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成る程。では、お互い不干渉といきましょう。  作者: 夏月 海桜
3年目の学園生活は留学の留学からスタートです。
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2度目。ーー早速授業が始まります。外国語の。・5

学食は所謂ビュッフェタイプでした。まぁ人数多いから合理的だよね。何処の学園でもこの方式を採用していると聞いた事がある。楽だよね、コレだと。私は野菜たっぷりスープに丸く焼かれたパンとスクランブルエッグにチキンの香草焼きにしたんだけど。(ちなみにスクランブルエッグとか名前が違うけど、前世の記憶に引っ張られているからスクランブルエッグで通す)


「目玉焼きにハムのハムエッグが食べたい」


ポツリと呟いたらジュストが「なんだそれ」と突っ込んできた。小さく呟いたのを拾ったのか。


「んー。エグス(卵のこと。エッグじゃないのか。微妙に惜しい気がする)をこうやって混ぜないで、熱した鉄板(フライパンだろうが鉄板だろうが全部鉄板)にエグスの殻を割って中身を落とすんだよね」


「それだと黄身と白身が別々にならないか?」


ジュストが私の説明に顔を顰める。まぁエグス焼きって全部スクランブルエッグなんだから見たことないと、偏見になるよね。


「うん。それで良いの。黄身と白身に火が通れば出来上がり。塩やコショウをかけて食べる」


調味料はそのままな名前なんだよね。なんでだろう。……深く考えると面倒くさそうだからやめておくけど。


「美味いのか?」


「エグスの味が変わるわけじゃないでしょ。見た目が違うだけで」


「……それは、そうだな」


私が指摘すればジュストはハッとする。


「見た目が違うだけで嫌厭するのはいかがなものかと思うよ」


「む。それはそうだな」


そんな事を話しつつジュストのお皿を見れば、丸く焼かれたパンにビーフシチューに温野菜サラダだった。……ふと視線を感じてそっちを見れば、アリシャさん・カリオン君・ゼフォル君が私とジュストをジッと見ている。


「アリシャさん?」


取り敢えずアリシャさんに声をかければ、我に返ったように慌てて「ごめんなさい」と謝られた。いや、なんで?


「どうしたんですか?」


首を捻った私にアリシャさんが「ええと」と曖昧に笑う。代わりとばかりにカリオン君が元気一杯に尋ねてきた。


「仲良しだね! 2人は恋人同士?」


その瞬間、ジュストの表情は眉間に皺がくっきりと浮かんだ。私の表情は……多分引き攣っていたと思う。


「違うわ。ジュストは同じタータント国出身だけど、友人。というかジュストはタータント国のヴィジェスト第二王子殿下の側近。ヴィジェスト第二王子殿下直々に命じられて留学しているの。その命じられた内容に関しては、私も関係していることでね。人探しをしているの。その情報を共有するためにも一緒に行動しているわ」


苦笑して説明すれば「「「人探し?」」」と3人が首を傾げた。


「元々私は事情があって留学を考えていたの。この学園も候補の一つだったけど、ドナンテル殿下とノクシオ殿下の事がちょっと心配で、隣国に留学を決めたのよ。で、ジュストはヴィジェスト殿下から命じられた人探しのために隣国に留学していたの。その人が隣国に居るって話だったから。でも色々あってその人物がシオン帝国に居る可能性が高いって事をドナンテル殿下とノクシオ殿下から教えられて。私も知っている人だからジュストと行動を共にして情報を共有して探しているところ」


そう。私とジュストはちゃんとロズベル様探しも学園開始直前までやっていた。……見つからなかったけど。年齢的には魔法学園に在籍していてもおかしくないんだけど、まぁ色々おかしい事ばかりだから、魔法学園にも居るとは思えないのよね。


「そういうことか。揶揄ってすみません」


カリオン君、素直だね。素直なのは良いことだ。


「別にいいけど。ジュストは知らないけど、私は慕う方がいるのよ?」


ニコッと3人に笑いかける。ついでに7歳年上だと話しておいた。……ロズベル様の件があるから本当に7歳年上なのか解らないけど。でも、あの時見たドミーは、私より年上には見えた。アリシャさんは詳しく聞きたがったけど「内緒」と笑っておいて、話題を変えた。といっても気になっている事だったから、元々尋ねようとは思っていたんだけど。


「ところで……これから課題用ノートを買いに行くわけだけど、通常の授業用ノートではダメなの?」


私が尋ねればゼフォル君が心得たように説明してくれる。


「課題用ノートは、通常の授業用ノートより大きめなノートを使用するんだ。共に課題に取り組む人達の名前をノートに記して、皆でそのノートに記していくんだよ」


授業用ノートは、大きさが前世で言うところの大学ノートなんだけど。課題用ノートは大きさを聞くと、A3並みのスケッチブック的な感じだ。そしてこれは不便なんだけど。物心ついた頃から使用していたから、不便だとは思っていたけど大学ノートサイズだから、まぁいっか。で、流していたんだけど……。


真っ白なんだよね、ノート。あの罫線が引かれてないんだよ。スケッチブック並みの大きさなら尚更罫線がないと扱い難い……というか、書き難いよね。文字の大きさとかバラバラで課題を見る教師も見難いと思うんだけど、誰も指摘しないのかなぁ。

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