2度目。ーー蜥蜴の尻尾切りなんて、させない。・5
すみません。昨日から続く頭痛と吐き気と目眩で執筆が思うようにいきません。
頭痛薬が効いているところで執筆しましてこの時間です。夜の更新も体調が整いましたら更新したいと思います。
「それで? 大切な物とやらは見つかったか?」
「大きな鼠は1匹だけでは有りませんから今家探し中ですの」
執事も解っているはずで追い払いたいだろうにコッネリ公爵に命じられていないからか、それとも私兵達に任せているからか、動かない。
「確かに鼠は1匹を見れば10匹はいると言うな」
「まぁそれは初めて聞きました」
でもまぁ鼠って子を沢山産むとかって前世で聞き齧ったから、そういう事なのかもね。それはそうと聞きたいことがあったのを忘れていたわ。
「ところでコッネリ公爵」
「なんだね」
「第一王子・ドナンテル殿下のご生母であらせられる側妃様は、コッネリ公爵のご姉妹でいらっしゃるとか?」
「ほぅ。どこで聞いてきたのか知らんが面白い冗談だな」
「まぁ冗談ですか」
そう言うよね、そりゃ。証拠無いもんね。でも少しくらい動揺しても良いと思うんだけど。全くないものねぇ。一筋縄じゃいかないのは分かっていたけれどやっぱり強いな。さすがお父様に煮湯を飲ませた男。
「それも笑えない類のな。冗談を言うなら笑えるレベルにしてこい」
「お父様に似ているので笑いが取れる冗談が浮かばないんですよね」
「……成る程な。だが、そういった所は寧ろ奴より上だな」
「前々からお尋ねしたかったのですが、お父様の何が気に入らないのです?」
元々そこなのよね。お父様も2度煮湯を飲まされたとは言っていたけど、具体的な事は何一つ知らないし。お父様は融通が効かないタイプだしユーモアセンスも無い人だけど、愚直だから嫌われるような人でもないんだよね。
実際1度目のケイトリンの人生でお父様が怒った相手ってコッネリ公爵だけだと思うし。私が知らないだけかもしれないけれど……。
そのお父様に嫌われるコッネリ公爵だけど考えてみたらお父様に煮湯を飲ませるくらい、コッネリ公爵もお父様が嫌いって事でしょ。何が気に入らないのかしら。
「奴から聞いていないのか」
「お父様は煮湯を飲まされたとしか仰っておりませんから」
「ふん。そんな事だろうな。奴は自分が悪いとは思っておらんだろうよ」
……お父様。何かなさったんですか? あのコッネリ公爵が不貞腐れていますが。子どもか。ってツッコミたくなるような態度をしていますが。嫌いな男の娘に見せる態度では有りませんが?
「お父様があなたに何をした、と?」
「奴はな。現国王陛下を助けた事がある」
「はぁ。それは存じておりますが」
それからの付き合いで、私とお姉様がドナンテル殿下とノクシオ殿下の婚約者にならないか打診を受けたのですからね。それが何か?
私が首を傾げて話の続きを待っていると苦虫を噛み潰したような表情になっている。
「……もしや、その助ける状況はコッネリ公爵が助ける状況だった、と? お父様が横から勝手に手助けをした、とか?」
「……フン」
えー。マジか。子どもかよっ。
「どういった状況で陛下をお助けする事になったのか存じ上げないので何とも言えませんが、お父様の事ですから偶々だと思われますが」
「それが、気に入らない」
……本当に子どもかよ。コレが前回結果的に私を殺した男の本音なんですか? えっ、私、死に損じゃないですかね。……張っ倒して良いですか。




