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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第三章:日進月歩

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139:ダンジョン警察24時

 

 四層の階段を上がったところで周囲を確認し、モンスターが居ないことを確認すると休憩だ。ここまでざっと一時間。時刻は午前五時という所か。


 五層と六層は周囲に対して気を張っていなければいけないので若干精神的に疲れる。ここから暫くぶっ続けで戦う事を考えても、今のうちに休憩を取っておくのは大事だ。


 休憩と言ってもいつものカロリーバーと水を流し込み、体のあちこちを伸ばして戦闘態勢になっても体が十全に動くように確認する。


 よし、どこも問題は無いな。さぁ、深夜徘徊中の悪ガキどもを天国という家に帰しに行こう。三層への階段へ歩き始めると早速、五人の集団が現れた。みんな棍棒を持ち四層を練り歩いている。危険だ。警察二十四時なら補導を始めて自宅に帰る様に促す場面である。俺も真似をする。


「やぁ君達、こんな時間に何をしているのかな? 若者はお家で寝ている時間だよ。大人しく還りたまえ」

「ギギッ! ギギ! 」

「ギギッじゃない! 早く帰宅したまえ」


 逆上した若者たちは我先にと本官に対して攻撃を仕掛けようとしてくる。これは正当防衛だな。最初に来た一人の棍棒を掴んで無理やり引きはがすと、心臓に対してグラディウスを突き刺す。グリグリとねじったところで黒い粒子になって自宅へ帰っていく。素直が一番だぞ。


 残りの四人も同じように棍棒を振りかぶって襲ってくるが、そういえばヘルメットを変えてから耐久試験をしてない事に気づく。ステータスブーストを使って防御力を上げた状態であえて頭で受けてみる。


 どうやらヘルメットに傷は無く、頭を軽く殴られた程度かな? という振動だけが伝わってくる。うん、高いヘルメットを用意した甲斐があったぜ。


 耐久力テストを確認したところで、お礼に頭突きをしてヘルメットの有用性を証明する。ゴブリンは頭に衝撃を受けた影響でフラフラしだした。グラディウスを脳天に突き刺すと、ゴブリンは天国へ上っていった。


 残り三匹。どうやら闘志は挫けていないらしく、仲間二匹をやられたにもかかわらず勇敢にも立ち向かってくる。勇敢さには勇敢さをもって対応しなければならないな。久しぶりに出番のある小盾で棍棒を弾き飛ばすと、そのままグラディウスで首を刎ね飛ばす。


 残り二匹。もう面倒くさくなってきたな。ステータスブーストで一気に距離を詰めると、次々に首を刎ね飛ばして五人の補導は終わった。


 ドロップは魔結晶が二個と悪くない収穫だ。いきなりヒールポーションを期待するのは贅沢を言いすぎってものだろう。さぁ、次の不良少年を探していくか。


 誰も居ない影響か、どんどん不良少年が現れては粒子に返還されて行く。中々の密度だ。多すぎず少なすぎず、倒したら次のお代わりが来るような理想的な狩場……もとい補導場になっている。


 時々剣を持った不良少年がいる。これは危ない、暴力的集団に一歩踏み込んでいる危険な少年だ。早く武器を没収して補導してしまわないと他の人に危害を加えたりするかもしれない。


 不良少年たちは三分に一回ぐらいのペースでやってくる。きっと、仲間を呼んできているんだろう。俺しかいないはずのこの四層ではとてもありがたい事だ。


 もしかして熊手でも対応できるんじゃないのか? と思わなくもないが、油断は禁物だ。グレイウルフなら何とかなるが、ゴブリン相手に熊手で対応するには少々攻撃力不足であるし、射程も短い。わざわざ潮干がる理由としては薄い。やはり潮干狩りにはスライムだな。


 気分を変えるためにたまにパチンコ玉で頭を吹き飛ばしたりもしている。どちらにせよやる事とやられる事に変化はない。その変化の無さが俺に精神的安定と機械的作業風景を見せてくれている。


 完全に作業化した青少年補導によって、俺の心はまたどこかに旅だとうとしていた。頭では全く違う事を考えている。動作は体が覚えている。なら頭は自由で良いだろう。


 ゴブリンには意思と思考がある。男性より女性をターゲットにしやすいあたり相手の性別や容姿、行動を認識する能力はあるらしいことが主な理由だ。


 以前ゴブリンのドロップを確定できればヒールポーションが取り放題になるのではないかといくつかの商品を食わせて食事中に〆てみたが、満足な結果を得ることは出来なかった。


 ゴブリンにはそもそもわざわざ飯を食わせて食事中に戦うメリットがあるのか? と言われると微妙なところである。一匹五百円という期待値があるので、ガンガン補導していくほうが効率的だ。特に小西ダンジョンではゴブリンも結構生息しているので顕著だ。


 その中で最も密度が高いであろう四層で狩りを満喫しているので、そういった検証は俺より腕の立つ、検証者に任せよう。もし発見されたらそれこそ大問題になりかねない。


 問題を起こすのは一回で充分だ。スライム騒ぎでそれは実感した。俺の食い扶持と精神的安定を保つためにはこれ以上その手の検証をするのはやめておこうと思う。


 深層に潜るための準備をひたすら続ける。欲しいのはヒールポーションとゴブリンソードだ。ゴブリンソードは手持ちの中で最も使える射出武器として優秀だからである。一キログラム近くの質量が秒速三百メートル近くで飛んで来たら、これまで出会ったモンスターなら確実に仕留めることが出来る。


 非常時の事も考えて、ゴブリンソードは何本あっても構わない。だからこそ四層でゴブリン狩りをするという事にメリットが出てくる。現金にはならないが、最終的に現金になってくれるのはスキルのおかげであるという嬉しい話だ。


 前も似たような事を考えたような気がするな。年取ったせいかな。まぁいいや、思いつくことについて再度考えることは、新しい使い方や技術を生み出すための栄養分みたいなものだ。


 こうして考えごとをしている間にも、不良少年たちはお家に還っていく。ヒールポーションは二個、ゴブリンソードは一つ、そしていくつかの魔結晶を補充することが出来ている。


 三分に一回三匹ずつ出てくるとして一時間に六十匹。一匹の期待値が五百円だから時間当たり三万円。九層ペアで真剣に狩りをすれば倍の効率で戦うことが出来るが、一人だと処理速度がまだ若干心もとない。今日はここで十分だ。


 今の時刻が午前五時半だから……ダンジョンで入口まで行くことを考えても三時間ぐらいは居られるな。一時間おきぐらいに少し休憩をはさみつつ、青少年の補導に力を入れていこう。


 三層への階段へ向かいつつ、時々側道も見て回る。警ら巡回は大事だ。隅っこでタバコ吸っているガキを見つけては補導し、輪になって踊っている完全にシンナーをキメたガキを見れば補導し、何もせず家に帰ろうとうろついているガキを見つければ補導する。


 一時間ほどかけて四層を巡回し、今日も平和だったと日誌をつけると三層に上がる。


 三層では刃物こそ持たないものの棍棒で武装した半グレの集団が発生しているという通報がきている。四層ほどの危険はないが、三層も危険地帯と認識せねばならない。


 三層を歩くと徒党を組んで歩くまたも少年たちがいた。本官のほうを見ると一直線に向かってくる。これは正当防衛だな。


 棍棒を盾で受け止め、がら空きの心臓部分へグラディウスを突き刺す。ひたすらこの繰り返しだ、この手が一番補導の役に立つ。非行少年たちは魔結晶かヒールポーションを残して天国へ逃げ去っていく。もう来るんじゃないぞ。


 三層を一時間ほどかけて巡回する。どうしてこんなに少年ばかりいるんだ。少女も居るかもしれないが、少子高齢化という話は何処へ行ったんだろうか。ここには子供ばかりだぞ。


 もしかしてここの少年たちは親に捨てられ戸籍がないのであろうか。ならば余計に補導・確保しなければならないな。


 三層を真っ直ぐ二層へ向かって歩いていく。直進通路を通っていく間だけでも、十回ぐらい少年たちと出会うことになった。やはり夜間警らは危険が危ないな。


 階段へ着くとまた水を一口飲み、少し休憩して二層に上がる。二層では最近、リードを付けずに犬の散歩をさせているとの通報がある。見つけたら犬は殺処分しなければならないな。水を一口飲んで喉を潤すと、二層の巡回を始める。


 少し歩くと早速深夜の散歩中の犬二匹の登場だ。これは正当防衛だな。


犬はリードにつないで散歩させなければだめだろう。犬を殺処分すると、罪のない犬に対して成仏してくれと黙とうを少しささげる。さぁ、次の被害者を増やさないためにも警らを続けよう。夜はまだ長い。じっくり対処していこう。


 深夜だというのに、犬だけがうろついている。これは野良犬だな、ここも治安が悪くなっているのか、それとも捨て犬が多いのか。


 片っ端から殺処分していく。時々犬は肉と魔結晶をくれるが、これは供養代金として自ら残していってくれているのか。有り難くその資金に充てさせてもらう。


 二層を軽く四十分ほど巡回したところで、三層に戻る。やはり危険なのは三層だ。今日は重点的に三層を警らしていこう。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 最初の方で今午前五時と書かれていますが、その後ゴブリンとの戦闘中に時間を確認すると午前4時半に戻ってしまっています。
[良い点] ゴブリンをたくさん天国に送ったこと [気になる点] ゴブリンソード何本くらい持ってるのですか? [一言] 投擲で片付く雑魚ばかりなら楽ですが
[一言] おじさんの抵抗なし推論その2 ゲーム感覚。
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