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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第三十章:新年

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1382/1385

1382:ある日せっせと野良稼ぎ

ダンジョンで潮干狩りを

Renta!等いろいろなサイトで発売中です。是非とも続刊のためにもご購入のほうよろしくお願いします。


「さて……今日はいつもの奴はないのかな? かな? 」


 ミルコが急にそわそわしだした。どうやらいつものアレが欲しいようだ。


「わかったよ……はい、今日の分」


 いつものコーラとミントタブレットと新作お菓子の山をドサッと乗せる。


「今日はいつもより多めだね。これはあれかい、七十三層作成お疲れ様記念ってことでいいのかい? 」


 しっぽがあればブンブン振っているであろうミルコの態度に苦笑いが出そうになるが、しっかり餌付けして何か問題が発生した場合にすぐに連絡が取れるようにしておくのは大事だからな。


「そういえば、祭壇のほうはどうだ、ちゃんとみんな捧げものを続けてくれてるか? 」

「そうだね、一日に数回あるね。毎回捧げてくれる良い人もいるから、その人にはちょっとだけサービスしてるようにはしてるよ」


 ちょっとのサービスって何だろう。ちょっとドロップ率いじってポーション多めに出したりとかだろうか。そこまでの機能はないって前に行ってたような気がするが、もしかしたらドロップするスキルオーブを欲しそうなスキルオーブをお出しするぐらいなら出来るとは前にいってたし、そのあたりだろうか。


「じゃあ、僕はデバッグ作業に戻るから安村も頑張って稼いで行ってね」

「おう、またな」


 ミルコは転移していった。さて、祭壇にご利益はあるんだという噂を流すかどうかはともかくとして、今日もちゃんと収入を得ないとな。このまま配信を流していたい気持ちもあるが時間と金を重視する俺としてはここは我慢していつもの収入を見込んで探索開始だ。


 ◇◆◇◆◇◆◇


 足早に七十一層を駆け巡る。ここのモンスターは多くても二匹までで、それぞれのモンスターはそれなりに間隔が空いてリポップするので移動時間でかなり時間を喰ってしまう。時代が時代で場所が場所ならローラースケートを履いたまま移動しながら軽やかにモンスターを駆逐してくんだろう。


 移動も車でと行きたいところだが、どうせならオープントップの車で移動しながら芽生さんが運転しながら俺が倒して、ドロップも拾っていくというのが一番効率が良さそうではあるが、芽生さんはまだ免許を持ってない上に足場がそこまでよくはないのでこの案は却下だ。


 そうなると、やはり徒歩での移動でどれだけ素早く動けるか、という風になってしまうので結局今の形に落ち着くところだが、それでも収入は多めに欲しい。ポーション一本分毎日多く拾うことが出来れば日々の糧として充分な収入を得ることができる。


 そのポーション一本を確実に入手するためにこうやってたまには駆け足で次のモンスターが出てくるまで走るんだが、走って止まって撃って拾って、を無限に回収していると一種のランナーズハイに突入する。もしくは、意識を何処かに飛ばして遊ばせておいて、肉体だけ動かすようなそんな状態になる。


 しばし、意識を飛ばして肉体だけを適切に動かし、遊びにいくことにしよう。しばらくは集中の時間だ。


 ◇◆◇◆◇◆◇


 一通り終わっていつもの時間になった。さて、帰り道のサメをぶっ飛ばして、フカヒレとポーションを手に入れると今日の仕事も終了だ。今日も一杯働いたらしく、保管庫の中には大量の魔結晶とフカヒレ、そしてキュアポーションが適切な数入っている。これだけあればいつもの分量にはなるだろう。


 いつも通り車でエレベーターに横付けすると、リヤカーがまだ二台あることを確認する。高橋さん達頑張ってるな。もしかしたら一泊コースで派手に稼いで帰るのかもしれない。その為のリヤカーだとすれば納得もできる。


 こっちもリヤカーを引いてエレベーターに戻……る前に、ネットの配信を確認する。どうやら五階層までたどり着いた配信があるらしいのでそれを見てみるが、聖蹟桜ヶ丘ダンジョンの五階層はサバンナマップだった。


 どうやら旧来のダンジョンを踏襲しているらしいが、先ほどこの探索者は宝箱を見つけたらしく、中身についてログが残っている。どうやらキュアポーションが出たらしい。この階層では当たりに入るだろうな。俺がたまに茂君からドロップしているのもキュアポーションだったはずだ。


 それだけ確認すると、エレベーターに乗り込む。あくせく働いている間に他の探索者も自分なりに稼ぐために色々努力をしていることがわかった。ただ気になるのは新熊本第二ダンジョンとこの三つの新しいダンジョン、エレベーターの使用条件は共有されているのだろうか? という点だ。


 もし共有されているなら、俺が例えば聖蹟桜ヶ丘ダンジョンに潜る事態になったとしても二十一層からスタートできる。この時間をショートカットできるのは非常に美味しい。出来れば共有していてくれることを望むところだが、確認するためには行かなきゃいけないんだよな。謎は謎のままにしておこう。


 今更新しいダンジョンに潜るのは正直言ってかなり面倒だ。既存ダンジョンですら面倒だと感じているし、先月熊本に行ったばかりである。もうしばらくゆっくりしていたい。出張探索はしばらくはなしだな。


 もしかしたら、だが芽生さんにくっついて一時期東京方面に身を置くことになる可能性はあるが、その場合芽生さん以外の探索者連中はどうするんだろう? やっぱり熊手片手にスライム六千匹狩る所から始めるんだろうか。


 その場合は……まあ、初回サービスとして熊手ぐらいはプレゼントしてもいいかな。それで頑張って地力を上げてもらって順当に上がっていってもらうとするか。


 さて、探索・オブ・ザ・イヤーの続きを読むとしよう。コラムでは、ダンジョンのなくなった後ということで白馬神城ダンジョンのその後を追跡調査している。


 どうやらもともと観光地だったことでダンジョンがなくなって不安も解消されたことにより、それぞれの季節でもちゃんと周辺の観光業は軒並みダンジョンができる前まで持ち直している、むしろ探索者による固定客が減ったことにより一部にとっては減収になったとまで書かれている。


 白馬神城ダンジョン近くに宿をとって、エレベーターで行き帰りをして、飯と寝床を確保しつつ稼働していたという探索者もそれなりの数いたってことになる。ダンジョン景気が一区切りついた白馬神城ダンジョン付近は冬のレジャー客の到来を待ち遠しくしている……として文章は区切られていた。


 記事が書かれた段階でスキーシーズン一歩手前だからか、少々文章の切れ具合は悪いが、今頃はスキー目的の観光客でごった返している可能性もあるってことか。そのダンジョンの主は今日まさに新しいダンジョンを開通させてしばらくは忙しく走り回っていることだろう。


 七層について茂君ダッシュ、今日の分をきっちり二回確保すると、一層に戻ってリヤカーを引いて退ダン手続き。その後で査定カウンターへ向かい、いつもの仕分けられたドロップ品を渡していく。リヤカーごと渡せた新熊本第二ダンジョンのやり方のほうがこの辺は賢かったな。


 小西ダンジョンがもし拡張することがあればその辺も改造されるんだろうか、とおもいつつも、そういえば去年カウンターを増設したばかりだったことを思い出す。しばらくはそのあたりの変更はなさそうだな。


 五分ほど待っていつものお賃金、四億三千百四十六万九千円のレシートを手渡される。素早く回ったのがやはり収入に直結するな。この辺七十三層以降ではどう変わるのかがちょっと気になる所だが、ポーションと魔結晶以外で収入が無さそうなことを考えると早くポーションの実験体の結果が気になる所である。


 支払いカウンターで振り込みを選択。振り込みが完了したらいつも通り休憩室で熱めの水をもらう。それを飲んで胃袋から温まったところで、今日の仕事が終わったことを告げる。後は帰るだけだな。


 バスの時間を確認して外へ出るが、やはり夜は冷える。早いところ【熱変動耐性】のスキルを覚えてしまいたいものだな。山から吹き下ろしてくる冷たい北西の風に吹かれながら、後数分で来るはずのバスを待ち焦がれる。


 寒い分だけ待っている時間が長く感じたが、定刻通りにバスは到着した。これでバスが出遅れていたら俺は冷えて固まっていたかもしれない。これ以上寒い地域があるっていうんだから恐ろしいものである。寒い思いは出来るだけしたくないもんだ。寒い、ひもじい、寂しい。この三つはメンタルに来る。


 今のところ寒いのはバスの暖房で解決できているし、ひもじいのは家に帰れば好きなだけ弁当をチョイスして食べることもできるし、寂しいはまた定期的に芽生さんに会うので解消できる。今のところメンタル的に俺を攻め続けてくるものはないらしい。良かった。


 駅に着くまでに軽く弁当の内容を参照して、夕飯何を食べるかを考える。今日は何にしようかな……温めて食べれるものなら何でもいい、というのが今の心境だ。今日は結構お腹が空いたので量の多そうなものを選びたい、もしくは帰りのコンビニで追加品を調達して帰りたい。


 今日は何腹かな……と考えてるうちにバスは駅へ着いたので、乗り換えて駅でまた電車を待つ間少し寒い思いをする。しばらくして電車が来たので乗車し、また電車の中の暖かい空気で包まれる。最寄り駅まではできるだけ真ん中らへんに居るようにしよう。そうしないと駅に着くたびに寒い思いをすることになる。


 最寄り駅について降車。コンビニへ駆け込んで、暖かそうなものを購入。こういう時はポタージュか何かが良いな。家にストックは……あったようななかったような。なかった時のためにカップスープの粉末を購入。ついでにミルコ用のお菓子を見繕うと、後は肉まんを片手に会計。肉まんで暖かくなりつつ家に帰る。


 家に帰ると簡単な片付けを済ませて私服に着替えると、保管庫の弁当を全部出し一つずつチェック。ボリュームがあって温めて食べる弁当で……おお、うなぎ弁当が隠れていた。こいつにしよう。


 うなぎ弁当を温めつつ熱湯でポタージュスープを濃いめに溶かす。ドロドロさが目に見えてわかるぐらいの濃さに作るのがポイントだ。薄すぎると味わいがなく、喉を通り抜ける気持ちよさがなくなってしまうし、何より今日の弁当であるうなぎ弁当の味の濃さにポタージュが負けてしまう。今日はどちらも立たせたい、というのが本音だ。


 レンジで熱めに温めたうなぎ弁当とポタージュスープでいただきます。流石保管庫というべきか、買ってきた当初の弁当の様子をまだ再現してくれているらしく、まだうなぎの身がパサパサしてない。付け合わせの漬物まで温まってしまっているのはおいといて、作り立てとまではいかないもののうなぎの美味しさを適切に保存してくれていたことに感謝しなければならない。


 そういえば最近うなぎを食べる機会が結構多いな? まあ、それだけちゃんと外で金を使っているということにもなるんだしまあいいや。ポタージュスープも俺好みの濃さで、どろどろとゆっくりと食道から胃袋へ流れていくのがわかる。この濃さがいいんだ。


 うなぎを食べてゴクリ、と喉を鳴らしてしっかりとデパ地下グルメを味わう。これを後一カ月は楽しむことができると考えると非常に気楽で、そして楽しみだな。夕食をある程度バランスよく食べることが出来てしかも自分で作る手間がない。これはかなり金銭的にも時間効率的にも良質な食事と言えるだろう。


 食事が終わったら風呂を沸かしてその間に聖蹟桜ヶ丘ダンジョンのスレッドを見る。どうやら十層までたどり着いた探索者は居るが、十四層まで到着したパーティーはいない様子。そのまま十五層まで走り抜けてボスが居るかどうか確認する予定の配信が一つあるらしいが、彼らなりに苦労はするんだろうなとは思う。十三層の迷宮マップをいかに早く抜けるかがカギになってくるだろう。


 十五層ダッシュ大会参加者も熟練の探索者に違いはないだろうからCランクかBランクか、そのあたりのお祭り好きのパーティーが参加しているはずだ。到着記念配信は俺が寝てる間になるかな。


 ボスを倒してリーンの姿もとらえて、相変わらず通話越しでは何言ってるかわからないけどちゃんとダンジョンマスターに会えたぜ! というのがリアルタイムで配信される流れになる可能性はゼロではない。


 それだけでも充分見世物としてはありだろう。張り付いて応援して居たいところだが明日にはちゃんと明日の予定がある。その予定に沿って行動するのも探索者の務めではある。今日のところは風呂に入ってきちんと身ぎれいにして寝ようと思う。配信しながらボス退治が成功したかどうかは後日にでも確認するとしようか。

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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スキルのみで確殺出来るならオフロードバイクとかが良いかもですね!レベルアップも結構してるし物理耐性もあるし転倒してもたぶんそこまで本人は怪我しないんじゃ無いかな?
配信できるとなるとやはりダンジョン配信もジャンルとして確立していくのかなー これが今後のダンジョンのスタンダードになっていくといいねえ
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