表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
成る程。では、お互い不干渉といきましょう。  作者: 夏月 海桜
学園生活2年目は婚約者候補者とのガチバトル⁉︎2
184/400

2度目。ーー一筋縄では行かないとは思っていたけれど。・1

失敗しました。


私、攫われたようです。いや、「よう」ではなく確実に攫われてますよね。


まさか、こんな事になるとは。やはり一筋縄では行かないとは思っていましたけどね。でもまぁ油断していた私が悪いと言えば悪いですよね。……いえ、ここまでの事をするかもしれない、と警戒を怠っていたのも確かですし、コッネリ公爵の行動力や頭の回転の速さを考えなかった私が愚かだったのでしょうね。


経験の差と言うのか、それともコッネリ公爵ほど私が悪どい思考にはなれなかったと言うのか。万が一にも何か有ったら……という想定は一応しておいたのが、不幸中の幸いとでも言いましょうかね。

取り敢えず、私が居ない事に気付いているはずのデボラとクルスの事ですから、助けは来ます。それは分かりますが、まぁ私も大人しく待っているだけは性に合わないですし、状況把握は必要ですよね。


先ずは私自身の事ですが、当たり前と言えば当たり前なんですが、縛られてます。手足。まぁそうですよねぇ。攫っておいて手足自由って逃げてって言っているようなものですものね。身体検査を……されていますね。寝巻き(パジャマと言うよりはワンピースです。普通の令嬢はそれだけでしょうが、私は辺境伯家の者なので夜襲等を考えて前世で言う膝丈のパンツを履いています。直ぐに動けるようにですよ、もちろん)の袖に縫い付けておいた小型のナイフが無いです。あ、もちろん自分を傷つけないようにナイフは鞘に入れて有りましたよ? その鞘ごと持って行かれてます。ヤレヤレ。ちなみに、服に隠していた武器はそれだけです。膝丈じゃなくて足首まで裾が有ればパンツにも縫い付けておいたんですけどねー。残念ながら膝丈なので、膝丈にナイフを縫い付けておくのは意外にも動き難かったのでやめました。失敗です。


とはいえ。

何度も言いますが、私は辺境伯家の者です。服だけに隠しているわけ無いじゃないですか。令嬢は髪を守るためにナイトキャップを被るのですが、もちろん私も被ってました。髪の毛がパラリと落ちて来ている所を見れば、ナイトキャップも取られてますけどね。ナイトキャップには武器が無いって思って安堵したみたいですね。髪の毛そのものには手をつけられていません。


という事で、髪の毛を弄る事にしましょう。後ろ手に縛られてますが、幸い結び目さえ判れば解けます。指先に神経を集中するからかなり疲れますけどね。

私を攫った奴は、コッネリ公爵の手の者では有るでしょう。タイミングが良過ぎですからね。あの競い合い発表(?)の後の宴で程よく満腹だったし、疲労していたし、私自身が気が抜けたまま寝たのですから。そんな状況だからこそ、攫われたのでしょう。デボラやクルスも疲れていたでしょうし(他国の王女殿下方や高位貴族の令嬢方に加え、この国の主な貴族令嬢方が一堂に会していたわけですから、神経を尖らせていた事でしょう)、おそらくガリアとアレジもいつもより警戒心が高かったはず。


そして、何事もなく終わった……と私含めて気が抜けた所で、私が攫われたのでしょう。影の訓練を受けている彼等が揃って出し抜かれる可能性として高いのは、睡眠薬や痺れ薬等だと思われます。さすがに殺意が有るような相手に近づかれて気付かない事は無いはずなので、彼等が死んでいるとは思っていませんが。


状況的には、薬を使われて(飲まされたというより匂いを嗅がされた的な感じだと思われますが)動けなくなった彼等を尻目に警戒心を緩めた私を攫った、という所でしょうね。問題は、攫われてからどれほど時間が経っているのかと、此処が何処なのかという事でしょうか。


私も多分、薬を使われていたでしょうね。いくら警戒心が緩んでいても攫われている事くらい気付きますもの。それが分からなかったのなら、眠っている私に薬を嗅がせて来たのでしょう。……迂闊ですね、私。どれだけ警戒心を緩めていたんですかね。反省です。


そんな事を考えつつ、縛られていた縄が解けました。先ずは第一段階クリアです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ