表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
成る程。では、お互い不干渉といきましょう。  作者: 夏月 海桜
学園生活2年目は婚約者候補者とのガチバトル⁉︎2
186/400

2度目。ーー一筋縄では行かないとは思っていたけれど。・3

「起きていないなら起こしてやるのが親切かな、なんてなー」


などと言いながら軽やかに近づいて来る足音。そして、ドア向こうから漏れて来る灯りから察するにまだ夜のようです。この部屋に灯りが無かったわけですね。薄く目を開けて明るさになれた所で足が視界に入りました。本当に警戒心なく近づいて来ましたね。というか、その足を私の顎下に入れ込もうとしているなんて、随分と私を舐めていませんかね?


薄く目を開けていたおかげで見えていたその足首を掴んで引き倒しながら、私はその反動を使って身体を起こしました。


「うわっ」


叫んだ男の背中に素早く伸し掛かり、片手で男の片腕を捻り上げ、もう片方の手で男の後頭部から思いっきり床へ叩きつけます。顔面と床にキスをさせて意識を奪った後は、サッと身体検査をします。男の上着のポケットからナイフが出てきました。


「これ、私のですね。取り返そうと思っていたので良かったです」


そんなわけで足首の縄を切って自由を得ました。夜ということは、一晩も経っていないと思うべきでしょうか。しかし場所が分からない以上、無闇に動き回るのは得策では無いですが……。私を攫った人間は、この脳震盪を起こしている男だけなのでしょうかね。それともコッネリ公爵が現れるのでしょうか。物音がしないか耳を澄ませますが、特に何の音もしないので、一応この男に仲間はいないようですね。


「外に出て場所の把握をするべきか、この男の目を覚まさせて尋問するべきか」


ウチの影達が私を見つけ出すにもどのくらいで見つけ出せるのか分からないですし、そもそも私が寝ていたのは学園の寮の自室です。……それって学園の警備はどうなっているんですか? って話ですよね。

取り敢えず漏れて来る灯りからこの男の情報を少しでも引き出してみましょうか。そんなことを思いつつ、うつ伏せで寝ている……もとい脳震盪を起こしている男の顔を灯りに向けて私は、成る程、と納得しました。


「警備員がこんな事していちゃ、警備なんて有って無きが如しだわ……」


学園の中でも女子寮担当の警備員が犯人です。学園内に不審者が出ないように警備員は在中していますが、その中でも学園全体担当・学園の学舎内担当・男子寮担当・女子寮担当等細かく分けているというのは、説明されています。そして、この方は女子寮担当の警備員。


女子寮担当は3人居ましたね。全員男性ですが、女子寮の外だけではなく中も入って警備します。だから女子寮に入って来られたのも納得です。但し通常の警備態勢の場合、女子寮内を巡回するのは寮長(此方は女性です)が一緒。学園に通う女生徒達と警備員の間で間違いが起きては困るから、という理由が主なものでしょう。それも、巡回は女生徒達が就寝する前で、就寝後は寮長が寮内の鍵をかけて男性警備員は、外だけを巡回します。


でもまぁ、こう言ってはなんですが。

例えば寮長さんと警備員さんが恋仲になった、とか。

例えば寮長さんが警備員さんに脅されている、とか。

例えば寮長さんと警備員さんの間に絶対的な上下関係がある、とか。

そういった場合があったかもしれないですよね。まぁ全然そんな事はなく、寮長さんを仲間にしないで隙をついてこうなったかもしれないのかな、とも思いますけど、それだと相当この男が手練れじゃないと、侵入から私を攫って外に脱出まで難しい気がするんですよね。


……個人的には寮長さんは共犯じゃないといいですけど。共犯だとその後の処理が面倒くさそうですし、ね。後、寮長さん、善人っぽいのでイメージ通りだと良いなぁってだけですけどね。

アンケートは、15日金曜日の午後8時まで受け付けております。

ご興味のある方はよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ