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二十話。

ついにPVが一万人を超えました! ありがとうございます!!

 あらあらまあまぁ超簡単! 手作りタルタルソースの作り方!!


 まず最初に具材を用意しましょう。具材は以下の通り(試作の為、そんなに量は要らないので卵一つ分で他を計算)。

 ・卵……1個

 ・玉ねぎ……1/10個

 ・きゅうりのピクルス……1/2個※無ければらっきょでも代用可

 ・パセリ……お好み

 ・マヨネーズ……大さじ2~4杯※量は必ず他の食材と合わせる事。入れすぎるとマヨネーズの味しかしない

 ・塩こしょう……お好み

 ・レモン果汁……お好み

 ――以上。次に作り方。手順は以下の通り。

 ①――卵を茹でてゆで卵に。

 ②――玉ねぎ・きゅうりのピクルス・パセリをみじん切りにします。

 ③――みじん切りにした玉ねぎを水に約10分間浸し、浸し終わったら水気を切る※辛味を抑える為。酢を使えば更に辛味を抑えられますが、気にしない場合はこの工程は飛ばしましょう。

 ④――茹で上がったゆで卵の殻を剥き、剥いたゆで卵を包丁で切るかフォークの背の部分で潰します。

 ⑤――切ったor潰したゆで卵にマヨネーズ・水気を切った玉ねぎ・きゅうりのピクルス・パセリを加えてヘラなど混ぜ合わせましょう。

 ⑥――最後にお好みで塩コショウ・レモン果汁加えて完成です。もしもまろやかさが足りないと感じた場合はお砂糖・水あめ・ハチミツなどを加えると良いでしょう。

 ――以上。終わり。


 ――……ん? 面倒くさい? あらあらまあまぁ、ならミキサーに全部ぶち込んでしまいなさい。まぁやり過ぎれば見た目が若干吐しゃ物っぽくなりますが結果の味はほぼ同じですゆえ――フッ。



「たったっタルタル~たったルンルン♪ ――フフッ」


「あらあらまあまぁ……あぁもう20時か。ちょっと休憩しましょ」


 と、洗い終わった食器を拭いている最中に、隣でやや色白い顔色で虚ろな眼をして何処かで聞いた事のあるフレーズの変な歌を口ずさみながらタルタルソースを混ぜている久遠少年に危機感を感じて強制的に約4時間振りの休憩をさせます。

 タルタルソースの試作も今日で三日目。この三日間の私と久遠少年の生活と言えば学校生活以外はほぼタルタルソースを作っておりました。そして朝昼晩のご飯で作ったタルタルソースを消費する。――消費量はコンビニやスーパーで売ってる市販品の7.8本分、つまりは2000グラム以上のタルタルソースをこの三日間で作っては消費したって訳です。


 ――本音を言って良いですか? 普通にちょっと後悔してます。なんせ自信を持って出せる料理のレパートリーの幅が凄く狭くなったから。特にこの三日間のお昼なんてサンドイッチオンリーです。そろそろ四季先生と二宮君、二人の舌に飽きがきそうで怖い。


「――! もうじきこの一冊使い終わりそうだね」


 口直しとリラックス用の特性のホットカルピスを持って少年の隣に座り、料理の記録用に渡していたノートを隣で開く。

 ノートの残りは4ページ。あらかた思いつく限りのアレンジをやり尽くし、今はネットで見つけたアレンジレシピを片っ端から作ってはそれにちょい足しアレンジとかを加えてるみたい。


「どう? ――と言ってもその様子だとまだまだみたいね?」


「(頷く)。作れば作る程、アレンジを加える程に味が遠ざかってます」


「あらあらまあまぁ、そっか――」


 気持ちモチモチ。そんな口惜しいと言った様子から察するに以前話していた舌の記憶(幼馴染家の家庭の味)とは大分離れているみたい。

 

 前に聞いてた話だと、市販品と比べてやたらと歯応えがあって口の中に残りやすい。タルタルソース特有の酸味も、マヨネーズの酸味だけではなく夏場に食べれば箸が進む感じのさっぱりとした酸味があるのだとか。


 ふむふむ。これは確かに再現が難しそうだ。


「やっぱり答えを知ってそうな人に会いに行くかい?」


 と、昨日した提案をまたしてみる。

 答えを知ってそうな人とは、淳兄さんが探して教えてくれた山形県に住んでいる久遠九々の母方の祖父母である。

 

 流石にノート2冊目はやり過ぎる――と、思ったのだが、久遠少年はその首を横に振る。淹れてあげたホットカルピスのお陰か、疲労で色白だった顔に血の気と活力が少し戻ってきていた。


「こればっかりは僕一人で頑張りたいです!」


 決意は固い……か。人間、走り出したら止まらんね?


「――そっか。じゃあ今度はどんなアプローチでいくんだい?」


「そうですね……ネットのレシピやタルタルソースに合いそうだなと思った物ばかりを試していたので、今度はその逆で行ってみようと思います。醤油とかマスタードとか」


「おぉ中々良いんでない? 創作料理っぽくなってきたじゃない! ならすりおろしシリーズもやってみたら? すりおろした大根とかリンゴとか……ニンニクとか!」


「良いですね! あとは食感。食感はやけに噛み応えがあったんですよね。九々のお母さんが作ったタルタルソースには」


「へぇ……あれじゃない? 卵の白身を――」


 と、淳兄さんと麻紗姉さんから教えて貰った会話術で話を盛り上げる。

 淳兄さんと麻紗姉さん曰く、心の距離が客よりも近しい相手が悩んで行き詰っている場合は斜め上のほんのりふざけた提案をすると良いと言ってた。そうすれば提案は少し気の抜けた会話に、そして最終的に雑談へと繋がって、気分をある程度持ち直せるのだとか。


 まさに今みたいにね? ――で、数分後。


「! あら淳兄さん達が帰ってきた」


 部屋の玄関扉が開く音が聞こえ、足音でそれが淳兄さんと二宮君のものだとわかった。


「ただいま」


「おかえりなさい」


「お、おかえりなさい」


 見慣れた白無地の手提げ袋を持ってリビングに現れる淳兄さんと二宮君。そっと席を立ちあがって、ハンガーラックからハンガーを四つ持って淳兄さんの元に歩み寄ります。


「これ、いつもの」


「でしょうね」


「棗が持ってるのもコロッケな?」


「でしょうね!」


 と、淳兄さんとそんなやり取りをしながら見慣れた&嗅ぎ慣れた匂いがする手提げ袋を二人から受け取る。

 袋な中身は勿論、嘘偽りのない行きつけの焼き鳥屋さんのコロッケです。もしこれでコロッケではなく焼き鳥を買ってきたら私自ら二宮君を病院に連行してたね!

あ、四十話いくね(確信)

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