表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
成る程。では、お互い不干渉といきましょう。  作者: 夏月 海桜
初めての学園生活を送る2度目の人生
55/400

2度目。ーー留学候補の学園と姉の本質を見極める。・2

あっという間に半年が過ぎてしまいました。そう長期休暇の時期です。お兄様とお姉様が帰っていらっしゃるわけです。この半年間、お父様とロイスは変わりませんでしたがお母様がギクシャクしながらも私と関わろうと奮闘なさっておいででした。

……冗談抜きで奮闘されていて、そんな姿のお母様を見たら私としてもお母様に歩み寄りたくなります。


別にお母様のことを嫌ってはいなかったのですが寧ろ慕っていましたね。ただお母様は「お姉様が可哀想」の思想に取り憑かれていらっしゃったように思います。だから私は段々と距離を置いていました。あの衝撃的な8歳からは余計に。ですが、私の指摘に初めて気付いたのでしょう。お母様はお姉様が学園に入学してから私に仰いました。


「キャスを可哀想。と憐んでだから先回りしてアレコレ口と手を出していましたが、ケイトの言葉から何か自分が間違った事をしたような不安に襲われました。同時に……私は家族の意見を聞いていなかった気がして。少しキャスと離れてみて先ずは使用人達に率直な意見を聞いてみて。


私がキャスを憐むから多少我儘だ、と重たい口を開いて話してくれたわ。……ケイトの言う通りだった。アレコレとキャスのためを思ってしてきた事は結果的にあの子を我儘な甘やかされ娘にしてしまった。学園への入学に同意したのは、私とキャスが離れる事であの子の自立心を養うため。本来なら私達親がやることを学園に押し付けてしまうようなもの。学園には悪いけれどあの子を託す事にしました」


辛そうなお母様ですが、まぁ今までお姉様を甘やかしてきたツケを払うのは仕方ないことでしょう。

そのツケの一端は私達家族も同じですから学園には本当に申し訳ないですが。お父様経由でお詫びの品を贈る方がいいでしょうね。


「あなたはお母様に呆れてしまったかもしれないけれど、私はそれでもケイトを娘だと思っているの。母娘をやり直したいわ」


「お母様。私はお母様もお姉様も見捨てたわけではありません。……見捨てていたなら抑、指摘などせず無関心でしょう」


私に無関心だった可能性を指摘されてお母様が青褪める。でもそういうことなのです。冷たいかもしれませんが、例えば日本人だった頃は高校生までの記憶しかありません。それでも幼稚園の頃から仲良しの友人も居れば幼稚園を卒業してからは全くの疎遠な子もいます。


それが当たり前な部分もあって気にしなかったのですが。逆に言えば疎遠になった子の事に興味を持っていないわけです。消息を耳にすれば「ああ、そういう子がいたな」と思い出しますが普段は忘れていました。家族でも同じ事でしょう。


興味があるから気にかける。

好きだから。そして、嫌いだから。或いは畏怖の対象とか。想いは様々ですが興味があるから気にかけるのです。

興味が無ければ動向に注意しないので結果的に無関心。

私はそう思うのです。


「そう、ね。あなたは家族の事を思ってくれたから言ってくれたのだものね」


お母様は私の言葉を咀嚼し受け入れて理解して下さったように、ホウッとため息をついて納得していらっしゃいます。


「お母様。私はお姉様との関係も改善したいと思っています」


「ええ、そうね。私もきちんと皆を見るわ。キャスのことも可哀想だと思いこまずにあの子を認めるように」


そうして自然に微笑んだ私とお母様は、ようやく母と娘になれたような気がしました。これでお姉様も変わっていて下されば良いのですが。……それとも私がお姉様に何を言われても、されても受け入れる方が良いのかしら?

お読み頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ