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異世界召喚された聖女は最強です ~攻撃魔法が使えない無能だと罵られた私だったけど、攻撃魔法以外の才能はすべて天才級でした。今さらオレのパーティーに来いといわれてももう遅いですよ?~

作者: 木嶋隆太


 私は明城沙耶あきしろさや。異世界に召喚されました。

 

 ……そう、ここはどうやら異世界らしい。

 宮廷内にある召喚の間にて、私は現状を聞かされていた。


 異世界召喚されたのは私だけではなく、合計三人いた。私を省いた二人は理解に苦しんでいたようだが私はすぐに納得してしまった。元々、オタクだったこともありこういったジャンルの作品をたしなむことが多かったからだ。


 この国の名前はイパオキスイダというそうだ。

 そして、私たちが召喚された理由は簡単で、これから三人の王子が王位継承戦を行うからだそうだ。


 王位継承戦とは、そのまま誰が次の国王になるかを競う戦いだ。

 その勝利条件は簡単だ。国内にある高難易度の迷宮三つを一早く攻略し、その最奥にある証を三つ揃えることだ。


 毎回、王位継承のたびにこの儀式をやっているらしい。

 この国では実力こそが物を言うからこそ、国王にも力が要求されるそうだ。試験の途中で三人が死んだらどうするんだろう、とかは考えたけど、前例がないそうだ。


 そして、私たちが召喚された理由……。

 それは王位継承戦に付き従うためだ。


 王子を助けるため、異世界から召喚された聖女様がその隣で補助をするのだそうだ。

 ……私たちの事情とか一切考慮されない辺り、異世界って理不尽だと思いました。




 それから私たち三人は異世界研修を受けることになった。

 この間に魔法や最低限の常識を教えてもらうことになっていたのだが――。

 

 今日も私は魔法の授業を受けながら、王子たちに小ばかにされる。

 

『攻撃魔法一切使えないのか』

『あれは無能だな。胸もないし』


 と、第一王子と第二王子は私をバカにしてくる。悪かったですね、ぺったんこで。


 私はどうやら攻撃魔法の才能が一切ないようだ。


 別に王子と一緒に高難易度迷宮に挑みたくはない。だって、命いくつあっても持つか分からんし。

 戦力外通告を出してくれるのなら出してほしいものだったけど、そういうわけにもいかないようだ。


 契約満了――つまりは三人の王子のうちだれかが迷宮攻略を終えるまで、私たちはこの世界にとどまる必要があるのだとか。


 契約していないんですけどぉぉぉ? 勝手に契約していくとか日本の営業職たちみんなが欲しがる魔法だろう。私だってほしいくらいだ。

 最後には、王子と結婚できるんだから良くない? というのがこの国の意見らしい。


 これまでにも異世界召喚された聖女たちの多くは、元の国に戻るようなことはしなかったそうだ。

 

 いやいや! 私帰りたいんですけどぉぉぉ!? 今すぐにぃぃぃ!


 異世界人の血が混ざると、より濃い魔力を持った子どもが生まれてくるそうで、この聖女召喚は恒例行事になっているそうだ。

 そんな、人権? なにそれ美味しいの? と言わんばかりの異世界召喚、そして聖女研修は終わり――。

 いよいよ、王子たちによる聖女選別が始まった。


 説明しよう! 聖女選別とは、王位継承権の強い者から順に、聖女を選んでいくものとなっている!

 今回でいえば、第一王子、第二王子、第三王子の順番だ。

 

 第一王子が選んだ子は……18歳の女子高生だ。

 

「よろしくね?」

「は、はい!」


 第一王子は胸を見ながら挨拶をした。女子高生は第一王子の美貌にすっかり惚れているそうだ。ま、確かにかっこいいのは認めるけどね。でも、その王子、胸しか見てないですよ?


 そして第二王子。次に選んだのは20歳の大学生だ。


「よろしく」

「よ、よろしくお願いいたします!」


 第二王子は胸を見ながら挨拶をした。いや、あんたもかい。この国の男性たちが胸フェチが多いのは分かったけど、せめてもう少し視線を隠したほうが良いのでは。

 そして、最後。第三王子は私を選ぶしかない。


「よろしくな」

「はい」


 第三王子はさわやかではあるのだが、いつも難しい顔をしていた。私の胸を見るようなことはしないので、それだけでも好感が持てる。

 この三人だと一番真面目な人だと思うので、内心ほっとはしていた。


 聖女選別が終わり、晴れて私たちは迷宮攻略へと向かうことになる。

 第一王子&女子高生、第二王子&女子大学生のペアがこちらへとやってきた。

 

「よぉ、アギル」

「やっぱり側室生まれのおまえにはお似合いだな」

「親の腹を蹴破って生まれた忌み子のおまえに、その女はふさわしいな」


 ……アギル。というのが第三王子の名前だ。

 彼はこの国では忌み子といわれている。先ほど言ったように、生まれるときに母体を傷つけてしまったからだそうだ。

 アギルは、何を言われても、爽やかな微笑を返すばかりだ。口論しても無駄だと悟っているのだろう。


 私が王子同士の醜い争いを見ていると、こちらに日本人女性二人がやってきた。一緒に召喚された二人だ。


「それじゃあね、おばさん」

「ばいばーい。あんな人とじゃ大変だろうけど、頑張ってねー?」


 だ、誰がおばさんじゃぁぁぁ! まだ25歳ですけどぉ!? 四捨五入したら……やばい! 去年までは20歳だったけど、今は30歳だ!

 ……。じゅ、十の位を四捨五入したら、まだまだピチピチの0歳ですけどぉ!?

 む、むかつくが、腹をたてても仕方ない。


 私たちは場所を移動し、アギルの部屋へと向かう。


「少し相談したい。……サヤ、おまえは攻撃魔法以外は得意だな?」


 ぎくり、とした。私はそれを隠していた。こちらに召喚されてから、私は色々な魔法に手を出してみた。攻撃魔法は一切使えないのが、支援、回復、そして物作りに関係する魔法は大得意だったからだ。


「そ、それは……気づいていましたか?」

「ああ、気づいていた」

「ですが、まだまだ修行中でして、そこまで得意ではありません」

「だとしてもだ。伸ばせばあの二人を超えるほどの才能になるんじゃないか?」

「……王位継承戦の間に成長するかどうか。むしろ、私に才能があると誤認させ、他の聖女を選んだ方が良かったのではないですか?」


 支援、回復魔法は攻撃魔法に比べて難しい。

 正直言って他の聖女たちの方が、現状能力は上だ。それに、胸もあるし。


「どちらにせよ、俺からすれば王座につけるかどうかは難しいところだったからな。ならば、チャンスがあるほうにかけたほうがいいだろう? それに、だ。他の聖女を選ぶ理由がない」

「胸が大きく若いではありませんか」

「胸がなんだ? 若さがなんだ? 俺も他の王子も今27だぞ?」

「……アギル」


 やだ、この人かっこいい。


「それに俺は大きいのよりも小さい方がいい」


 やだ、この人貧乳フェチ?


「付け足すなら胸なんて飾りだ。俺は足フェチだ」

「……」


 絶対に足を出す服装だけはやめようと思った。




 こうして、足フェチ王子との冒険が始まった。

 というか、第一の迷宮と言われている炎の迷宮にて、私の真価が発揮されることとなった。


 ……この炎の洞窟は、潜れば潜るほど迷宮の温度が上がっていくのだが、私の支援魔法が生きた。


 クーラーポーション(某狩猟ゲームの知識をいかし)的なものを開発し、それをみんなに配ったところまったく温度で苦しむことなく攻略が出来たのだ。


 第一の迷宮攻略が終わったあと、一度王都に帰還した私たちはそこで第一王子と第二王子と再会することになった。

 彼らの表情は、焦っていた。

 まさか、私たちに先を越されるとは思っていなかったようだ。


「こ、こんなのありえない!」

「パーティーの変更を要求する!」


 王子たちも私の価値に気づいたようだ。

 彼らは国王になるために、この王位継承戦に臨んでいるのだ。

 聖女の容姿ももちろん大事なのだが、彼らの最終目的の前には些末な問題らしく……今さらな発言をしていた。


 その王子たちの言葉に、国王はこちらを見た。


「パーティーの変更は両者の間で了承がある場合のみ、行うとする」

「おい、聖女! こっちのパーティーに来い!」

「いや、オレのパーティーに来い! そんな忌み子よりも后との間に生まれたオレたちの方が血は綺麗だぞ!」


 血は綺麗? 別にだいたい全部同じ赤だと思うけど。


「いえ、別に今さらパーティー変更なんてしませんよ?」


 もう遅いって。……ていうか、またあの炎の迷宮の攻略したくないって。

 温度抑えたって言っても真夏くらいの熱量だったんだからね……。


 第一、私の目標は日本への帰還だ。さっさと残り二つの迷宮を攻略してやるんだから。




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酷い国名ですのぅ
[一言] とても楽しく読ませて頂きました! 是非、続きを読みたいです(о´∀`о) 楽しみに待ってますので、是非宜しくお願い致します♪
[一言] この国で胸より脚を選ぶとは、やはり側室の子ですわ
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