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成る程。では、お互い不干渉といきましょう。  作者: 夏月 海桜
学園生活2年目は婚約者候補者とのガチバトル⁉︎2
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2度目。ーー蜥蜴の尻尾切りなんて、させない。・8

何とか執筆出来ました。

本日3度目の更新です。

「賭けをしませんか」


「賭けだと?」


「私はセイスルートの娘。そこに誇りを抱いています。お父様の娘である事は私の誇り。ですがコッネリ公爵はその誇りを奪うような発言をされたわけです」


「誇りを賭けて、か」


「はい。私が負ければセイスルートの誇りを捨ててコッネリ公爵の養女になる話を引き受けましょう。お望みならば私に忠誠を誓う影も共に」


クルスの意向は聞きません。何故なら忠誠を“私”に誓った時点でクルスという人間の人生全てが私に委ねられたから。私は彼とデボラの命すらこの手に握っているのです。彼等が“当主”ではなく“私”に忠誠を誓った時からそういう事なのです。


「良かろう。では何を望む?」


「私が望むのは貴方の首ですわ」


「この命、と?」


肯定はせずに微笑んでおく。実際には命ではなくコッネリ公爵の失脚ですが、こういうタイプは素直に失脚して下さい。なんてお願いしてもたとえ賭け事で有ろうとも頷きません。というかこっちの真意がそこにあると分かった時点で私はこの邸から追い出されて2度とこの男の前に出現出来ません。排除されるのがオチです。


興醒めするような発言はこういうタイプには禁句です。


前世でも高校時代居たんですよねぇ。プライド高くて他人を見下していた人。男か女かも忘れてしまったんですけど、生徒会副会長をやっていた私から見て目に余る、と思った事が強く未だに残っているんです。こういう強い思いは結構覚えているんですよね。


前世でも前回でも1番強く望んだのは……


まだ死にたくない


でしたが。

お陰で長生きするためにどうすればいいか考えてますよ、いつも。でもセイスルート家の訓練とかヴィジェスト殿下やドナンテル殿下とノクシオ殿下の婚約者候補者とか現状とか、なんだか死と隣り合わせの気分の毎日ですけどね!

本当は今だってちょっと生きた心地していないんですよ! ちょっとだけですけどね!


おかしいですよね! 生きたいって一番強く思う今の人生が今までで一番死ぬような状況に陥っているんですからね! なんですか。私は長生きする事が許されないんですか! 私を転生させたナニカに尋ねたいですよね! 私は長生きしちゃダメなんですか? って。


逆ギレしてますが何か⁉︎


いえ、落ち着きましょう。今はこの目の前に居る敵の事です。私の恨みもですけど。ドナンテル殿下とノクシオ殿下の分も、お父様の分も、ラスピリア様とプライアリ様の分も込めて私はこの賭けに勝たねばなりません。怒りと恨みをエネルギーに換えて勝つ! それが私の反撃なのですから。さぁ。コッネリ公爵。返答を聞かせて頂きましょうか。


「如何致します? さすがに命を賭けるのは遠慮したいですか? まぁそうですよね。勝てるとも限らない賭けのために命など賭けられないですよね。怖気付いても仕方ないと思いますわ。私は別にやらなくても良い賭け事ですし」


賭けを持ち出したのは私ですが、私の大切な物が取り戻せた事は理解している。それがプライアリ様とラスピリア様の事だとも解っているはず。だから私がこのまま此処を去っても私が損をしない事も解っているでしょう。


コッネリ公爵もこのまま私を去らせても損はない。得もないけれど。……いえ、人質的な考えをしていたのならラスピリア様とプライアリ様が私に奪われるのは痛いでしょうけれど。居なければ居ないで困りはしないだろう。だから私の賭けに乗るか反るかは私も解りません。でも。こういうプライド高い奴は他人に憐まれたり、他人に見下されたりするのは我慢ならないから。


しかも私は敢えて怖気付いても仕方ない、と煽るような事を口にした。だからきっと……


「フン。見え透いた煽りだ。だがいいだろう、乗ってやる」


……やっぱりね。

お読み頂きまして、ありがとうございました。

アンケートご協力もありがとうございました。200話ちょうどではないかもしれませんが、200話記念にアンケート⑤を執筆します。

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