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銃と剣

 銃龍へと接近を試みると、いくつもの銃口を向けられる。

 弾幕で撃ち尽くしたように見えたが、小さな銃身はまだ火が吹けるらしい。

 先ほどよりも小さな銃声と共に、細かな弾丸が飛んでくる。


「これくらいなら」


 風龍のスキルで身の回りに鎌鼬を発生させた。

 魔力を帯びた鋭い風の刃が飛来する銃弾を引き裂いてみせる。

 周囲で細かく火花が散る中、駆け抜けて一息に距離を詰めて行く。


「私も」


 銃龍がこちらに気を取られている隙に明希が動く。

 空中に構築されるのは一振りの剣。

 あれも明希のスキルの賜物なのだろう。

 結界で造られた巨大な剣が宙に浮かび、剣先が天を向いた。


「なんでもありだな」


 こちらも負けじと霊符に狐火を灯して螺旋を描く。

 そうして火槍の符術を投擲し、完成した結界大剣が振り下ろされた。

 大きくて硬いその重い大剣の一撃は、当たれば銃龍の骨格を砕いていたはず。

 だが、迫る刃をただ見ているはずもない。

 銃龍はその場でバックステップを決め、結界大剣の範囲外に離脱する。

 大剣の一振りは空振りに終わり、ただ無意味に地面を叩き割った。

 そこへ背中の銃身が向けられ、重い銃声と共に一発放たれる。

 その銃弾は結界大剣を見事に撃ち抜いて破壊してしまう。


「オォオォオッ!」


 続け様、地に足を付けて踏ん張りを利かせ、今度は火槍に銃口が向けられる。

 あと少しでその身を穿っていた狐火の穂先は、二発目の銃弾に砕かれた。

 蒼白く燃える霊符の破片が舞うように散り、その最中を突っ切る。

 至近距離にまで迫り、刀の間合いへと踏み込む。

 容赦なく斬龍の一撃を銃龍へと見舞った。

 しかし、それは同じ刃で受け止められてしまう。


「――そんなのもあったっけな」


 一刀を受け止めたのは、銃身から突き出た刃。

 銃剣。

 その存在をすっかりと失念していた。


「オォオオォオオオオオォオオッ!」


 そしてリロードが完了し、再び全身の銃口が火を吹いた。


「くっ」


 風龍のスキルの出力を上げて鎌鼬の密度を上げる。

 飛来する無数の弾丸を、無数の鎌鼬で捌く。

 常に銃弾を弾く甲高い音が鳴り、火花が散っては消える。

 かなり際どいが、どうにか対処を間に合わせて背後へと跳んだ。


「一度、下がったほうがいいかも」


 目の前に結界が迫り上がり、それがすべての弾幕を受け止める。

 初撃を跳ね返したように、その結界は伸縮を利用してすべての銃弾を跳ね返す。

 ただ背中の銃身から放たれる銃弾でなければ、銃龍を傷つけるのは難しそうだ。

 跳ね返したそれらは身を覆う鱗を貫けない。


「助かった」

「どういたしまして」


 明希に近い位置まで後退し、体勢を整える。


「さーて、どうしたもんか」


 銃龍は張られた結界を破ろうと銃剣を突き立てている。

 銃弾を跳ね返せるほど伸縮性があっても、鋭利な刃物には対応できない。

 鋒が結界を突き抜け、徐々に斬り裂かれていく。

 破られるのも時間の問題か。


「風龍にしたみたいに銃身を凍らせたりできない?」

「出来なくはないけど、効果は薄いだろうな」


 排気口から出てくるのは風だけだったし。


「凍らせて塞いでも銃弾にこじ開けられるし、銃身も暖まる」


 凍結させる意味合いが薄い。


「あぁ、そうだ」


 塞ぐでふと、閃いた。


「明希の結界であの背中の銃身を塞げないか?」


 その問いに対して、明希はすこし思考する。


「……少なくとも五秒くらい、動かさずにじっとしていてくれればピンポイントで塞げるかも」

「わかった、五秒だな」


 そう返事をしたところで結界が引き裂けて消滅した。

 銃龍がこちら側へと踏み込んでくる。


「本気?」

「あぁ、もちろん」


 密度の濃い鎌鼬を身に纏い、前に出て結界を越えてきた銃龍と相対した。

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