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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第二十九章:ダンジョン探索旅情編 ~旅先で色々と~

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1356:ドロップ品相談

ダンジョンで潮干狩りを

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 ガンテツが現れた。コマンド?


「流石に人の多い十四層では落ち着いて話はできないだろうから、二十一層まで歩いてきてやったぞ」

「おう、出張ありがとうな。まずは二十一層までの到着おめでとう。二十八層まで到着してる探索者はまだいねえからここが現状のセーフエリア最深層ってことになる。ここまで潜ってきてくれたなら充分秘密の会談が出来るって寸法だ。他の探索者には悪いが、ちょっと眠っててもらうとするか。どうやら仮眠をとってる最中みたいだし、ゆっくり眠れていつもより気持ちよく眠れた、ぐらいの軽い誘眠をかけておこう」


 どうやら会話が漏れても大丈夫なように気を利かせてくれたようだ。しかし、催眠ではないが誘眠というスキルもあるのか。きっとマッサージやそっち方面の仕事の人には役に立つスキルなんだろう。そのスキルのために何千万もかけていくかどうかはまた別の話ではある。


「こっちも泊まりに来ているホテルの分と、若干お疲れの芽生さんの分もある。早い所話をまとめて帰りたい気分でな。とっとと話を済ませていこうと思うが良いか? 」

「そうだな、時間は貴重だ。この辺の探索者の中では一番稼ぐ探索者様にわざわざ来てもらったんだ、その時間を無駄にするのは悪いからな」


 ガンテツもその辺は申し訳ないとは思いつつあるらしい。芽生さんは……お眠モードだな。これはしっかり休んでいてもらうか。スノーオウルの枕をそっと頭に差し込むと、そのまま寝ていてもらう。


「文月は参加しなくてもいいのか? 大事な取引の場だぞ」

「疲れてるみたいだからな。俺が元気なうちは大丈夫だろう。さて、話を始める前に一つ聞きたいことがある」

「砂岩マップを何故抜いたか、あたりか? 答えとしては、連続した階層に食品を落としそうにないモンスターが連続するのを防ぐためだ。決して忘れていたわけではない。ゴーレムとそれから何かを出そうと思っていたんだが、ゴーレムとダストマン……だったか? 連続して魔結晶を出すモンスターが並ぶとこれ以上食物が落ちる階層がないんじゃないかと思われる可能性があったためというのが一つ。二つ目は、砂岩マップはどっちかというと狭いダンジョンとして作られているから、リヤカーが通り辛いし戦闘の邪魔だろうと考えたからだ。本来なら各マップには一つ必ず食品を落とすモンスターを用意したかったんだが、ご想像の通り廃墟マップに関しては思いつくモンスターがゾンビとかそういうのになってしまってな。ゾンビから食品が出るのはあまりうれしくないだろうし、攻撃パターンによっては食品が汚れる可能性も考えられていたので、あの階層だけ特別に魔結晶しか落ちない、という形になっている。回答としてはこんなもんだ。大体納得してくれたか? 」


 ふむ、大体想像通りの回答が返ってきた、という所か。まあ、それでダンジョン運営がうまく回ってるならそれでいいと思う。


「そうか、そこだけがちょっと引っかかっていたんだ。ガンテツが納得づくで作ってそれでいいと思ったなら俺は口を出さないよ。ただ、砂岩マップが出ないのにはそれなりに理由があるんだろうと思ってな。さて……お待ちかねの新しい食材だ。どれも高級品だぞ」


 ドサッと一気に保管庫から持ってきた高級食材や生ものを取り出していく。


「それぞれ説明していこう。まずは希少キノコの類だ。またキノコか? と言われそうだが、天然にしか存在してなくて栽培方法が確立していない理由で高級化しているキノコが何種類かある。その内、三大珍味と言われるトリュフ、高級キノコとして扱われているマツタケ。トリュフは白と黒の二種類があってそれぞれ特有の香りと味わいを持っている」


 一つ一つ、キノコを出しながら説明していく。ネットで即日配達とはいえ、どれも結構なお値段がかかっている。気軽に一口で食べてお代わり、と言われないようにしなくてはいけない。


「キノコの中でも一線を画す奴ってことだな。それぞれ中々面白そうだ。袋は開けてもいいか? 」

「どうせ分析するのに使うんだろうから好きに使ってくれ。それは俺からの土産みたいなもんだ。それから、海産物の干しアワビや干しナマコ、三大珍味の一つキャビア、これは魚の卵だ。そしてこれも高級食材のツバメの巣だ」


「干しアワビや干しナマコ、キャビアはまあ解るとして、ツバメの巣ってのは何だ? ちょっと想像つかないな」

「ツバメという鳥の中には、自分の唾液を固めて巣の材料にする種類のものがいてな。これが希少食材として利用されている。どれも高いぞ。と言ってもヒールポーションのランク4と比べれば安いが、金がかかっているプレゼンであることは確かだ」

「なるほどな。キャビアは……孤島マップに今からでも追加で納入してやっても面白いかもしれないな。これはどのぐらい希少なんだ? 」

「一応養殖のキャビアというものもあるので、そこまで希少ではないかな。希少度で言えばツバメの巣が群を抜いて高いな。なにせ、ツバメが巣を作って子供を育てて、巣が要らなくなってからじゃないと回収できない代物でもあるし、採取するためにツバメ用のマンションを建ててそこで養殖ではないが比較的楽に回収できるように半養殖の形で試みているが、それでも希少な食べ物と呼ばれているぐらいだ」


 たしか、アナツバメのマンションみたいなものを作って、そこに一斉に巣を作ってもらって長期的視点で資金回収をする……みたいな話をインドネシアか何処かのニュースで聞いた覚えがある。大変美容に良い……というか、高級食材は大体コラーゲンで出来ていて美容によかった気がするな。


「なるほどな……気軽に量産できないものや高級品をダンジョン素材として一定量確保できると踏めば、それを目的に探索者が押し寄せる、ということにもなるわけか」

「ちなみにアワビだが、ここの地元では天然ものが名産品として流通しているから、それと喧嘩しないためには生きてないけど鮮度が落ちない、といった工夫で住み分けが出来るんじゃないかと思っている」

「ご近所づきあいも大事だな。そうなると比較的早めに出すか、アワビを落とすモンスターを考えないとな……どんなモンスターが良いだろうか……キノコ類は何でもいいし、何ならキノコそのものに手足をつけて、歩き回るようなモンスターでも構わないからな」

「いわゆるマタンゴ、という奴だな。複数種類出して、それに適当にドロップ品を追加していくという手もあるぞ」


 キノコが歩いている光景を思い浮かべるが、頭の中のベースがドラ〇エなのでイマイチ可愛げはない。というかキノコ自身に可愛げを求めるのも何か違うような気がしてきた。


「あとはこの牡蠣という食い物なんだが、自然界の牡蠣はウィルスを内包しているので多量に摂取したり採った場所によってはウィルスまみれになっていてウィルス感染症を起こす。ダンジョン産ならそのウィルスを消し去って、安心安全な生牡蠣を提供できるんじゃないか? 」

「それは確かにできるだろうな。それも考えに入れておこう」


「後はこれは肉になるんだが……アヒルやガチョウをわざと太らせて、その肝臓を食品として食べる文化がある。これが三大珍味の最後の一つ、フォアグラだ。これもまた高級品ということになっているが、わざわざ太らせてそれを採取するのは動物虐待になるんじゃないか、ということで定期的に問題になっている。いわゆる動物を大事にしようという愛護団体が頻繁にやり玉に挙げてる食物の一つだな」

「でも、ダンジョン産なら問題ないってことか。そういう考え方、嫌いじゃないぜ」


 ガンテツがニヤリとする。ダンジョン産のフォアグラなら動物虐待してないからセーフ、という論調だ。世の中にはモンスターも自然の生物として今後認識されていくのだから虐待は罪である……という自然派団体もいるらしいが、この際知ったことではない。


「多分だがハーピーとか、そういう鳥に近いモンスターなら納得もしてくれるんじゃないかと思う。ハーピーってのは……想像上の生物だがこんな奴だ」


 せっかく使えるスマホ、楽に話をするためにとスマホでモンスターの想像図を見せながらガンテツと顔を寄せ合って画像を見る。


「ふむ、なるほどな。こういうモンスターなら使いまわしがきくし、地下でなければどこでもいそうな気がする。選択肢が広がった感じがするぜ」

「あくまで鳥の肝臓として流通させるなら、という場合だ。食肉を流通させるならその肉に合わせたモンスターが居るほうが探索者側もダンジョンマスター側も納得のできるラインが引けることになる」


 その後で冷凍物の熊の手を出して、ガンテツに見せる。


「熊は右手ではちみつを集めて食べるからその味が染み込んでいてこれも珍味として珍重されている。これも高級品だが……熊っぽいモンスターを出して熊の手を出すならそれも一つありだと思う。この先のマップを考えると出しにくいかもしれないが、これが一番自信がないドロップ品ではあるかな」

「熊か……一応考えておこう。どんな階層でも対応できるというわけではなさそうだが、なにかしら使い道はありそうだ。しかし、出せそうな階層のことまで考えてくれるとはうれしいねえ。そういえば馬面はどうだった、評判のほうは」

「そうだな、レッドカウと同じぐらいの強さで肉の質に差があるなら、ウマより牛のほうが人気がありそうとは思ったな。レッドカウの肉は共用品なんだろう? 」

「やっぱりそういう評価になるか。ちょっと失敗だったがまあいい、どっちも気軽に食べられる食材だし、探索者の中には鍋背負ってやってきて、七層近辺で食品求めて肉と鍋と持ってきた調味料で食べて盛り上がるってのが一時期流行ってたな。今はもう、奥の方に潜りだしてその様子はないようだが」


 ふむ、とっかかりとしてのダンジョンの強みは活かせた、というところかな。後は……


「ダンジョン内に住んでる人、それなりに居るのか? 十四層の混み具合だと何パーティーかは中で泊まって探索してるっていう風に見えたが」

「ありゃ夜間狩り用のテントだな。来て夜間狩りして、仮眠した後朝帰っていくようだ。どうもバスのダイヤ? とかいうのに合わせて行動してるらしい」


 なるほど、最終バスで来て空いてる夜間に行動して、仮眠して食事して帰るような夜勤スタイルの探索者も居るってことだな。


「流石に二十一層まで来るとそこまできっちりやってるパーティーはいない感じか? 」

「そうだな、定時出社定時帰り、みたいなやつのほうが多いぞ。目をつけてる探索者パーティーが二つほどいるが、今のところダンジョンコアのあるところまではたどり着かれてない感じだ。もうしばらくは時間が稼げるが、その間に持ってきてくれてよかったぜ」


 さすがにまだ奥までは潜り込まれていないらしい。その前にヘルプをよこしたということはそれなりに深くまでは色々と考えてはいるんだろう。


「どうだろう? このあたりで回答になるような食材は提供できただろうか」

「そうだな、どれも目玉に出来る商品ではあると思う。ところで、ここまでで拾ってきたドロップ品はどうだった? 中々のもんだったろ」

「まだブルーベリーしか味見してないから味なんかの感想はそれほど出せないが、充分商品として戦えるレベルの味だとは思ったな。後はトレントの実を百%落とすレッドトレントは良い感じだったと思う。トレントの実の効果はそれなりに広く知られているし一般にも流通が始まっているから、トレントから確実に回収できる仕組みとしては面白いと思ったな。それを考えて砂岩マップを飛ばして森と川のマップを持って来たんじゃないかとも思ったぐらいだ」


 セーフエリアの真横に量産したい食べ物が落ちるマップがあると考えれば、納得の説明もなる。


「じゃあそういうことにしておいてもらおうかな。そのほうが俺の名誉が守られる」

「そうか。まあ他の食べ物についてはお土産としてある程度持ち帰って、それを楽しみにさせてもらうことにする。ブルーベリーで味が保証された以上、他も同様に甘くてみずみずしくて美味しいはずだ。ちゃんとパッキングもされてたし、バナナも皮が厚めで食うところが若干少ないものの、豊富な甘さを含んでいた。カロリーが気になる所だが美味しいのは確認できた。後は……米と小麦はそれなりに使い所を考えて追々食べさせてもらうことにするさ」

「そうか、じゃあこれでお仕事はおしまいだな。で、もう一つのほうはどうなってるんだ? ちゃんと持ってきてくれたか? 」


 酒屋で仕入れた酒のセットをどっさりと机の上に乗せる。缶ビールが三ケースと三十年物のウィスキーを三種類、それとスピリタスとそこそこの熟成がされたワインを数本。とにかく酒に関しては様々な物をご用意させてもらった。


「これだけあれば……しばらくはもつな」

「これ以上ほしかったら地元の探索者を捕まえて献上させることだな。これでも酒屋のできるだけの酒を色々集めて持ってきたところだ。数ヶ月分にはなると思うぞ」

「おう、これだけあれば水で割ったり……そういえば、コーラ持ってないか、コーラ」

「ああ、あるけど……ふむ、炭酸割りか。ウィスキーをシュワッとさせて飲むやり方は確かにあるな。だが、流石に砂糖の入ってない炭酸は持ち歩いていないぞ」

「この際甘さがあってもいい。一度試しておきたかったんだ」


 ガンテツにコーラをあるだけ渡し、しっかりと楽しんでもらえるようにする。良い酒が飲めるとガンテツは嬉しそうだ。これだけ良い顔でニッコリとされると遠くまで来たかいがあったな、と思うだけのものが込みあがってくるな。

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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― 新着の感想 ―
 追加する食品として、海海苔も良いぞ。  近年はずっと不作だから。  でもそのシェアを守る形で出すなら、超高級海苔とかになっちゃうかも?
牡蠣の話からレバ刺し来るかと思ったら来なかった…
> 話を始める前に一つ聞きたいこと」 が結構つまらない質問のおじさん > 俺は口を出さないよ」 砂岩マップが無いのはおかしいとクレームを入れる世界線のおじさん > 唾液を固めて」 海藻かと思ってた…
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