦粉(百グラム) x一

 小麦粉(二百グラム) x一

 小麦粉(三百グラム) x一


 ラップでくるんだ小麦粉はまとめられずに個々の物質として登録された。小麦粉を全部取り出すと、今度は百グラムずつをラップで包まずに粉のまま放り込んでみる。予想通りなら、これらはまとめて六百グラムとしてリスト化されるはずだ。


 小麦粉(六百グラム) x一


 うん、予想通りまとめて表示されたな。仕様は大体理解した。後は……ん、なんだこの倍率って。倍率倍率……保管庫で倍率……これはもしかして、時間経過か?


  項目をいじってみると百倍~百分の一の間で設定できるようだ。さっそく試してみるか。とりあえず時計を放り込んでみることにする。時間は一/六十で設定してもう一つ時計を用意すると、時間を合わせて片方を保管庫、片方をそのまま置いて、夕飯のカップラーメンを作ることにした。


  三分後。保管庫から時計を取り出す。結果、保管庫内の時計はほぼ三秒経過していた。どうやら時間経過を百倍の速さから一/百倍の速さのあいだで調整できるらしい。


 個々の物品で経過時間を設定できるかどうかはまだ解らないが、長持ちさせる、または早く経過させることができることに違いはないようだ。


 つまり、三分カップラーメンなら入れて出すだけで良い感じになっている。


 早く経過させることに利点を見出すことはまだできないが、遅くできることには大きなメリットがあるだろう。


 例えば、この間初めて出会ったグレイウルフのドロップ品として知られている肉がある。これを拾って保管庫に入れておけば、新鮮なままダンジョン外に持ち出すことができるだろう。おそらくだが、スキルオーブが出た時も同じように寿命を長く保たせることができると思う。


 四十八時間の制限時間が四千八百時間になるってことは、およそ二百日の間スキルオーブを保管し続けることができる。他人のスキルオーブを預かって好きな時に出す、という商売は俺の身を危うくするだろうから、生ものの保存なんかに効力を発揮してくれるだろう。


  考えることがまた増えてしまったが、最後に大事なのはいかにしてスキルを隠しながら使用するかだが、バッグから出し入れしているフリをして使用すれば、当面問題はないかな、と一人納得しておく。疑問に思われる事になったらバッグをでかくするなり手立てはある。


  とりあえず今日はこんなところか。俺はラーメンをすすりながら次に検証する内容を考えてメモしていく。最大容量が何を基準にして保管量として機能するのか、質量なのか体積なのかそれ以外の何かなのか。


 部屋の模様替えをする時にでもやってみるかな。俺はもう寝てしまうことにした。明日何をするべきかは起きた後で考えよう。


作者からのお願い


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続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
何だかな…便利過ぎて…ね?
ダンジョンが出来て3年 スライム叩きまくって未確認の保管庫のスキルオーブドロップ オーブの使用時間のカウントダウン表示有り 主人公が研究者気質 ほか細かい描写が色々となんかどこかで見た様な設定だなあ …
[良い点] いろいろと記録して考察しているあたり、この主人公絶対頭キレる人だわ
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