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成る程。では、お互い不干渉といきましょう。  作者: 夏月 海桜
学園生活2年目は婚約者候補者とのガチバトル⁉︎
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2度目。ーー招待状という名の腹黒からの召喚状。・1

ボレノー様の予言(?)通りイルヴィル王太子殿下からの招待状という名の召喚状が届いた。あの腹黒王太子殿下からの招待状? いやいや。招待じゃなくて召喚だよね? 同じ招くにしても意味合いが違う。


だって絶対、招いてもてなしてくれる気は無いですよね? 待遇面良好で準備万端じゃないですよね? いや、城に呼んでいるし、一応「お茶をしよう」って書かれている以上、美味しいお茶と城の料理人さんが丹精込めて作ったお菓子が待っていてくれてはいるでしょうけど。あ。待っててくれているのは、お菓子か! それなら「招待」状なのも納得出来る!


……するわけない。「招待」じゃなくて「召喚」だもの。呼び出しだもの。オモテナシじゃないもの絶対。


コレ、断りたい。


……うん。断れないのは知っているよ? 急病でもない限りね? そして私は残念ながら健康体。急病なんて可愛げは多分その辺の庭にでも捨てられていると思う。どこの庭に誰が捨てたのか……。私? いやいや私が捨てるなんて勿体ないことをするわけないし。どこの庭に捨てられたのかなぁ。分かっていれば拾って来るんだけどなぁ……。


溜め息をつきつつ、執事が持って来てくれたその召喚状を手にして、私は必ず出席するように、という命令に「わかりました」としか返信出来なかった。王太子殿下の命令に背けるわけないよねぇ。いくらウチが王家に忠誠を誓っていなくても。……誓っていないからこそ、二心有り、と疑われるのが嫌で基本的には王家とのやり取りは穏便に、が我が家の方針。


二心、ねぇ……。それを疑われるのが面倒くさいから忠誠を誓わずとも王家の命にはなるべく従っているけれどね。反乱起こす程今の王家に不満は持ってないよ、ウチ。だから大人しく辺境の地を守っているんだからさ。ちょっとは信用してくれても良いと思うんだけどなー。


あーもう行きたくないー。


「デボラ」


「はい、お嬢様」


「行きたくないけど、イルヴィル殿下からの呼び出しだから行くしかないわ。全く嬉しくないけれど、2週間後にお茶会らしいから、ドレスをお願い。このお茶会は表向きの理由として、私の留学先について尋ねたい。と書かれているから、この文面から察するにボレノー様も出席されるでしょうけれど、大掛かりなお茶会ではないわ。だからあまり華美ではなく、そうね……知性が見えそうなものにして」


「かしこまりました。新しくドレスは作れませんね、さすがに」


「2週間後ではね。まぁ仮に1ヶ月後だとしても、私がこのお茶会を心から楽しみにしてドレスを新しく作る。なんて殿下は思っていないと思うわ。私がヴィジェスト殿下の婚約者候補者を辞退し、更にその前にはドナンテル殿下及びノクシオ殿下の婚約者の話も辞退している事をご存知でしょうから。そんな私がイルヴィル殿下の呼び出しに心弾ませて待ち望んでいる、なんて有り得ないとご理解されているはずよ。だからこの日程なのだと思うわ」


私が行きたくない、と思うから「必ず出席するように」と命令されたのでしょうし。ホント、つくづく腹黒王太子ですね、イルヴィル様。まぁそんなイルヴィル様もシュレン様の前ではかなり王太子の仮面を外されていましたねぇ……。うふふ。


あまり私を苛めるようでしたら、私もそれなりの対応をさせて頂きますからね?

やられっぱなしは癪なので。


とりあえず、デボラとクルスを連れてお茶会に参加する事に決めました。命令だから出席しなくちゃいけないのは確かだし。……領地離れるのは心配は心配ですけどね。お姉様の事とか。お姉様の私に対する態度も、ですが。お姉様の婚約も心配ですしね。それに……現在私は14歳なので。


14歳の時、辺境の地にて小さいながらも隣国との小競り合いが有ったんですよね。その小競り合いにお父様が出て行っている間に、お姉様とバートンに何かがあったらしい。詳しくは知らされないまま、私が15歳。ヴィジェスト殿下との顔合わせが決まった頃に、お姉様とバートンとの婚約がその14歳の時の出来事をきっかけにして解消されました。


だからちょっと気になるんですよね。今年の動向。

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