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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第二十六章:ダンジョンシティ構想

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1267:未知のポーション

 休憩が終わり、七十一層に戻って頭上に全力雷撃、サメを落とし、降ってきた魔結晶を素手で回収。もう慣れたな。……と余韻に浸っていたら同時ドロップだったらしいフカヒレが頭にヒット。脳天に一撃を喰らった俺が衝撃にうろたえる。それを見て笑っている芽生さん。ヘルメット被っててよかった。


「範囲収納にしないからそういうことになるんですよ。かっこつけて魔結晶だけ拾おうとするからそんなことに……うぷぷ」

「こういうこともたまにはある。さあ、階段探しに前回の続きを始めよう。制限時間はおよそ七十二層換算で三時間。一時間半で折り返して帰ってくるのがベターだな。それまでに階段が見つかればベスト。素直に階段が見つかってくれたらその時は喜ぼう」


 サメとエイとグリフォンとを出てくるかたっぱしから片付けつつ、七十二層までの道のりを急ぐ。すると、グリフォンからポーションが落ちた。今までのとは違い、光を反射して虹色に輝いている。


「秋の新色は虹色ポーションでしたか。明らかにヒール系統ともキュア系統とも違う、色味が何とも不気味なポーションですね。効果は何なんでしょう? 」

「新作ポーションであることに間違いはないな。とりあえず保管庫には謎のポーションということで登録してもらっておこう。こいつが流通経路に乗れば、試算段階だが一億七千五百万円ほどになるはずだ。そしてその値段だけの効力はある、と考えてみてもいいな」


 グリフォンから出たということは、四十八層のダンジョンマスキプラみたいに次のマップのポーションが一つ先走りでお目見えしていると考えていいだろう。どっちにせよ、まだ金にならない金になる持ち物が保管庫に一つ増えたことになる。


「三つぐらい溜まるまでは放置かな。それだけサンプルが有れば各種機関にも回せるだろうし、ラットを使った動物実験なんかにも使えるだろう。結果を見るのは来年以降になりそうだな」

「まず三つ集める所からですか。まあ気構えずに気楽に行けば確実ですね」


 そのまま戦闘を続けて七十二層に下り、七十二層に下りたところにいるグリフォンとサメをサメを優先的に片付けた後、グリフォンを雷龍でスタンさせて芽生さんがトドメ。問題なく処理できた。


「さて……左上の後左下だったかな? と。ドローンを早速飛ばそう」


 地図とも見比べるが、左上へ行って、その後更に左下方向へ行くので道はあっていた。逆に左下へ行って左上に行くのでも、目標物は確認できるだろうから、どっちへ行くかは気分の問題だけだな。十時半か七時半か。


「どっちへ行く? 左上も左下も結果は同じだけど」

「モンスターの密度の多そうな方へ行きましょう。左上ですね」


 左上から左下に行く方が索敵で見えている範囲ではモンスターが多いらしい。ヨシ、そっちへ行って今日の稼ぎを確実にしていこう。


 ここ七十二層は今のところ二匹セットが基本だ。三匹出てきたパターンにはまだ巡り合っていない。もしかしたら階段近くになって出てくるかもしれないが、今のところ二匹で、グリフォン二匹が出てきても片方は確実に雷龍でスタンさせることができるし、芽生さんも一発目から首元にスプラッシュハンマーを当てることでグリフォンの首を切り落として無力化させることに成功している。


 二人いれば七十二層はなんとかなるだろう。そう確信できたのも今回の探索からである。前回はグリフォン二匹の羽をどうやって吹き飛ばして攻撃手段を減らすかに重点を置いていたが、今回からはより攻撃的な手段を取ることが出来ている。これも成長した点だとは言えよう。


 左上方向に三十分歩いて周辺掃除をして、念のためドローンで行先確認。ちゃんと左下方向の道にドローンで目視できるオブジェクトを発見できた。前回はここで時間切れになったんだったな。今回はこの先へ行く。この先……つまり、ここから左下方向へ進んだ後、その先に何が見えるかが調査の対象だ。ここからも気が抜けない所だな。


 芽生さんと気を張りながら左下方面へ向かう。モンスターは先ほどまでとあまり密度が変わらず、そこそこのタイミングで出てきてくれるので割と戦いっぱなしである。モンスター自身の探知範囲が広いので油断が出来ない。これ、【隠蔽】なかったら一気に襲われて詰んでいたかもしれない。


 五十五層と同じく【隠蔽】の大事さがよくわかる一幕である。これは【隠蔽】も多重化してより接近できるようにする、もしくはより幅広い範囲でモンスターを呼び寄せるように動けば収入につながるんじゃないだろうか。


 グリフォンはやはり七十一層より多い。二匹セットに交じって出てくるため、そのたびに雷龍と雷槌の出番があるが、芽生さんにも活躍してもらいたいので雷龍は確実に撃ち、トドメは任せたりすることにしている。出番はお互いにあるので今のところどっちがどっちを担当するかについてはそのたびに決めている。それだけ実際の火力には差がないということになるのかな。流石に三種類の複合魔法は強いということだろうか。


 また三十分ほどかけて、オブジェクトのところまで来た。大き目の岩の残骸が積み上げられている。カッパドキアのキノコ岩のちょっと小さいバージョンみたいなものが設置されていた。手で上に乗っかっている石を動かそうと試しに力を入れてみたが、固定オブジェクトらしく全く動かなかった。


「固定オブジェクトか……動いたらちょっとおもしろかったんだが。さて、次で階段見えてくれると嬉しいなっと」


 周辺を掃除したところでドローンを飛ばす。すると、そのまま左下方向に大岩を発見。他の方向には何もなかった。芽生さんにも見せ、次の目的地にそこを選択することを納得させる。


「これで階段だったらミッション完了ですね。ダンジョンコアルームのダンジョンコアを撫でて帰りましょう」

「実際はもう一個奥に階段が……という可能性もあるからな。出来るだけ期待せずに行こう」


 実際、大岩が偽の大岩だった……ということはなかったはずだが、これだけ単純なマップ構成だ、おそらく階段なのだろう。だが、階段じゃなかった場合ここで引き返すことになる。できればここで終わりにしてとっとと目的完了にしたいのも確かだ。


 また同じような道を同じようなモンスター相手に戦い続ける。二人ともかなり慣れてきたと思う。グリフォン二匹にも問題なく対処できるようになった。後はひたすら歩いて近づいて、階段の片鱗が見かけられたらしばらくは七十二層の一つ目の輪をグルグル回って金稼ぎして帰る、という道を通るのが最も換金効率のいいやり方になるだろう。


 また三十分ほどかけて歩き、大岩のところまでたどり着いた。大岩は階段であった。大岩は遠くからでは階段かどうかわからぬ。実際に近づいてみるまで解らないのはこのマップ特有ではないが、落ち着いてドローンを飛ばしていられるだけまだマシとも言えるか。その辺は芽生さんに感謝だな。


 階段の目の前にはモンスターは居なかった。どうやら奇襲される可能性はここは低いらしい。


「よし、下りてみるぞ」

「さすがに下りてもう次のマップが出来ている……なんてことはないですよね」

「それならそれで次の階層まで出来てましたって報告するところかな」


 階段を下りると空気が変わり少し暖かくなった。毎朝感じる温かさにも似たその感覚は、やはり同じダンジョンの同じ仕組みで出来ている、というのが確からしい。目の前にはチェスの駒のルークに、丸い物体がふよふよと浮いている、毎朝見つめるいつもの光景があった。三度目のダンジョンコアルーム到達である。


「久しぶりに来ましたねー」

「俺は毎朝見てるけどな、この光景」

「そういえばそうでしたね。やっぱり違いとかもないんですかね、画一的デザインというかなんというか」

「うーん、見た感じだと違いはないな。やはりダンジョンコアルームも同じデザインで統一されているんだろう。もしかしたら今後違うダンジョンコアルームが出来上がってくるのかもしれないが、それはまあ各ダンジョンマスターに任せるところかな」


 とりあえずコアを撫でるという恒例の作業を済ませると、少し休憩してコアルームを出る。モンスターは……湧いてなかった。ここは湧かないポイントらしい。帰り道は少しまだ湧きなおしてないので早めに帰れそうだな。しばらく何も湧かない道をまっすぐに歩いて進む。途中からは湧きなおし始めていたのでそこはちゃんと戦いながら帰る。


「今日のラッキーは謎のポーションが一つ落ちてくれたところですかねえ。しばらくはあのポーション狙いでグリフォン討伐と行きますか」

「それが良さそうだな。ついでに他にも色々落ちるし、フカヒレとグリフォンの爪と肉は査定開始次第納品。肉は一部は研究用に持ち帰るとして……いつになるだろう? 早いとこ決めてくれるとありがたいんだが」

「保管庫のおかげで置き場所には困ってませんし、保管庫を覗いてこれがいくらになるのか楽しみににやけるのもいいんじゃないでしょうかねえ」


 まあ、そうだな。現状フカヒレだけで二百個ほど集まっている。一つ二万ほどの金額だったとしても四百万円になる。お小遣いとしては悪くないな。グリフォンの肉は……ワイバーンと同じく現実に存在するお肉ではないから五万は堅いだろう。もしかしたらもう一桁上になるかもしれない。美味しいかどうかはともかく希少な食材であるというだけで食通の方々に人気の一品になることは間違いない。


 いや、いまはまだまだ解らない所だ。フカヒレにしてもダンジョン食材だろうが本物のサメのものだろうが、味わいについてはそんなに差はないのだから、ダンジョン産だからと高い値段が付くとは限らない。あまり高望みせずに考えておこう。


 サメを狩ってフカヒレを回収しつつ、七十一層への階段へ戻る。さっき来た道を戻るだけだし一本道なので、分かれ道で方向を間違えない限りは大丈夫。ところで、こっちは方向として合ってるんだよな? とならない限りは問題なく戻れるだろう。一番最悪な方向勘違いをしても一時間、最短なら三十分のロスで済むし、そのロスの間に稼ぐこともできる。ロスをロスのまま終わらせないという意味では金を稼いで帰れる分だけまだマシ、というところだろう。


 そのまま分かれ道まで来て、キノコ岩を確認して方向が合っていたことを確認できた。後は右上、右下コースか右下、右上コースで階段まで戻れる。所要時間はどっちも変わらず一時間、という所だろう。


 モンスターに脅威がなくなってきた以上、後はどれだけ素早く行動できるかで時給が決まる。素早くモンスターを倒して素早く移動して手際よく探索をしていく。だんだんスピードアップしてきた手際の良さに俺も芽生さんも無言ながらじわじわと作業手順を極めていく。


「だいぶ楽に感じ始めてきました。ようやく慣れが来たって感じですね」

「飽きるまで七十二層をグルグル回るか、それとも六十九層経由で六十八層で探索をするか、六十四層でエンペラ集めをするか、五十九層で指輪集めをするか。色々選択できるようになったところだな。どれを選択するにしろやる気が出て素早く行動できるならどこでもいい感じに稼げると思うぞ」

「指輪はまだ在庫がずいぶんありますから、よほど数を要求されない限りは大丈夫でしょう? 」

「十五個ずつぐらいなら出せるかな。それ以上と言われると数日がかりで探索することになるとは思う。流石に全議員に配れるぐらいに頼む、とか言われたら困る所だな」


 一日二日出るまで粘って頑張るとしても衆参両議員合わせて……ざっと七百人ぐらいはいたはずだ。一日二個でも二年がかりの作業になるな。そうなるぐらいなら俺たち以外のパーティーにも声をかけてもらってみんなで納品するしかなくなるだろうな。


「うーん、指輪の効果も広まるとこれはこれで困りもんだよな。誰でも欲しがるものではあるが値段が値段だし。かといって金があるからとホイホイと配り歩いていいものかどうかちょっと悩ましいというか。やはり要請があるまではため込んでおくのが安心かな」

「いずれは出荷されていくものでしょうし、保管庫がなくなったりしない限りは多分大丈夫でしょう。それに日々稼がせてもらっているので今すぐお金にしたい、というような経営状態じゃないところもポイントですねえ。逆に五十九層まで潜りに行く方が今となっては収入が減るかもしれません。現状第一目標である所のグリフォンからのポーションドロップが一段落ついたら五十九層に戻って指輪集めに全力で頑張るというのも方向としてはありなんですかね」

「そうだな、そういう路線で行くか。せっかく溜めこめるんだし驚かせるような量を溜めこんでおいていつでも在庫を放出できるようにするのは悪くないな。それに一般に流れる分については他のダンジョンからも産出できるようになってきたらしいし、俺らにかかる負担はそこまでないはずだ」

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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