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魔王さんは平和に暮らしたい

〜魔王城〜


一見すると立派に見えるが

よく見ると所々壁にはヒビと穴が空いており

壁には骨が飾られている

おどろおどろしいく趣味の悪い城の内装


そんな内装に似つかわしくない美しく豪華な台座に座りくつろぐ頭に角が生えた女性と


そんな女性とは対象的に剣を握り

何時でも斬り掛かかれるよう戦闘態勢の女性が向かい合っていた


勇者ルーナ「お前を殺す為ここまで来たんだ....魔王!!」


それを聞き魔王はにやりと笑い


魔王「良くぞきた勇者ルーナよ!さぁ全力でかかって来るがいい!!」


ルーナ「魔王....覚悟しろっ!!!」


勇者ルーナが走りながら距離を詰め

魔王に斬りかかろうとした瞬間


セレナ「って言うと思ったかああああ!!!」


魔王はいきなり

自分がかぶっていた王冠を地面に投げつけ叫び出した


その行動に面食らった勇者ルーナは足を止めてしまった


ルーナ「えっ...?」


魔王「何なんですか貴女は一体!!いきなり勝手に人の家に侵入して!」


セレナ「それどころか魔法で私の家を滅茶苦茶にして壁に穴を開けるわヒビ入れるわ私を殺そうとするわ!」


セレナ「貴女本当に勇者なんですか!?貴女の方が魔王じゃないんですか!!」


ルーナ「えっ....いやいや何を言ってるんだお前!」


ルーナ「私はお前を殺しに来たんだから当然だろ!」


魔王「だからいきなり殺しに来るとか勇者のやることかって聞いてるんですよ!」


ルーナ「当たり前だ!お前のせいで世界は混沌と狂気の世界になったんだ!」


ルーナ「お前を殺せば世界は平和に...!」


魔王「いやならない!なりませんから!」


ルーナ「嘘をつくな!だったらお前が使役している魔物は一体どう説明する!」


ルーナ「魔物のせいでどれだけ沢山の人々の命が奪われたのか分かっているのか!」


すると魔王は少し困惑した表情を見せ

小さく呟いた


魔王「私....魔物なんか使役してないです...」


ルーナ「はぁ!?」


魔王「だから使役してないんです!逆に聞きますけどこの魔王城に入って来て、1度でも魔物に襲われましたか?」


ルーナ「それは....1度もなかったが...だがそれはお前の何かしらの罠だと思って!」


魔王「違いますー!とりあえず順に訳を説明するんでひとまずその剣を納めてください!」


魔王は自分向けられている剣を指さしながら叫んだ


ルーナ「断る!そう言って油断させて私を殺す気だろ!」


魔王「そんなつもりはないですよ!....それに貴女は不死身だし....はぁ...まぁもうそのまま聞いてください」


そういうと魔王は面倒くさそうに語り始めた


魔王「確かに魔王は魔物を使役し人々を苦しめて来たのは間違いありません」


ルーナ「なら!」


魔王「ですが!!」


魔王「私が魔王になってからはそういった命令は下しておりません」


ルーナ「....はぁ?」


魔王「私は元々魔王様の部下で魔王様に次ぐ実力があると言われていました。」


魔王「ですが私は争いとかそういったものは嫌いで静かに暮らしたかったんです。だから今まで1度も人を殺したり傷付けたりした事はなくぼーっと平和に生きてきました」


魔王「ですが何もしない私にブチ切れた魔王様が私を殺そうとして....逆に返り討ちにしてしまって....」


ルーナ「えっ!?」


魔王「それでまぁ...形式上私が魔王という事に....」


ルーナ「待て待て!じゃあお前は元々はただの魔物で魔王を殺してしまったから代わりに魔王になったという事か!?」


魔王「まぁ...はい」


ルーナ「魔王ってそうやってなるものなのか!?」


魔王「実力主義なので...」


ルーナ「頭が痛くなってきた....。まぁ経緯はどうでもいい!お前は争い事が嫌いと言ったな!だったら今世界に蔓延っている魔物をどうにかしろ!」


魔王「それが....出来ないんですよ....」


ルーナ「できないって....お前は魔王なんだろ!なんで出来ないんだよ!」


魔王「.....もしかして魔王が魔物を操っていて魔王を倒せば全ての魔物が消えると思ってましたか?」


ルーナ「っ..!」


魔王「さっきも言いましたけど私が魔王様を殺したという事は魔王は魔物を操れてないって事ですよ。操れるなら私は抵抗せず死んでいましたから」


魔王「そして魔王様が死んで代わりに私が魔王になってるという事は、魔王が死んでも魔物は消えないってことですよ」


ルーナ「.....」


魔王「話を進めますね。私は争い事が嫌いで私が魔王になった時『争いはやめて人間と共存しましょう』と魔物達に言ったんです」


魔王「ですがあのわからず屋共は私の言うことは聞かず、私に魔王の資格は無いなど反乱してきたり愛想を尽かしたりして次々と私の元から去って行きました」


魔王「まぁ反乱してきた者は私が消し炭にしたのでこの世から去ったが正しいんですけどね!ふふっ!」


ルーナ(いや全く面白くねぇよ!!)


魔王「それで魔王城から魔物はいなくなり私1人だけになりました~。終わり」


魔王「それでまぁ私はただここでゴロゴロぐうたらな人畜無害な生活を送りたいだけなので放っておいてくれませんか?」


魔王「世界を平和にしたいならあのわからず屋のアホ共の魔物達を倒せば良いだけですから〜ではでは」


そういうと魔王は目を閉じ眠りにつこうとしていた


ルーナ「......そんなの信用できるかぁーーー!!」


ルーナは怒りや混乱の気持ちを込めて大きな声で叫んだ


魔王「〜ッ!!急に叫ぶなんて...!あーもう!!耳がキーンとするじゃないですか!」


ルーナ「魔王が平和を望んでいる!?何ふざけたこと言ってるんだ!!どれだけ散々魔王のせいで苦しめられたか!」


魔王「それは私じゃなくて前の魔王が....」


ルーナ「それに壁に飾られてるあの骨はなんだ!?人骨じゃないのか!」


魔王「あぁ!あれは動物の骨です!私動物の骨を飾るのが好きなんですよ〜オシャレでしょ〜」


ルーナ「お前....骨を飾るとか趣味悪いな...」


魔王「なっ!?人の趣味にケチつけないでください!!」


ルーナ「まぁいい!どうであれお前は魔王なんだろ!!だったらここで倒してやる!」


魔王「いや私、魔王って名前だけの人畜無害の人みたいなのですから!」


ルーナ「魔王!!覚悟ー!!!」


魔王「あーもう全く話聞きませんねこの人は!!!」


勇者ルーナは駆け寄り魔王の首元目掛けて剣を振りかざした


しかし


ルーナ「なっ...!」


剣は首を跳ねるどころか

魔王の首元寸前で静止していた


ルーナ「うご...かない...!!!」


魔王「忘れていませんか...?私は魔王を倒した魔王なんですよ...!」


そう言うと魔王は勇者の胸元に手を置き

呪文を唱え勇者を吹き飛ばした


勇者の体は壁に打ち付けられ

意識が朦朧として事切れそうになっていた


魔王「さようなら勇者。もう二度と現れないでくださいね」


それが勇者が聞いた最期の言葉だった....


2日後


〜魔王城〜


ルーナ「出てこい魔王っ!!!!私と勝負しろっ!!」


なんとそこには死んだはずの勇者ルーナの姿が!


魔王「また来たんですか...現れないでと言ったはずなんですけど....今、壁の補修中なんで後にしてくれませんか....?」


ルーナ「うるさい!!お前何が平和に生きていたいだ!私を殺したくせに!」


魔王「殺したって...貴女、女神の加護か何かを受けてて死んでも生き返るじゃないですか...それを知ってて殺したんですよ」


魔王「私との圧倒的な実力差を感じ、二度と私に向かって来ないようにと思ったのですが.....もしかしておバカさんですが?」


ルーナ「誰が馬鹿だ!あの後対魔王用に対策もしてきた!」


魔王「無策で来たって訳じゃないんですね」


ルーナ「あぁ....これを見ろ!!」


そういうとルーナは大量の四葉のクローバーをポケットから取り出し見せた


魔王「クローバー?」


ルーナ「あぁそうだ!私の国では四葉のクローバーは平和の象徴!平和好きなお前に四葉のクローバーを私を倒せるわけがギャアアアア!!!!」


勇者ルーナが言い終える前に

魔王は手から電撃を繰り出して四葉のクローバー事焼き焦がした


ルーナ「ど....どうして...ごふぇ....」


魔王「貴女...やっぱりおバカですよね....」


魔王は呆れた顔をしながら勇者に話しかけた


魔王「確かに私は平和が好きですけど、それは私の平和であって世界の平和とかはどうでも良いんです」


魔王「ただ私の平和を、日常を脅かしに来る者が居れば私は躊躇いなく潰す。それだけです」


ルーナ「うぅ....ぐふっ....」


勇者は事切れ

死体となった体は光に包まれ消えていった


魔王「....はぁまた来そうな気がしますよ」


3日後


ルーナ「魔王出てこい!!」


魔王「まーーーーーた貴女ですか。本当にこりませんねぇ〜そんなに死ぬの好きなんですか?変態なんですか!?」


ルーナ「なっ!誰が変態だ!今日は...お前に頼みがあって来た....」


魔王「え?」


ルーナ「私と一緒に....世界を救って欲しい...!」


魔王「.....えぇ!?」

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