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成る程。では、お互い不干渉といきましょう。  作者: 夏月 海桜
2度目のやり直し人生は8歳
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2度目。ーーお祝い返しの品定めは1日がかり。

本日の予定。デボラが話した通り誕生日プレゼントのお祝い返しですわ。手紙を書くだけで1日。お礼の品定めだけで1日がかり。合わせて2日はかかります。領民の子達へのお祝い返しは皆同じです。こういう時にあの子にはキャンディーを上げたのにこっちの子には花を上げてそっちの子にはクッキー。なんてしたらケンカが勃発します。そしてなんであの子はアレでこの子はコレなのに自分は……と私に文句が集中します。1度目の誕生日プレゼントのお祝い返しで苦労しました。あれは確か5歳の誕生日の時だったはずです。……精神年齢では随分前のことですが周りからすれば3年前なのですよね……。皆からワアワア言われて泣いた記憶があります。今思えば周りは1人1人に合わせたお祝い返しを考える私の気持ちを尊重するのと同時に、そうやって皆同じではないことが原因でケンカが起きるということを教えたかったのでしょう。だってデボラを含めて誰も止めなかったのですもの。1回経験しましたからつぎからは何をもらってもお祝い返しは全員一緒にしました。特別感無し。同様に手紙も宛名だけ変えて内容はまるっきり同じです。

変えるのは我が辺境伯家と共に辺境の地を治めている男爵家の友人です。さすがに領民の子達と貴族の子達が同じお祝い返しに同じ内容の手紙というわけにはいきません。差別ではなく区別です。貴族には貴族の付き合いがあってだからこそ贈る品も手紙も変更しなくては相手の家を侮っているのと同じなのです。それはさすがに実際に経験しなくても貴族教育で理解していました。貴族の誇りは人に拠っては平民に対して傲慢な態度を取ってもいい、と解釈をするようですがそうではなくて。いざという時に平民を守るからこそ平民の税で私達は生かされている。それが理解出来れば爵位の差に因る上下関係はあれど貴族である事の誇りを抱いているなら余計に同じ物ではいけないのです。


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と侮っている事と同じ。そんなの貴族である事に誇りを持っている方に対する侮辱なのです。だから男爵家の友人にはよくよく選んだ品を贈っています。1度目の時には何をあげたんでしたっけ? 私の中にある7歳までの記憶を確認すれば去年は領民の子達にあげたのはキャンディーでした。領民の子達に1度目の8歳であげたのは領内で有名なお店のクッキーでした。私自身がその店に足を運んで試食して決めた逸品でした。今回もそれにしましょう。


男爵家の友人は……嫡男の彼にはハンカチ。妹の彼女達には色違いのブローチにしましょう。そうと決まればデボラを連れて先ずはあのお店のクッキーです。1度目と同じように試食して決定しました。それからハンカチとブローチを2個吟味して決定しました。……本当に1日がかりでした。

2度目とはいえやっぱり8歳児の体力しかない……。うん。1度目は18歳で毒が付いたナイフを受けて死んでしまいましたし、体力だけではなく毒への耐性も付けようかな。先ずはもう一度体力作りです。疎かには出来ません。再び私が辺境伯家の跡取りとしてお父様に認めてもらえるかは別として、辺境伯家の人間には大切な事ですから。私の侍女であるデボラだって護衛が出来る腕前なのです。一見薄幸の美少女的な外見のデボラですけど中身は顔色一つ変えないで暗殺者を叩き潰す腕前ですからね。……やっぱり体力作りと技を磨く事にしましょう。

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